津山市で好きを仕事にしている方にお話をうかがいました。
セレクトショップ・オーナー
無駄なことをどれだけ長くやっていけるかというのが真髄じゃないですか。
自分がときめかないのにお客さんがときめくわけがないですよね。
古今東西の素敵なものが共存する店内。オーナーの片岡さんの好きなものの源は?
若い頃にビンテージブームやスニーカーブームがあって、昔から古いものを見直す機会が多かったように思います。3つ上の兄がいて、中学一年生の頃から服飾系の雑誌には触れていました。そこから自分で調べるようになって。当時の津山には古着の良いものとかはあまりなかったので、岡山市などでそういったものには触れたように思います。
店名の「Katarino...」という名前にはドットが3つ付いていて、それぞれ「ひと、もの、こと」を意味しています。そういった「ひと、もの、こと」が、この場所でハレーションを起こして、出会ったり、触れたりして、語り継がれてけばいいなぁと思っています。
なぜ津山でお店をやることになったのですか?
もちろん地元ということが理由のひとつにあります。このお店の場所は祖母の代が商売をしていた場所です。幼少期に商売をしているおじいちゃんおばあちゃんの姿を見ていて、その時に何となくですけれど、「自分もやる」みたいなぼやっとしたものはできていたと思います。
中学生から高校生くらいでファッションに目覚めたときに、うちも衣料品店だったのですが、布団やカーテン、下着、軍手まで、何でも扱うような店だったので、そういった環境を見て、自分にはもう少し違うことができるんじゃないかなということを、中学生くらいの時からイメージはしていたんです。その影響が最初の点かもしれないですね。そこから色々な点が結びついて今の様々な形になっています。
好きなこととビジネスの関係は?
バランスをとることですかね。お金=利益ばかり追いかけても面白くないですしね。結局、無駄を楽しむ=無利益でワクワクする、ときめくことをどれだけ長くやっていけるかというのが真髄じゃないですか。無駄というと何にも得られない事と思われがちですが、決してそうじゃないとおもいます。その中にキラキラ光る何か?が得られると思っています笑。見返りなんか求めず、楽しめる事を優先する。自分がときめかないのにお客さんがときめくわけがないですよね。
僕はたまたま運が良かったのかなぁとも思います。若いころは無駄に人と飲みに行ったり、色んなモノに無駄遣いしてお金はなかったし、、でも、、あそこであの人、あのモノに出会っていなかったらとか…。それはすべて無駄な事ではなかったのかなと...。
未来のことは?
先々のことを考えたらキリがないんですけれど、変化していくんだろうなとは思っています。自分は今これだと思っているんだけど、変わっていいと思います。だから尽きない。10年後、流れでガラッと全然違う店になっているんじゃないかなって思うくらいです。
若い人に何かアドバイスをするとしたら?
最近までは、地方に住んでいる若い人は一度外へ出ないとダメだと思っていたんですけど、向上心のある人の感覚は、どこにいても研ぎ澄まされていくんだなぁと、津山でお店をしてみて考え方が変わりました。どこに住んでいるかは関係なく、向上心を持って意識を高くしてアンテナを張って、目の前のことを真剣にしっかりやっていればいいと思います。そしたら自然と出会いが広がっていく。僕たちの店も、そういった良い出会いが繋がっていくような役目もあるのかなぁと思っています。