津山市で好きを仕事にしている方にお話をうかがいました。

ジーンズ縫製工場代表

津山市 このまちで 好きを仕事に
内田政行さん 内田縫製

ここまでこだわったジーンズは普通はできないです。
でも、うちは工場なんでね。自分でものが作れれば、結構強いですよ。


誰もが知るブランドのジーンズの縫製を手掛けてきた津山市の本格派工場が自社ブランドを立ち上げた。2016年のデビューから、東京のアンテナショップやフェアで軒並み商品が完売。好きなジーンズを作って一躍MADE IN TSUYAMAの代名詞となる。
創業40年、匠集団を率いる内田さんの新たな挑戦。

上質な岡山県産セルヴィッジデニム、小股折伏せ縫い、通常の何倍も時間のかかる隠しカン止めや隠しリベット、機械の改造も必要なベルトチェーンステッチ、2〜3年先の経年変化でできる濃淡の美しさを見越して、見えない細部にわたるまで一切妥協を許さない最高品質。ジーンズ本来の魅力がたっぷり詰まったビンテージ仕様。ジーンズを愛する職人が、ジーンズを愛する人に贈る内田縫製オリジナルブランドの至極の一本が完成しました。本物志向の大人の「ビジネスライン」もあります。
ここまでこだわったジーンズは普通はできないです。でも、うちは工場なんでね。永年保証も付いています。これをわかって買っていただいたお客さんは、「ありがとう!」って言ってくれます。
リペアをするときはお客さんと相談して、派手好きな人には裏から派手な色の当て布をしたり、地味好きな人には同色の糸で細かく縫ったりとか、話をしながらできると思います。
うちのジーンズを買ってくれたお客さんは、ジーンズの話をするだけでもフェアに足を運んでくれます。

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また、津山の鶴山公園の桜をイメージした「サクラ」シリーズというオリジナル・ジーンズもあります。
ジーンズっていうのは普通、縦糸が紺で横糸が白ですが、「サクラII」は、「つぼみ・咲きがけ・満開・散り始め」をイメージした4色のピンクの糸を横糸に使い織り上げました。その4種類の生地を各パーツに使い1本のジーンズを作っています。買っていただいた方には、ロールアップで穿いていただくようお勧めしています。どこにもないっていうのがいいですよね。 次に作った「サクラIII」は、縦糸を紺に染める前に一度ピンクに染めています。5年、10年穿いていただくと普通の生地なら白くなる部分が、うっすらとピンクになります。うちのジーンズはワンウォッシュのまま加工はしないので、そのままの状態で穿いていただいて、自分で育てていってもらう感じです。
好きなものを作ってそれがお客さんに受け入れられるのが一番嬉しいですね。東京の百貨店でもこれから「MADE IN TSUYAMA」のネクタイや木工などを扱うことになっていて、その突破口を僕たちが開けに行った感じですかね。一本も売れなかったらどうしようかと思ったけど(笑)。
津山市の後押しもあってオリジナルブランドを立ち上げたら、新聞や市報などでも取り上げていただき、求人も増えました。
嬉しかったのは、福祉作業所の女の子が、うちのジーンズ生地を使って小物を作って販売したお金で、「お父さん、お母さんを温泉に連れて行ってやりたいんじゃ。」って聞いた時です。「もう、なんぼでも持って帰りんちぇー!」って(笑)。津山市に感謝です。

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ジーンズを作れるようになるには何年くらいかかりますか?

少しでもミシンを踏んだことがあり、裁断したものを縫うなら1〜2年くらいでもできるかもしれない。作ること自体はそんなに難しいことじゃないです。ただ、例えば生地の選び方ひとつにしても、何回か洗濯したらこれぐらい縮まるので、最初からこれくらいパターンを大きめにしないといけないとか、本当に詳しいことまで知ろうと思うとキリがないです。
うちの工場でも朝から晩までひとつのパーツを担当する流れ作業じゃなくて、何年かかけてでも全工程を学んで、自分の家族などに一本作れるようにしていこうとは言っています。工場としては効率も悪くなかなか難しいですけれど、好きなら面白いと思います。

若い人に何かアドバイスをするとしたら?

とりあえず若いうちは何でもやってみるのがいいかと思います。飲食でも、営業でも、とりあえずやりたいことをやってみる。24歳〜25歳くらいで一つに絞って…。やってみないとわからないですからね。
うちにも「ふるさとワーキングホリデー」で、これから東京の大学生が来ます。ジーンズに興味があって繊維の専門商社に内定している学生もいるので、下請けの工場がどんなものか勉強するのもいいでしょう。色々なことをしてみて決めればいいと思います。
ただ、職人さんが少なくなっているので、職人になるのもいいかと思いますけどね。自分でものが作れれば、結構強いですよ。僕らは自分が作ったものを売るので、やっぱり強いんですよ。自信を持って一から作りましたよって言えるし、お客さんもその気になって聞いてくれる。「手に職をつける」っていうのは合っていると思います。

MADE IN TSUYAMA、内田縫製の未来の姿とは?

ジーンズが好きな若いメンバーが沢山うちに集まって、みんなで盛り上げてくれて「やろう!やろう!」っていう雰囲気になればいいと思います。
日本橋に出店した時に来てくれたお客さんに、「100年続く企業になってくださいね。」って言われて、かっこいいなと思いました。

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内田縫製
〒708-1226 岡山県津山市新野山形450
TEL: 0868-36-2861
FAX: 0868-36-2706
uchida-factory.co.jp
詳しい移住情報は、LIFE 津山