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第24回 津山(まち)づくりミーティング-津山産小麦の魅力を広める-

第24回 津山(まち)づくりミーティング-津山産小麦の魅力を広める-

4月8日、市内でパン店を経営する3人が、津山産小麦を使ったパン作りのきっかけや魅力などについて、PANKU(平福)で市長と意見交換しました。
ミーティングの様子
 
好きから始まったパン作り
市長 パン作りを始めようと思ったきっかけを教えてください。
小林さん 50代で習い事を始めようと、思い立ったのがパン教室でした。
前々から、近所の人などが集まってお茶などを気軽に飲める場所を作りたいと思っていました。
これに合わせて、勉強していたパンも作って提供することにしました。
皆さんがおいしいと言ってくれるので、続いています。
森廣さん 母親の影響で、子どもの頃からパンや菓子を作るのが好きでしたが、パン屋さんになろうという気持ちはなく、大阪で仕事をしていた時、習い事でパン教室に通い始めました。
当時はまだあまり知られていなかった天然酵母にこだわるパン屋さんと出会い、通って勉強する中で、もっとパンを作りたいという気持ちが強くなりました。
先生の勧めもあり、実家のある津山に戻ってきて店を始めました。
秀安さん 元々菓子作りが好きで、友だちや家族においしいと言ってもらえるのがうれしくて、小さな頃からよく作っていました。
パンに興味が向いたのはここ5年で、パン屋さんとして専門で仕事をしたり、修行したりした経験はありませんでした。
まずは、天然酵母を作ることにはまり、次にその酵母を使ったパン作りに興味が向かいました。
最初は思ったように膨らまず、どうやったら膨らむか試行錯誤する過程が面白く、パン作りにはまっていきました。
一通りの種類のパンを作ってみた中で、一番好きなクロワッサンに限定して勉強し、昨年の4月に工房をオープンしました。
市長 皆さん、初めからパン屋さんを目指していたわけではないんですね。
わたしは、農林業をビジネスとして成り立たせていくことを目標に「ビジネス農林業推進室」を作りました。
事業として店を続けていくためには、経費と売り上げの関係も重要です。
事業を始めるための初期費用は、どのように調達されましたか。
小林さん わたしは「少しは借りた方が気合が入って頑張れる」というアドバイスを受け、自己資金のほかに、少しだけ借り入れを行いました。
森廣さん 店舗は棟梁だったおじや父に自宅の庭に建ててもらい、木材は祖父の山のものを使いました。
必要になる設備は、自己資金で準備できる範囲で用意しました。
秀安さん わたしは工房だけで、店舗は持っていません。
工房で使う最低限の設備を自己資金で準備しました。
現在、店を持つ目標に向け、津山商工会議所に相談に乗ってもらっています。
市長 借り入れをしたら気合が入るというのは、一理ありますね。
好きだけでは難しいビジネスの世界。融資や補助の制度もあるので、会議所や商工会に相談するなど、しっかり活用してほしいです。
参加者 参加者
 
津山産小麦のパンは味が濃くモチモチ
市長 津山産小麦を使おうと思ったきっかけは何ですか。
秀安さん 全国の産地の小麦粉でパンを焼き比べ、自分に合うものを探していました。
クロワッサンの店を始めようと思い始めた時、地元を盛り上げたいという思いから、地産地消につながる津山産小麦の存在にたどり着きました。
津山産小麦で焼いたパンは、甘くてモチモチしています。
職場に持っていくと「おいしい」と好評で、津山産小麦一本でいこうと決めました。
森廣さん 津山に戻ってきた時から、地元のものを使いたいと思っていました。
テレビで津山ロールが紹介され、津山産小麦の存在を知りました。
市長 津山ロールが津山産小麦を知ったきっかけになったというのは、うれしいですね。
森廣さん 当時は、菓子などに向いた薄力粉の品種「ふくほのか」の生産が中心で、ふくほのかと国産の強力粉を混ぜた粉で、パン作りを始めました。
その後、パンなどに向いた強力粉の品種の試験栽培が始まり、市の紹介もあって、試験中の品種の強力粉を数種類試しました。
強力粉の品種「せときらら」が本格的に生産されるようになり、現在は、強力粉も薄力粉も使っています。
「せときらら」で焼いたパンは、味が濃くて、香ばしいです。フランスパンも何もつけなくてもおいしいです。
こねていて、伸びがよく、ハード系のパンから菓子パンまで、さまざまな種類のものを作っています。
小林さん 北海道産を中心に使っていましたが、紹介を受け、せっかく地元の小麦があるのならば使ってみようと思いました。
食パンから始めて、少しずつ津山産に切り替えていっています。
小麦粉を変えると、吸水率が違うなど、粉に合った作り方を模索しなければならないので、試作には苦労します。
特に、一人で店をしながらだと、試作の時間がなかなか取れないのが悩みです。
市長 粉が変わると、作り方も変わる。作っている皆さんの厳しい挑戦の結果、粉の個性がおいしいパンの魅力の源に変わるんですね。
津山産小麦に対する皆さんの評価が高いのは、うれしいです。
お客さんの反応は、どうですか。
森廣さん わたしの店は最初から津山産小麦を取り扱っているので、お客さんは「津山産小麦」のパンを目指して来られます。
イベントなどでは「津山産小麦で作ったパンなら食べてみたい」と興味を持ってくれる人がたくさんいます。
市長 これはうれしい話ですね。
アルネ・津山で開催した、パンフェスタもたくさんのお客さんに来てもらいました。
津山産小麦を知ってもらうきっかけとして、イベントは有効だと思いますか。
小林さん 津山産小麦を皆さんに知ってもらうのが一番大切で、イベントは、良いきっかけだと思います。
わたしたち出店者にとっても、お客さんに喜んでもらうために、販売方法を工夫したり、種類を増やしたり、大事な勉強の場になっています。
森廣さん わたしの店は郊外にあり、イベントは店を知ってもらうきっかけになっています。
普段は遠くて行くことができないというお客さんも、イベントに来てくれます。
イベントがあると、普段の販売よりたくさんのパンを焼くため、睡眠時間は少なくなりますが、やりがいがあり「パン屋さんになったんだ」と実感します。
(全員笑う)
参加者 津山産小麦のパン
 
小麦粉以外の材料にもこだわり
市長 小麦粉以外の材料は、地元でそろいますか。
秀安さん 地元のものだけでは難しいですが、国産にこだわっています。
道の駅「久米の里」などにパンを卸しているおかげで、農家の皆さんと知り合いになり、果物は地元のものを使っています。
市長 加工するのであればB級品も使うことができます。お互いに良いネットワークができますね。
森廣さん 果物や野菜など自分で作るものもありますが、なかなか難しいです。
地元の食材をもっと使いたいという思いがある反面、わたしのこだわり「有機栽培」の材料は地元ではなかなかそろわず、インターネットなどで調達しています。
小林さん わたしも道の駅などで購入するほか、インターネットでの仕入れが多いです。
市長 皆さん、仕入れにインターネットを活用されているんですね。
インターネット上に情報を載せることも大切ですね。
秀安さん こだわりが強いと経費が掛かりすぎるのは分かっていますが「津山産小麦や地元の農産物は絶対に使いたい。使わなければやる意味がない」と思っています。
お客さんに高いと感じられてしまう価格と実際に係る経費との差を、どう埋めていくか、この先に不安を感じています。
森廣さん いろいろなものが値上がりする中、有機栽培などこだわった材料の調達には苦労しています。
小林さん 材料の良さ、調達や作る大変さが分かっているわたしは、少しくらい高くても買います。
材料へのこだわりや作る工程など、価値をどう伝えるかが課題です。
市長 ちなみに津山産小麦は高いと感じますか。
参加者全員 種類にもよりますが、国産の中では高くないと思います。
市長 皆さんの収入とともに、農業に従事する皆さんの収入を増やすことも大切。
商品の販売価格は抑えながら、農産物の生産者、それを使う皆さん、どちらの収入も上がる仕組みづくりは、研究課題の一つです。
 
重要なのは情報を届けること
森廣さん こだわりを持って農産物を作っている人が、地元にいてほしいと思います。
作り方のこだわりなども情報提供してほしいです。
小林さん こだわって作っている人がいるのかもしれませんが、情報が入ってこないのが課題です。
地元の農産物のさまざまな情報が、気軽に入手できたらうれしいです。
市長 例えば、地域の農産物や、作り方へのこだわりを含む生産者の情報を取りまとめて発信するなど、情報がしっかり届けば、地域で循環させることができる。さらに、地域外の人にも使ってもらえる可能性が広がるなど、ヒントをもらいました。
新たに始めた、インターネットを使って直売所と消費者を結ぶ仕組み「アグリつやまっち」を活用するなど、情報発信を充実させていきます。
津山産小麦のブランド化を始め、地域の農業を盛り上げていくため、皆さんの意見を生かしていきます。
 
最後に、津山産小麦で焼いたモチモチのパンを、おいしくいただきました。
 
津山産小麦の魅力を伝える動画を配信中
小麦の里のおくりもの 津山産小麦(市公式YouTubeチャンネルにリンクします)
 
集合写真
 

左から 谷口市長、小林由記子さん(PANKU)、森廣洋子さん(天然酵母ぱん ゆん太の家)、秀安貴恵さん(ゆき乃クロワッサン)

参加者の皆さんからいただいた事後アンケートの声

  • なかなかゆっくり話ができない市長や同業者の皆さんと話ができてよかったです。(会に同席した)地域おこし協力隊や担当職員の皆さんともお会いできてよかったです。
  • 津山産小麦を使用している他のパン屋さんの話を間近で聞くことができ、市長や担当職員の皆さんに自分の思いを話すことができて、とても良かったです。津山産小麦を使ったパンの価値そのものが上がるといいなと思います。
  • 希望や困っていることなどに前向きに答えてもらい、またすぐに対応してもらえました。他のパン屋さんの話が聞けてよかったです。最初は戸惑いましたが、いい機会になりました。

このほかの津山(まち)づくりミーティングの様子はこちらをご覧ください

この情報に関する問い合わせ先

津山市 秘書広報室(広報)
  • 直通電話0868-32-2029
  • ファックス0868-32-2152
  • 〒708-8501岡山県津山市山北520
  • Eメールkouhou@city.tsuyama.lg.jp