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第19回 津山(まち)づくりミーティング-介護職場の現状とこれから-

第19回 津山(まち)づくりミーティング-介護職場の現状とこれから-

8月24日、介護保険事業者連絡協議会に属する市内介護事業者の職員3人が、津山市役所で市長と意見交換しました。
老人保健施設や特別養護老人ホーム、居宅介護支援事業所など、それぞれが働く職場の特徴を紹介した後、介護職場の現状とこれからについて、話しました。
ミーティングの様子

現場を取り巻くさまざまな課題
市長 介護の問題は年を重ねると誰もが通る道で、皆さんの職場はわたしたちにとって欠かせない大切な存在です。
介護サービス現場の現状や課題について聞かせてください。
参加者A 人材の確保が課題です。
要介護認定を受けている人の数が増え、サービスの需要はあるものの、提供する側の体制が追い付いていないのが現状です。
参加者B ヘルパーなどの訪問系サービスは事業所が減り、需要に合った数がないのではないかと感じていて、サービス計画を立てるケアマネジャーは苦労していると思います。
在宅で利用するヘルパー(訪問介護サービス)は、利用者が入所や入院すると、たちまち仕事が無くなるなど、仕事として安定的な見通しが立たない難しさがあるのではないでしょうか。
参加者C 居宅介護支援事業所の数が減り、所属するケアマネジャーの年齢層が高くなっているのも課題です。
参加者A 人材を確保するための魅力ある職場づくりには、待遇面の改善が欠かせません。
介護職員の処遇改善手当という制度がありますが、これ以上の額の増額は難しいのではないかと感じています。
サービス提供に必要な費用の単価が上がると、事業者の収入は増えます。
一方で、保険制度を圧迫し、保険料も上がるため、そのバランスは難しいと思います。
事業者としての収入が限られる中、待遇面を改善する解決策がなかなか見つかりません。
参加者B 利用状況では、入所系サービスの需要が高い一方、デイサービスなどの通所系サービスの利用が低調で、利用定数を縮小したり、事業所を閉めたりするところも出ています。
参加者A デイサービス事業は、職員不足というよりも、事業を続けるための収支状況が厳しいという話を聞きます。
国などによる制度の見直しが必要なのかもしれません。
参加者C 市内の中心部では、さまざまな新しい機能を持つデイサービス事業者ができていますが、周辺部ではあまり変化がなく、閉めるところも出ています。
新しいサービスが入りにくい周辺部では、既存のサービスを活用して利用者の皆さんの生活を支える。でも、利用者が入院・入所すると、既存のサービスさえも維持できなくなり、縮小するという悪循環が起きていると思います。
選択肢があるところと無いところ、同じ地域の中でも利用することができるサービスの格差があると感じています。
市長 労働人口が減ることによる人材不足は、どの分野でも共通の課題です。
収支が合わないためサービスを続けられない、同じ市内でも地域によってサービス提供のバランスが崩れてきているというのも、制度が続く中で出てきた課題です。
 
サービスもニーズも多様化
参加者A 利用者の皆さんのニーズにも応えきれていないと感じています。
要介護認定の度合いによって、それぞれニーズが異なります。
重い介護度の認定を受けた人は、施設として対応する余裕がない場合もあるなど、利用者のニーズを発掘すればするほど、対応できなくなることもあり、ニーズと提供するサービスのマッチングの難しさを感じています。
参加者C 制度が充実する中で、利用者のニーズも多様化し、現場の対応が難しくなっています。
中には、精神的な辛さを抱え、仕事が続けられなくなる人もいます。
参加者B 入所系のサービスだけでも種類がたくさん増えていて、介護サービスは利用する皆さんにとって分かりづらい制度になっています。
どんなサービスがあって、どんな人が利用できるのか。
利用する皆さんが自分に合ったものを選べるよう、分かりやすい情報提供をする必要があると感じています。
市長 介護保険制度が始まって20年以上経ち、複雑になっていると思います。
現在利用している人にとって難しいだけでなく、初めて利用する人には全く知らない制度です。
住民の皆さんにも、広報紙などを活用し、継続して情報を届けていきます。
ミーティングの様子 ミーティングの様子
 
人生の一端を担う大切な時間
市長 これからを担う若い人たちなどに向け、仕事のやりがいや魅力をお話しください。
参加者C できていたことができなくなって閉じこもってしまった人に、サービスの利用など、その人にとって必要な環境づくりをお手伝いしたことで、再びできることが増え、本人も家族も喜んでくれ、家族関係も良くなった。そんな皆さんの姿を見るのが好きです。
他の事業者や行政など、さまざまな関係者とチームを組んで、その人のことを考える。一人ではできない仕事です。
この仕事でないと、出会えなかった人たちに出会え、助け合える関係ができたことは、わたしにとって財産です。
ケアマネジャーの仕事は、単にサービス計画を立てて終わりではありません。
人生の大先輩である利用者の皆さんに寄り添うことで、それぞれの生き方を見ることができます。
一人ひとり違う姿は勉強になり、一緒にいて楽しいです。
大変なこともありますが、いろいろな人生に関われる仕事です。
参加者B 施設での勤務経験が長くなり、入所されている皆さんの入れ替わりもある中で、昔関わったことがある利用者の家族と新しく関わるようになるなど、人と人とのつながりを感じています。
疎遠になっていた利用者同士が施設で再会し、喜んでいる場に立ち会うこともあり、縁を感じてうれしいです。
最後の看取りを含めて、人生の勉強をさせてもらっています。
人生の一端を担わせてもらう素敵な仕事だと知ってほしいです。
参加者A 施設は第二の自宅で、家族ができないことを職員が代わって行う場合もあり、本人だけでなく、家族に感謝されると、とてもうれしいです。
看取りを「怖い」「かわいそう」と感じている職員もいますが、本人や家族に感謝されながら、最後を幸せな気持ちで見送ることができた時、この仕事のやりがいを感じます。
市長 人は一人では生きていけません。
本人も家族も不安な中で「関われることが幸せ」と話してくれる皆さんが寄り添ってくださることは、とても心強いと思います。
ミーティングの様子
 
地域みんなで支えていく仕組みを
市長 これからの介護サービスについて、どんな思いがありますか。
参加者A 制度が定着してきた中で、サービスの質を保つためにも、職員を守るためにも、やはり収入の保障は必要だと思います。
参加者B 施設系サービスは、物価や光熱水費の高騰の影響を大きく受けていて、どこも悩んでいると思います。
労働環境の改善にICTを活用している事業者もあります。
事業者に対する支援制度があれば、利用者にも職員にも優しい環境を整えることができるのではないでしょうか。
自然災害が起きたときの福祉避難所について、市と協定を結んでいます。
いざというときに施設として役立てるよう、行政と連携しながら体制を整え、皆さんに活用してもらえるようお知らせしていきたいです。
参加者C 社会が多様化し、人と関わりを持ちたくないという人も増えています。
そのような中で、一人ひとりが住み慣れた場所で暮らしていけるよう、さまざまなマンパワーを活用しながら、地域みんなで支える仕組みを作っていきたいです。
市長 さまざまな形で地域を支える存在になっていただき、感謝しています。
皆さんとの連携や情報発信など、行政としてできることから取り組んでいきます。
ミーティングの様子

 

介護保険制度について
 
津山市をサービス提供範囲とする事業所について
 
認知症についての基本的な知識や対応方法などについて
 
高齢者の総合相談窓口について
 
  • 問い合わせ先 高齢介護課
  • 電話番号 0868-32-2070
集合写真

左から 西村佐知子さん(居宅介護支援事業所なかしま)、谷口市長、今田誠治さん(介護老人保健施設エスポアール城西)、福田哲也さん(特別養護老人ホーム鶯園)

 

参加者の皆さんからいただいた事後アンケートの声

  • 市長と直接話する機会を持てたこと自体、大変良かったと思います。多種多様な問題や課題がある中、舵取りは大変なものであると思います。今後も良い方向に少しでもむくよう、よろしくお願いします。
  • 市長とざっくばらんに懇談ができてよかったです。介護業界の実情について、直接聞いてもらえました。業界の総会や会議など、他の方法でもより多様な意見の収集ができる可能性があるのではないでしょうか。
  • 日頃の仕事上での様子や考え方を聞いてもらい、また市長の思いを聞くことができ、良い経験になりました。
  • 介護や福祉に対する思い、方向性など、今後の津山市としての動き等、また市長の意見を聞きたいです。

このほかの津山(まち)づくりミーティングの様子はこちらをご覧ください

この情報に関する問い合わせ先

津山市 秘書広報室(広報)
  • 直通電話0868-32-2029
  • ファックス0868-32-2152
  • 〒708-8501岡山県津山市山北520
  • Eメールkouhou@city.tsuyama.lg.jp