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第18回 津山(まち)づくりミーティング-楽しく集う「農」で介護予防-

第18回 津山(まち)づくりミーティング-楽しく集う「農」で介護予防-

人が集まる場への参加が少ないといわれる男性高齢者が対象の、農業を活用した介護予防事業「俺の野菜づくり講座」に参加する4人が、野菜づくりを行う畑を所有する民家(東一宮)を借り、8月24日に市長と意見交換しました。
ミーティングの様子

野菜づくりは楽しみの場
市長 「俺の野菜づくり講座」に参加したきっかけは何ですか。
参加者A 「こけないからだ体操」で市の担当者に教えてもらったのがきっかけです。
農学部出身ですが家畜分野が専門で、野菜づくりには携わった経験がありませんでした。
鍬や鎌で一人で作業すると大変ですが、みんなで集まるといろんなアイデアが出てきます。
話しながら作業するのが楽しく、活動にはまっています。
参加者B 民生委員、農業者、食と健康のアドバイザーなど、さまざまな経験をしてきた中で、農業が抱える高齢化や担い手不足、耕作放棄地などの課題の解決策として、みんなが「農」に少しずつ関わる「市民皆農」の考え方にたどり着きました。
耕作放棄地は増える中、家庭菜園は増えています。
農産物を育てること、地域で育ったものを食べることなど、わたしたちは、いろんな方法で「農」に関わることができます。
一人ひとりの小さな「農」との関わりを、官民さまざまな力がつないでいくことで大きな活動に広がり、みんなの意識が変わっていくと思います。
「俺の野菜づくり講座」の活動を通じて、自分たち自身が、いろいろな人の「農」との関わりをつなぎ、広げていくことができるのではないかと思い、参加しました。
参加者C 講座のことは、広報紙で知って参加しました。
 これまで本格的に農業に携わったことはありませんでした。
 みんなと楽しく活動しています。
 わたしたち高齢者が元気を出し、時間を有効に使って活動することで、津山を盛り上げていきたいです。
参加者D 退職後は、老人クラブや登下校する子どもの見守りボランティアに参加しているほか、グラウンドゴルフなどさまざまなことに挑戦しています。
 野菜づくりの経験は庭先で少し作っているだけで、広報紙に載っていた「俺の野菜づくり講座」に参加しました。
 決まった活動日のほか、毎週交代で曜日を決めて水やりをしていて、野菜の成長が楽しみです。
市長 「楽しい」「集う」「つながる」が共通するキーワードですね。
ミーティングの様子 ミーティングの様子
 
「昔ながら」の中にある元気な農業のヒント
市長 それぞれいろいろな経験をされ、積極的に挑戦を続けている皆さんに、地域の元気が出る農業のアイデアについてお尋ねします。
参加者C 儲かる農業でいうと、朝鮮人参などの「薬草」に注目しています。
環境や育て方など研究して成功すれば、収益率は高いそうです。
参加者B 薬草は、薬や茶を扱う企業や店と連携して生産することもできます。
需要が増えれば、条件によって田や畑の持ち主と生産者や企業とのマッチングなど、耕作放棄地の活用などにも広げて考えることができます。
参加者A 上の前歯のない牛を飼って餌として表面の草をちぎってもらい、歯のある馬が草を根を切り取り、豚が根を掘り返して食べることで耕される。昔からの省力的な家畜の使い方で、農地をうまく使うことができます。
参加者D 炭焼きを教えてもらったことがきっかけで、個人的に竹炭を作っています。
茂り過ぎて地域で困りものになっている竹で作った炭が、焼き魚など七輪で作る料理には欠かせない存在になっています。
参加者B 昔ながらの農業にさまざまなヒントがあります。
市長 企業との連携や地域の困りごとの解決も兼ねてしまうなど、皆さん、アイデアは尽きませんね。
ミーティングの様子 ミーティングの様子
 
広がる活動の輪
市長 皆さんの話から出てきた「市民皆農」という考え方はとても大切だと思います。
わたしは、農業を次世代につないでいくために、子どもたちにさまざまな体験をしてほしいと思っています。
参加者D 野菜がどんな風に育っているか知らない子どもも増えています。
参加者C 講座の1年目は、土づくりの勉強から始まりました。
野菜を育て、収穫するだけでなく、簡単な調理方法を教わって、食べるのも楽しみの一つです。
先月(7月)は、活動の中でつながった放課後児童クラブに通う子どもたちと、キュウリやオクラなどの野菜を一緒に収穫し、簡単な料理を作って食べました。
収穫に夢中になったり、料理を積極的に手伝ったり、みんな楽しそうで、収穫した野菜を喜んで持って帰りました。
子ども食堂に収穫した野菜を届ける活動も行っています。
市長 自分たちで野菜を作るだけでなく、さまざまな活動に広がっているんですね。
野菜の収穫などの様子 野菜の収穫などの様子

野菜の収穫などの様子 野菜の収穫などの様子

収穫後の集合写真
 
自分たちが引っ張る存在に
市長 まちの元気につながる、高齢者の皆さんの介護予防や社会参加を進めていくうえで、重要なことは何でしょう。
参加者A わたしは耳が聞こえにくく、聞こえないと話すのも聞くのも嫌になり、出不精にもなります。
音が聞こえないと、事故にもつながります。
音が聞こえにくくなった人に、補聴器の補助制度があったらいいなと思います。
移動手段でいうと、ごんごバスの時刻表をもっとたくさんの人に見てもらうことができたら、利用者も増えるのではないでしょうか。
AIなどデジタル社会になり、音の聞こえの問題が解決されることで、出掛けてみようと思う人もいるようになるのではないかと期待しています。
パソコンやスマートフォンなどもしっかり使いたいので、高齢者が使いやすい方法で、広がってほしいです。
参加者D 老人クラブでもたくさんの人が活動しています。
外出する機会を作り、交流することが大切だと思います。
機会だけでなく、外出する手段も整え、外出できない人が外に出ていくための仕組みづくりが必要です。
参加者C 一人暮らしが増え、誰にも会わず、1日中家の中に閉じこもっている人が増えています。
わたしは「俺の野菜づくり講座」に参加して、食べたことがなかったシシトウを食べるようになるなど、みんなで取り組む農作業の楽しさを知っただけでなく、食生活も変わりました。
このような活動に参加し、身体面や精神面、生活ががらっと変わる体験をしてほしいです。
参加者B 気持ちがない人をその気にさせるのは難しく、どうやって参加してもらうかが課題です。
2割はやる気がある人、6割はついていく人、残りの2割は何もしない人という「2対6対2の法則」があります。
大切なのは、6割の人をどう引っ張っていくか。
わたしたち講座の参加者が、積極的に他の高齢者を引っ張っていく存在になりたいです。
市長 民間で行われた高齢者の皆さんの意識調査では「話し相手がほしい」「移動手段を確保したい」という希望が飛びぬけているそうです。
俺の野菜づくり講座やこけないからだ講座だけでなく、ふらっとカフェなど「仲間づくり」の場を大切にするとともに、希望する時間帯や場所への移動を可能にするAIデマンド交通の普及で「交通手段」を確保するなど、高齢者の介護予防や社会参加を進める環境づくりに力を入れて取り組んでいきます。
 
最後に、街路樹の整備、学生や高齢者の力の活用など、まちづくりについて意見を聞き、会を終了しました。
ミーティングの様子
 
俺の野菜づくり講座
令和4年度に始まり、令和5年8月1日現在12人が参加。
市内の畑を借り、季節ごとに野菜を育て、収穫している。
講師を務める津山種苗の廣本慎太郎さんによる、収穫した野菜などを使って簡単に作れるミニ料理教室「俺のつまみづくり」も好評。
7月24日の夏野菜の収穫日のメニューは「ナスのトマト炒め」「キュウリのアーリオオーリオペペロンチーノ」「キャベツの黒コショウ炒め」の3品。
収穫の様子 収穫した野菜

収穫した野菜の調理 キュウリのアーリオオーリオ


次の植え付けに向けた畑づくり 次の植え付けに向けた畑づくり

次の植え付けに向けた畑づくり 作業の合間の休憩
*参加方法など、詳しくは高齢介護課にお問い合わせください。

  • 問い合わせ先 高齢介護課
  • 電話番号 0868-32-2070
集合写真

左から 三谷元さん(大谷)、田口慎一郎さん(下横野)、谷口市長、和泉健次郎さん(東一宮)、田口幹啓さん(沼)

 

参加者の皆さんからいただいた事後アンケートの声

  • みんなと一緒に集まって、市長にいろいろと話を聞いてもらえました。自分たちが活動している場所で開催されたのもよかったです。高齢者が抱えている今の問題と心配事を伝えることができました。
  • 市長の市政に対する熱の入れ方が分かってよかったです。高齢者のアンケートで一番関心のあることが「話相手がほしい」「移動手段の確保」ということを知りました。わたしの近所にそのような人がいれば「近助」をしたいと思います。野菜づくりの仲間をもっと増やして、全市でできればよいと思います。
  • 参加人数と使用時間が程よいものでした。仕方がありませんが、時間がもっとほしかったです。市長がいなくても普段からこのような政治に関する話題が気軽に話し合える機会がほしいものです。
  • 参加できて良かったです。会の時間が短いと感じました。参加者が少なかったのが残念です。

このほかの津山(まち)づくりミーティングの様子はこちらをご覧ください

この情報に関する問い合わせ先

津山市 秘書広報室(広報)
  • 直通電話0868-32-2029
  • ファックス0868-32-2152
  • 〒708-8501岡山県津山市山北520
  • Eメールkouhou@city.tsuyama.lg.jp