• 本文へ
  • 文字サイズ
    • 拡大
    • 縮小
  • 背景を変える
    • 標準

第17回 津山(まち)づくりミーティング-看護職場で働き続けるために-

第17回 津山(まち)づくりミーティング-看護職場で働き続けるために-

岡山県看護協会津山支部に加入する看護師5人が、津山中央病院記念ホール(川崎)で、7月12日に市長と意見交換しました。
ミーティングの様子

 
夢を追って看護師に
市長 看護師になったきっかけは何ですか。
参加者A 中学生の時から看護師を目指し、津山東高校卒業後、当時あった医師会の夜間学校に進学し、病院での勤務を始めました。
その後、訪問看護ステーションに移り、病院と連携を取りながら、地域の皆さんの在宅での生活を支援しています。
参加者B 看護師をしていた母の影響が大きいです。
生き生きと働く姿を見て、自然と自分も看護師を目指すようになりました。
高校卒業後、看護学校に入学し、看護師になりました。
県外出身で、結婚を機に津山に来ました。
子どもは津山東高校の看護科に進みました。
参加者C 病院の透析室に勤務して12年が経過しました。
看護師を目指して津山東高校に進学し、県外に出た後、津山に戻りました。
子どもも県外で看護師をしています。
参加者D 病院で退院支援をしています。
今年から医療や介護の相談を包括的に担当する地域医療介護相談センターにも関わっています。
県外出身で、岡山県南の看護学校を卒業し、結婚を機に県北に来ました。
子どもの時に入院し、看護師さんの優しさに触れ、目指すようになりました。
看護師になって良かったと思っています。
参加者E 津山東高校を卒業した後、今の病院で勤務を始めました。
母が看護師で、小さい時から看護師になりたいと思っていて、そのまま看護師になりました。
子育て真っ最中で、いろいろと工夫しながら働いています。
市長 皆さん、希望していた進路に進み、そのまま続けられているんですね。
ミーティングの様子 ミーティングの様子
 
続く感染症対策
市長 新型コロナウイルス感染症への対応では、たくさんの人が、医療従事者の皆さんに支えられています。
参加者E 感染症の対応は、どんなに注意してもどこから感染するか分からない状況で、言葉で言い表せない、本当に大変な環境でした。
5類になり、面会の制限が解除されるなど、世の中の対応は変わってきていますが、医療現場での感染症対策の徹底は継続していて、常に気を張った状態が続いています。
参加者D 認知症の人など患者の状況に合わせた対応も必要で、入院患者が増えると本当に大変でした。
すべてが手探りで、何が正解で間違っているか、処置一つにしても不安でした。
参加者B 療養病棟では隔離期間が終わっても、後遺症や体力が落ちるなどして入院が長くなる人が多く、高齢者など感染リスクの高い人の対応は特に気を使います。
5類になって以降、面会でもマスクをしていない人がいるなど、世の中と医療従事者の感覚の違いを感じています。
参加者A 自分が利用者さんにうつす怖さを常に抱えていて、職員同士で励まし合いながら乗り越えました。
病院と違い、訪問看護は家に行かないと状況が分からないのが大変でした。
行ってみると咳や熱があることが分かり、慌てて防護服を着て対応することもありました。
世の中で旅行が緩和された時期になっても、わたしだけでなく家族も旅行を止められた状態が続き、辛い思いをさせました。
参加者C クラスターが発生した時など、病院間の横のつながりがあったため、他の病院と協力し合えたことは、大きな支えでした。
感染症を通して、感染症対策を見直す機会になり、マニュアルもしっかり整備されるなど、今後に備えてさまざまな環境が進歩したと思います。
市長 すべてが初めての経験の中で本当に大変だったと思います。
感染症がなくなったわけではなく、引き続き対応してくださっていることにも感謝しています。
ミーティングの様子 ミーティングの様子
 
変わる医療現場
市長 感染症対応以外に、昔と今の医療現場で変化はありますか。
参加者E 医療現場に長く勤めてきて、患者を取り巻く環境や求められる医療の質も変わってきています。
参加者D 現場では、記録内容の充実が求められるようになり、パソコンで仕事をする時間が長くなりました。
患者と向き合う時間がもっと欲しいと感じています。
参加者C 子や孫でなく、甥の子といった離れた人が患者のキーパーソンになるなど、昔と比べ、患者を取り巻く社会環境も複雑になっている印象があります。
参加者B 療養病棟の慢性疾患の患者は、治療に終わりがありません。
在宅で家族の介護や訪問看護などのサービスを受けながら、治療が必要な時は入院する形が主流になっています。
患者だけでなく、家族の負担や精神的なストレスを軽減できるよう、関係機関と協力しながら、支援しています。
また、情報があふれ、患者や家族が病院や治療を選べる時代になっています。
患者が納得できるよう、医師と患者や家族が話す時間を調整する時間が増えました。
参加者A 診療報酬が改訂され、入院期間が短くなったことで、病院を追い出されたという感覚を持つ人も少なくありません。
病院ではしっかり説明をされていますが、訪問看護先では納得がいかないという話も聞きます。
今後の診療報酬改定の動向を見守りたいです。
参加者C 停電時の透析患者への対応など、災害時の対策の重要性も増していると思います。
津山市は災害が少ないところだからこそ、普段からしっかりとした対策を立てておくことが必要です。
参加者D 災害対策は、他の地域や機関も巻き込んで考えられると、より強いものになると思います。
また、病院同士が、互いの特徴を生かして密に連携するシステムができれば、よりい良い環境になっていくと思います。
市長 災害時の対策は重要です。
病院同士の連携については、今後、関係機関と情報共有していきたいです。
ミーティングの様子
 
人材の確保と育成
市長 皆さんが働く環境はどうでしょうか。
参加者E 看護師の数は昔に比べると多少は増え、働き方も少しずつですが変わってきています。
ただ、人数が増えても忙しさは変わりません。
高校生などが職場体験で病院を訪れることがあります。
こういう場が増えると、看護師を目指すきっかけにもなり、人材確保にもつながるのではないでしょうか。
参加者C 人材の確保とともに、人材を育成し、いかに定着してもらうかが課題です。
参加者D 今と昔とでは、若い人たちの教育の仕方が違ってきています。
厳しすぎると受け入れてくれないので、配慮や工夫が必要です。
参加者B 若手や学生と接するときは、親のような気持ちで、褒めて育て、良いところを伸ばすよう心掛けています。
参加者A 子育て世代といわれる30代から40代の中堅層が少ないのが課題です。
夜勤などがあるため正規職員で務めることができず、パート職員として勤務している人が多いです。
これからのリーダーを担う主任級の職員がいないため、後継者が育たないのが悩みです。
参加者C 働き方改革で、子育て中の人は時間短縮勤務などができるようになっています。
ベテラン層の40代から50代の人にしわ寄せがいくという現状もありますが、子育て世代にとっては、昔より働きやすくなっていると思います。
短いリフレッシュ休暇もあり、休んで自分の心を満たすことで、新しい気持ちで頑張ることができています。
楽な仕事ではありませんが、環境改善が進んでいると思います。
市長 人材の確保と育成は、どの現場でも共通する課題です。
ミーティングの様子
 
カギは若者が住みたいと思うまちづくり
市長 働きやすい環境づくりには、どんなことが必要だと思いますか。
参加者C 核家族が増え、子育て世代の中堅層は、子どもの世話をする人がいないので夜勤ができないという現状があります。
市内に1カ所でも夜間保育園があれば、月に何回かでも夜勤できる人が増えると思います。
また、若い人とともに、65歳で定年したプラチナナースが活躍する仕組みができれば、人材も充実していくと思います。
参加者D 夜間保育だけでなく、病児保育も大切です。
子どもが急に体調を崩した時など、預けることができる場所があると安心です。
参加者E 子育てしながら仕事を続けようと思うと、家族や周りの助けだけでなく、病児保育など公的サービスのフォローが大切です。
子育てで初めて知った制度もあります。
子育て世代をしっかり支援してほしいです。
参加者B 資格があれば、いつでもどこでも選んで働けることが、看護師の魅力の一つです。
結婚・子育て・介護など、自分の人生の変化が働き方に大きく影響します。
病気の時だけでなく、ちょっとリフレッシュしたい時などにも、安い料金で安心して預けられる先があると、働く意欲につながると思います。
わたしの職場では、思いやりやおもてなしの心を大切にする「ホスピタリティNo.1」を目指しています。
患者や家族はもちろん、職場の仲間にもいえることで、子どもが体調を崩した時など、お互いさまの気持ちで交代しています。
自分が経験したことだから、若い人が同じように困っていたら、今度は自分が支える、そんな優しい職場が増えてほしいです。
参加者A 人材がいないと働きやすい環境は作れません。
自分が思っている保育園に空きがないことが、復帰の妨げになっている人もいます。
津山で生まれた子どもが住む場所として津山を選択したくなる、他地域の人が津山に移住したくなる、市全体での働きかけが重要だと思います。
住む人が増えることで、看護職場の人材も充実し、職場環境も良くなっていくと思います。
若者が津山に住みたいと思うまちづくりを目指してほしいです。
市長 子どもの頃からの夢をかなえて看護師になった皆さんが、生活環境が変わっても仕事を続けられるよう、皆さんが住みたいと思うまちづくりに向けた取り組みを進めていきます。
 
最後に、映画館、食、子どもが安心して遊べる公園など、津山のまちに欲しいものについて意見をもらい、会を終了しました。
ミーティングの様子
 
岡山県看護協会のホームページ
上段左から 皆木幸子さん(中島病院)、谷口市長、亘美香さん(津山第一病院訪問看護ステーション)
下段左から 小林渚さん(津山中央病院)、末田さやかさん(日本原病院地域医療介護相談センター)、田淵有希子さん(石川病院)
 

参加者の皆さんからいただいた事後アンケートの声

  • 市長と話する機会はなかなかないので、ミーティングに参加できただけでも良かったです。市長が身近に感じられ、同じ職種の方とも情報交換、共感できました。
  • 市長と直接顔を合わせて話をする機会は初めてだったので、緊張もしましたが良い経験になりました。意外と気さくな感じで印象が変わりました。同年代の同じ職種の方と意見交換ができたのも、とても良い刺激になりました。1時間があっという間でした。
  • 時間が短かったので、もっと皆さんの言葉を聞きたいと思いました。特に市長自身の思いや考えをもっと聞く時間があればよかったです。
  • 他の看護師の方の考え方や働き方などが理解できた点が良かったです。コロナ業務の中や他の業務でも、連携を持つのに顔見知りの方がいるのは心強いと思いました。会に参加して、とても貴重な体験ができたので良かったです。
  • 市長と直接話すことができ、津山のまちづくりのためにいろいろと考えてくださっていることを感じ取れた良い機会でした。他病院の方の思いも聞くことができてよかったです。

このほかの津山(まち)づくりミーティングの様子はこちらをご覧ください

この情報に関する問い合わせ先

津山市 秘書広報室(広報)
  • 直通電話0868-32-2029
  • ファックス0868-32-2152
  • 〒708-8501岡山県津山市山北520
  • Eメールkouhou@city.tsuyama.lg.jp