津山だより

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津山だより vol.168

今回の津山だよりでは、津山の偉人についてご紹介します。

皆さん、鍬形 蕙斎(くわがた けいさい)という方をご存じですか?

蕙斎は、江戸時代に活躍した津山藩のお抱え絵師です。
北尾政美(まさよし)という浮世絵師として活躍していた蕙斎は、1794年に津山藩に絵師として召し抱えられました。
町絵師としては破格の出世であったといわれています。
お抱え絵師としての職務を果たす傍ら、様々な人物の様態や鳥獣魚貝などを簡略化された筆致で描いた「略画式」シリーズや津山を描いた鳥瞰図「津山景観図屏風」など多くの傑作を残しています。

その鍬形蕙斎の代表的な作品が「江戸一目図屏風」です。
六曲一隻の屏風には、手前には隅田川を配して遠くに富士山を望みながら、江戸の町が細部にわたって描かれています。
西洋から伝わった遠近法を用い、さながら飛行機に乗って航空撮影したかのようなこの作品は、いまなお高い評価を得ています。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この「江戸一目図屏風」は東京スカイツリーの展望台に設置されているんです!
現代の実際の眺望と約200年前の江戸の町並みを比較できるよう、実物大の複製が常時展示されています。

展望デッキからの眺望は「江戸一目図屏風」の構図と驚くほどそっくりで、蕙斎の画力の高さを感じることができます。
また、雨天や悪天候の時には、デジタル技術を駆使して、人や舟などが動き、江戸の人々の様子を再現した映像「江戸一目図漫遊記」が上映され、こちらも必見です。

皆さん東京スカイツリーに昇られる際には、この屏風もお見逃しなく!

※現在、津山郷土博物館では企画展「鍬形蕙斎 江戸一目図とその世界」を開催中。(令和3年7月25日まで)

 

2021/07/09