ワクチン接種に関するメッセージについて 【令和3年4月27日更新】
ワクチン接種に関する津山中央病院 感染症内科部長 藤田浩二医師からのメッセージ
【ワクチンの概要】様々な種類のワクチンが出ていますが、現在日本で使用され始めているのはmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンと呼ばれるものです。有効率が90%以上あり、非常に効果の高いワクチンです。気になる副反応ですが、インフルエンザワクチンに代表される従来のワクチンより強めに出る傾向がありますが、副反応の種類自体は従来のワクチンと基本的に同じです。局所の痛み、腫れ、赤みや、発熱、倦怠感、頭痛、吐き気、筋肉痛、関節痛などです。また、気になるアナフィラキシーですがおよそ10万人に1人くらいです。一般的に抗菌薬のアナフィラキシーの発症率が5000人に1人であることを考えると決して多い数字ではありません。
【ワクチン接種までの心構え】
現在のパンデミックを短期間で封じ込めるためには『(1)ウイルスが勝手に消える、(2)全ての人が一切家から出ないで閉じこもる、(3)多くの人が短期間で抗体を獲得する』、の3つのどれかが重要になると思います。現実的な対策としては(3)になると思いますが、これだけ大きな被害が出ていても2020年12月の国の調査で東京都民の抗体獲得率は0.91%しかありませんでした。この事実が示すことは、実際に感染して新型コロナに対して多くの国民が自然に免疫を獲得することは不可能だ言うことです。つまり、多くの人が短期間で抗体を獲得するためにはワクチン以外には現時点で有効な手段が無いことになります。
それを踏まえて、今後必要なことは次に示す4つです:(1)引き続き感染に気をつけて行動し夏までに少しでも感染者数を減らすこと。(2)変異株を広げない様にすること。(3)患者数が激増しないうちにワクチン接種をすること。(4)不特定多数の人が交わるような大規模・中規模のイベントを行わないこと。
【ワクチン接種後の生活について】
ワクチンを接種出来ない人や接種しても効果が不十分な人がいます。また、ワクチン接種時期も人それぞれであり、全ての人が足並み揃うまでかなりの時間がかかるものと予想しますので、ワクチン接種してもしなくても、しばらくは今まで通りの感染防御が大切です。これまで通り『マスク、手指衛生、三密回避、換気を良くする』の4つを守りましょう。抗体獲得の足並みが揃えば、ワクチン接種者はマスクを着用せず屋内で集うことが出来たり、濃厚接触者の検査や隔離が不要になることが予測されます。
【接種・非接種者の差別偏見防止について】
ワクチンは感染の蔓延を防ぐ手段の一つです。ただし、これ一つで全てが解決するわけではありません。感染対策の中心になるのは、これまで繰り返し強調してきた『マスク、手指衛生、三密回避、換気を良くする』の4つであり、今後もすぐに変わることはありません。そして、もっと大事なことが、全ての人が互いに助け合いOne teamでこの危機を乗り越えることです。感染対策のために窮屈な思いをされている方、慎重に行動していても意図せず感染してしまう方、ワクチンが接種したくても出来ない方など様々な方がおられます。それらを全部ひっくるめて全ての人が協力してOne teamでこのパンデミックを乗り越えることを改めて意識して下さい。
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