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西東三鬼賞 過去の大賞・秀逸作品(第11回から第20回)


第11回
 大賞 プラトンの国を目指せり蟻の道    次井 義泰
 秀逸 鮟鱇のうつらうつらと捌かるる    山村 美恵子
    たくさんの声が聞こえて来る八月   篠崎 す枝
    羽抜鶏ついてゆくのも羽抜鶏     山本 賜
    夏木立ことばは一つの出口である   赤司 六哉
    隠れん坊してゐて九月ずっと鬼    菊川 俊朗
    鶴二百三百五百戦争へ        曾根 毅
    動かざるとき梟は発条を巻く     瀬尾 冬樹
    桐一葉思ふ処に落ちぬもの      平尾 徹美
    創造の原点におく八つ頭        森   壽賀子
    夕桜ここより家族はじまりぬ     高橋 修宏

第12回
 大賞 頭の中に無数の定義木の実落つ    今井 豊
 秀逸 かき氷くずす角度を探しおり     鳥羽 朝子
    生命とは時間体驗茨の実       小俣 英之助
    セーターを着てやはらかになるからだ 竹貫 示虹
    名月の引力茄子の尻を曲げ      柄川 はる茂
    元日や畳の國にゐて閑か       坂詰 國子
    直前に最も乱れ独楽止まる      花谷 清
    雪合戦だんだんと腹立ってくる    鈴木 アヤ子
    呼ばれたる貌で近づく冬の鹿     大西 静城
    パリ-まで往きしこの靴文化の日   須江 容峰
    赤ん坊星の言葉を発しけり      篠原 飄
 
第13回
 大賞 吾と言う構造物に春一番       秋山 青松
 秀逸 陽炎の中の自転車壊れをり      山村 美恵子
    夏の夜の子規に見せたき宇宙船    滝田 芳順
    存在と時間と麦の黒穂かな       関   悦史
    凛然と死が見えている諸葛菜     澤井 益市朗
    枯蓮の沈むほかなし刻の中      右手 敦子
    人からも水の香たちし春の月     永野 佐和
    定型は死ぬることなり桃の花     村瀬 誠道
    臥せば家具断崖なせり三鬼の忌    土田 晶子
    万年床周りに置きし雪だるま     豊原 清明

第14回
 大賞 脳と言う宇宙の終わり麦の秋     柏木 晃
 秀逸 一杯のソーダ水の別世界       滝田 芳順
    吊り皮のどれも手のある原爆忌    曽根 新五郎
    りんご剥く地球の水を感じつつ    竹本 チヱ子
    仏教が登らぬ山を登りけり      竹取 建二
    乳と蜜流るるカナン鳥渡る      町田 紘治
    ボクたちの非核の国の秋の暮     山中 正巳
    うつ伏せの男と女夏の潮       河野 けいこ
    流星や質量いずこにか残る      佐々木 花茨
    方舟に戻ることなき草の絮      高橋 修宏
    水を買うくらしになれて三鬼の忌   宮澤 雅子

第15回
 大賞 曲りたる時間の外へ蝸牛       花谷 清
 秀逸 開かぬ眼も黙祷をする原爆忌     三浦 豊
    どの影もふまず八月十五日      曽根 新五郎
    遠泳の水引き摺つてあがりけり    山村 美恵子
    落合ひしふたつの時間雪解川     妹尾 武志
    地球上の全戦場の夏の雨       吉村 丈夫
    今といふ今已に無し木の実落つ    高村 蔦青
    水に浮く脳と浮輪と日本かな     大久保 昇
    月までの旅はさみしき夜の雁     浅井 慎平
    神話より民話恐ろし神無月      宇井 久
    脳のこと考ふる脳冷ゆるなり     田畑 益弘

第16回
 大賞 ガソリンの臭いの中の立葵      谷川 すみれ
 秀逸 一命にほど遠きもの寒昴       田中 義一
    鯨が跳ねて海がへこみし沖縄忌    竹村 甲子雄
    流星やゼロに近付く数へ方      和田 仁
    野うさぎが僧に耳打ち春高野     加藤 青女
    奔流の端は忘却柳の芽        小林 游
    先頭の入れ替わりつつ鳥渡る     中川 きよし
    尿ばかり熱き老年冬銀河       永禮 宣子
    秋の蚊やラスコリーニコフの脹脛   小谷 正和
    永遠は後に伸びて三鬼の忌      田村 久美子
    太陽と一対一の日向ぼこ        畑   蛙馨

第17回
 大賞 惑星間会議ひまはり選出す      安藤 辰彦     
 秀逸 空壜の中へも春の波とどく      吉村 丈夫
    たんぽぽや年号変わる度戦争     山田 浅夫
    決断は省略に似てサングラス     前田 清子
    月光写真母だけが写っておらぬ    石川 暘子
    月光の溜まりし盥はこばねば     矢野 孝久
    南極を上にして地図大旦       新居 三和
    サイネリアまひるの母を睡らしむ   石井 冴
    西東忌浪が平伏して寄する      不破 元之
    のどかなり時々目覚め石風車     福島 毅
    対岸は隣の市民春がすみ       松岡 耕作

第18回
 大賞 十二月みんなが通る自動ドア     石井 冴
 秀逸 草いきれ同じ水飲む恋がたき     山﨑 加津子
    かまどうま足らざるものは足らぬまま 根来 眞知子
    朝顔の巻きて開きて終るかな     木村 澄夫
    エンディングノートまっさら鳥曇   村瀬 誠道
    空へ散る皇帝ダリア三島の忌     横井 博行
    八月や人のかたちに砂を掘り     丹羽 志保子
    次の世へ春の障子の如きもの     横田 昭子
    敗荷やただ存在を愛すといい     田村 久美子
    次郎柿甘し太郎冠者をるかやいっ   石川 久
    詩とかけて死入口にスミレ咲いてる  渕上 信子
 
第19回
 大賞 流れたきかたちに流れ春の水     澤本 三乗
 秀逸 人体は耐震構造ころもがえ      東金 夢明
    過去形が多数を占める冬の本      御中虫
    また熊が出た赤ん坊が生れたり    赤座 閑山
    八月の入り口のない玩具店      佐藤 日田路
    空間を完成させる立葵        松本 孝介
    鳥渡るにんげんとして深呼吸     中岡 昌太
    サクラサイタ尋常でない小学校    西田 唯士
    大昼寝虚子五百句を枕とす      津久井 紀代
    春まだき三鬼の海が人を引く     伊藤 雅允
    真言を吐き尽したる枯蓮       北川 正明

第20回
 大賞 人間は一つの仮説冬銀河       菊川 俊朗
 秀逸 戦争と平和へ時の日の振子      石山 秀太郎
    人間の形状記憶盆踊         阪本 哲弘
    戦争のない嗚呼紫雲英田のまなか   小林 游
    吾亦紅放物線に憧れる        佐藤 武子
    空間は人の思いで充満し       大倉 正嗣
    八月の暦のこぼす水の色       志村 美好
    神無月ひとといふこといぬといふこと 真中 雪野
    赤とんぼ直線の端に止まりけり    大杉 衛
    呼びもせぬエレベーター来三鬼の忌  山本 左門
    ふくしまや葱は曲ることを知らず   小笠原 和成

この情報に関する問い合わせ先

津山市観光文化部 文化課
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