津山松平藩第7代藩主斉孝(なりたか)が参勤交代により、津山へ帰国する行列を描いた絵図である。
明治17年(1884)製作。襖仕立てで7枚からなり、各縦91㎝、横188㎝。
津山松平藩は、元禄11年(1698)の美作入国当初は10万石であったが、享保11年(1726)、第2代藩主の夭折により5万石に削減された。その後、文化14年(1817)、第11代将軍徳川家斉(いえなり)の子銀之助(後の第8代藩主斉民(なりたみ))を養子に迎え、宿願の10万石復帰を果たした。
この図は翌文政元年(1818)、津山藩主松平斉孝が10万石復帰後、初入国する様子を描いたものである。
藩主を中心に武士、足軽、中間など総勢812人が
克明に描かれている。大名行列図は加賀前田家をはじめ全国に多数現存しているが、
この図は大名行列の最も詳細な資料として、学界の注目を集めている。
(津山郷土博物館保管)