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施政方針 令和3年3月定例会

目次

1 はじめに                           
 
2 市政運営の基本的な考え方                   
 
 (1)新型コロナウイルス感染症対策                
 
 (2)財政再建の断行と経済活性化                   
 
 (3)少子高齢化の抜本対策

 (4)将来を見据えた人材育成                   
 
3 令和3年度の主要な施策                    
 
 (1)拠点都市にふさわしい都市機能が整備された津山へ      
 
 (2)安心して子どもを産み育てられる多世代共生の津山へ     
 
 (3)雇用が安定し定住できる津山へ               
 
 (4)地域産業が発展する津山へ                 
 
 (5)将来を見据えた人材育成を進める津山へ           
 
 (6)多様な教育機会が得られる津山へ             
 
 (7)歴史と文化に誇りを持ち、観光都市として発信する津山へ  
 
 (8)行財政改革を断行し、効率的な行政運営を行う津山へ    
 
4 おわりに                          
 

1 はじめに

 令和3年3月定例市議会の開会に当たり、今後の市政運営に向けての基本的な考え方と主要施策の一端を申し述べたいと存じます。
 私は、市政運営に当たっての3つの重点課題として、「財政再建の断行と経済活性化」「少子高齢化の抜本対策」及び「将来を見据えた人材育成」を位置付けており、これらの課題に対応すべく、本市の持続可能性を高める施策を進めているところであります。
 任期最終となります令和3年度は、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策について的確に対応することはもとより、第5次総合計画中期実施計画に掲げる施策を、民間活力の導入など新しい手法を積極的に取り入れながら、着実に推し進め、将来にわたって持続可能な地域社会が確立できるよう、任期の総仕上げを行います。
 財政の硬直化や人口減少・少子高齢化をはじめとした厳しい状況に加え、感染症の拡大という、かつてない困難な状況となっておりますが、拠点都市津山を再興し、希望あふれる、明るい津山の未来を切り拓くため、全力で取り組んでまいります。
 

2 市政運営の基本的な考え方

 それでは、今後の市政運営に対する基本的な考え方について、述べさせていただきます。
 
(1)新型コロナウイルス感染症対策
 まず、新型コロナウイルス感染症対策であります。
 感染症との闘いの最前線に立ち続ける医療、介護、福祉の現場をはじめ、住民生活を支えるため御尽力いただいている全ての方々に改めて心から敬意と感謝を申し上げます。
 世界的な感染拡大や変異種の出現など、未だ収束は見通せませんが、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行や予防接種の開始など、克服に向けた対策が動き始めております。
 ワクチン接種については、2月1日にワクチン接種推進室を設置し、まず65歳以上の高齢者、続いて高齢者以外を対象として、順次開始します。住民の皆様がワクチン接種を適切に受けられるよう、県や医師会等関係機関と連携しながら準備及び実施に万全を期してまいります。
 また、クラスターなどによる感染拡大を封じ込めるため、津山圏域定住自立圏の各町とも連携を強化し、生活圏を意識した感染防止対策にも、引き続き取り組んでまいります。
 アフターコロナを見据えた地域経済の回復に向けては、地域経済再生専門家会議での御意見等を参考にしながら、地域循環型の経済への転換と「新たな日常」への対応の促進を図るとともに、生産性の向上に資するデジタル化の推進や人材育成に注力します。
 住民生活、経済活動の1日も早い回復のため、全力で取り組んでまいります。
 
(2)財政再建の断行と経済活性化
 次に、財政再建の断行と経済活性化であります。
 本市の財政は、第三セクター等改革推進債の発行に伴う元利償還金の長期負担に加え、高齢化の進行に伴う社会保障関係経費、大規模な建設事業に伴う一部事務組合負担金の高止まりなどから、収支見通しは依然として厳しい状況が見込まれます。
 本市の財政状況については、昨年11月に令和元年度決算、令和2年度決算見込みや地方財政計画を基にローリングを行った長期財政見通しをお示ししたところです。
 その際は、感染症対策事業の実施に5億円の財政出動、財政構造改革に向けた取組を歳入歳出合計で9.5億円などと見込み、これを確実に実行することで、令和12年度基金残高10億円をどうにか確保できる見通しでありました。
 その後、感染症への対応として、更に必要な生活支援、経済対策、収束後を見据えた施策を追加し、積極的な事業展開を図るための補正予算を編成したことから、第7次補正予算までに8.6億円の一般財源を要することとなりました。
 財政構造改革の取組については、感染症の影響による経済情勢からも厳しさを増すこととなりましたが、持続可能な行財政運営、地域社会の確立を目指すためには、この取組を着実に推し進めていかなければならないと考えております。
 令和3年度予算は、感染症の影響により法人市民税をはじめとする市税の減収が見込まれるなど、極めて厳しい状況の中で、既存事業の目的、実績や効果を、効率性、有効性などの観点から徹底的に検証し、事業の重点化、統廃合、民間活力の導入検討などを実施するとともに、財政構造改革の取組強化期間の2年目であることから、一般財源ベースでゼロシーリングとして取り組みました。
 このような中にあって、最終年を迎える第5次総合計画中期実施計画主要事業はもとより、津山市の未来を切り拓くための第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略事業を推進し、新年度早々から取り組む新型コロナウイルス感染症対策事業を盛り込んで、編成したところであります。
 次に、経済活性化についてであります。
 人口減少を克服し、将来にわたり本市の活力を維持していくため、第2期総合戦略については、「ひと・しごと」の流れを創出するための取組を加えるなどの見直しを行います。デジタルやグリーンなど、今後成長が見込まれる分野の産業を本市の経済成長に取り込むとともに、地域外から稼ぐ力を高め、地域内の経済循環を活発にするため、産・学・官・金・労・言の各分野との連携を強化し、より効果的な地域創生に取り組んでまいります。
 農林業分野では、昨年10月に設立した地域商社「曲辰」を核とした「津山地域版・農業ビジネスモデル」の構築や、地域材の需要拡大など、持続可能で強い産業にする取組を進めてまいります。
 産業支援では、DX社会に対応するため、ICT関連企業で組織する「ICTコネクト」を中心に企業間連携を進め、デジタル技術を活用した新たなシステムや仕組みづくりを行うとともに、地元企業と津山高専の共同研究の場として、津山高専に5G環境を整備した「Iotラボ」を設置し、技術革新、新技術・新製品開発を支援します。
 
(3)少子高齢化の抜本対策
 次に、少子高齢化の抜本対策であります。
 本市の人口動態は、死亡者数が出生者数を上回る自然減の状態が続いており、少子高齢化が進んでいます。
 自然減に対しては、未婚率の増加や晩婚化の現状を踏まえ、雇用の確保、出会いの場の創出など、結婚ができる環境の整備をはじめ、不妊不育治療の支援等により、出生者数の増加に努めます。
 社会減については、近年、転入者数がほぼ横ばいの状況を維持し、転出者数がやや減少傾向で推移しています。
 若者の流出を食い止めるとともに、地域への呼込みを図るため、新規学卒者の地域内就職の促進に引き続き取り組むほか、感染症の影響による地方移住や地元回帰の志向の高まりなどの社会情勢を踏まえ、移住・定住対策を更に推進してまいります。
 高齢者や障害のある方などへの施策については、医療・介護ニーズを必要とする方々が、住み慣れた地域で健やかで自分らしい生活が継続できるよう、地域における関係機関が連携して、介護、予防、医療、生活支援、住まいを一体的に提供する地域包括ケアシステムを更に推進し、地域全体で支え合う仕組みづくりを進めてまいります。
 こうした取組を通じて、全ての方が元気に活躍しながら地域活動に参加できる共生社会の実現を目指し、「住み続けたい」と感じられるまちづくりに取り組んでまいります。
 
(4)将来を見据えた人材育成
 次に、将来を見据えた人材育成であります。
 人材は地域の将来を大きく左右する大切な財産であり、持続可能な社会を構築するためには、地域で活躍する人材の育成が必要であります。
 将来を担う子どもたちへは、未知なる学問に挑み続けたこの地の先人たちの姿に学び、社会の中で自信と誇りをもって歩んでいけるよう、今般、「教育大綱」を改定したところです。
 併せて、来年度からは、教育施策の基本的方向性を示す教育振興基本計画の改定作業を進めてまいります。技術革新により社会が急激に変化していく中、自らの将来を自らの力で切り拓く人材を育成していくためには、「知りたい」「やってみたい」といった好奇心をもち、自分で考え、そして行動できる能力を育むことが重要と考えます。本市の教育では、充実したICT環境を効果的に活用し、目標に向け挑むことができる力を育むとともに、地域の将来を支える人材の育成を目指してまいります。
 小中学校での新しい授業づくりについては、5GやVRなどの先進技術を活用したNTT西日本及びNTTドコモとの共同実証を通じて、主体的に学び、将来、地域や社会に貢献できる人材の育成に注力してまいります。
 

3 令和3年度の主要な施策

 次に、令和3年度の主要な施策についてであります。
 
(1)拠点都市にふさわしい都市機能が整備された津山へ
 最初に、「拠点都市にふさわしい都市機能の整備」であります。
 拠点都市津山を再興していくためには、利便性の高い都市機能を拡充していくことが重要であります。
 空港津山道路は、南北軸の要であり、本市の拠点性を高める上で、全線の早期事業化が求められています。その実現のためには、北側からの津山南道路に加え、南側からの整備も重要と考えており、調査区間である岡山市北区菅野から御津宇垣間が整備区間へ格上げとなるよう、沿線自治体と連携し、国、県に対して働きかけを行ってまいります。
 事業中の津山南道路については、橋梁下部工事が実施されるなど、目に見える形となってまいりました。今後も、国に対して、より一層の事業推進を要望してまいります。
 総社川崎線は、中環状道路を構成する重要な道路であり、引き続き未買収の用地取得に努めるとともに、暫定供用も視野に入れながら、早期供用を目指し全力で取り組んでまいります。
 河辺高野山西線については、津山中央病院以南が供用されていますが、交通の利便性の向上や、救急搬送の更なる迅速化などの効果を地域全体に波及させることが重要であります。こうしたことから、病院以北の早期事業化が必要であり、県道上横野兼田線のバイパスとしての整備を、先般、津山圏域消防組合を構成する5町と連携し、県に要望したところであります。引き続き関係機関と連携しながら、早期事業化の実現に努めてまいります。
 津山駅の環境整備については、送迎時の混雑緩和のための待機スペースの改良など、施設利用の利便性が向上するよう、関係機関と連携しながら改善を図ってまいります。
 跨線橋のエレベーター設置などのバリアフリー化については、施設利用における利便性や安全性の向上を図るため、今年度着手した調査設計を終え、来年度は仮設工事に着手し、完成は令和4年度となります。
 駅南地域の整備については、そのポテンシャルを活かすことが課題と捉えております。そのためには、駅周辺地域の一体的な整備が重要であり、JR西日本や関係機関との調整、関係町内会長へのヒアリングでいただいた御意見などを踏まえつつ、課題の整理にしっかりと取り組んでまいる所存です。
 博物館都市の実現に向けては、「津山市歴史的風致維持向上計画」に掲げる重点区域内の歴史文化施設等を面的につなぎ合わせることによって、まちの回遊性の向上と魅力の拡大を図ることが重要であります。昨年12月に城西地区が重要伝統的建造物群保存地区に選定され、県内初の2つの重伝建地区をもつ自治体となり、博物館都市に向け、一歩前進しました。城下、城東及び城西地区の城下町を彩る町並みや、周辺の衆楽園、旧津山扇形機関車庫、津山高校本館といった施設や建築物などの貴重な資源を活かし、まち全体を博物館として、一体的なまちづくりを進めます。
 まちなかサインについては、津山を訪れる観光客の利便性と回遊性を向上させ、観光客の増加を図るとともに、博物館都市としての機能を高めるため、観光案内標識の表記やデザインの統一を目的としたガイドラインの策定を進めております。今後、既存の案内標識も含め、順次整備を進めてまいります。
 中心市街地は、本市の顔とも言える重要なエリアであり、中心市街地活性化協議会による調査、活動を支援し、今後のまちづくりの方向性を固めていく方針であります。
 昨年12月には、UR都市機構と「まちづくりの推進に関する基本協定」を締結しており、旧関家跡の活用策の検討や周辺文化施設との連携などを含め、城下地区のエリアビジョン策定に取り組みます。
 今津屋橋からザ・シロヤマテラス津山別邸までの鶴山通り沿線の整備については、賑わいの創出やまちづくりの観点から、このエリアを重点地域として位置付け、建物の改修、除却などを支援し、市の玄関口の景観形成を図ってまいります。
 アルネ・津山については、既存施設の充実とともに、時代の変化に即した新たな機能を付加していくことが必要と考えており、関係者と協力しながら、一層の活用を図ってまいります。
 城東地区のまちの駅整備については、駐車場、トイレ、インフォメーションの機能をもった休憩施設として計画しておりますが、国道53号の「道の駅」としての整備に向けて、関係機関と協議、検討を進めております。
 公共交通は、住民生活を支える重要なインフラであることから、ごんごバスの車両更新などを進めてまいりました。感染症の拡大により、利用者減少などの大きな影響を受けていますが、引き続き維持確保や利便性・快適性の向上を図り、利用者増加を目指します。
 また、交通空白地解消に向けた小型乗合交通の社会実験を継続し、新しい公共交通について模索してまいります。
 鉄道の利用促進については、津山駅以外の市内駅での定期利用を促すため、新たに駅周辺駐車場使用料の一部助成を制度化し、利用向上に努めてまいります。
 市道については、高度経済成長期を中心に同一時期に建設されたものが多く、今後、舗装や排水路等の劣化による修繕箇所の増加がより一層加速していくものと考えられます。安全確保を最優先に迅速な機能の維持・回復に取り組むため、道路維持予算を増額し、今議会に提案しています。
 道路施設の老朽化対策については、橋、トンネル、道路標識等の点検を行うとともに、予防保全を実施し、施設の長寿命化を図ります。
 近年の豪雨による洪水や土砂災害については、現在、県の調査が行われている土砂災害警戒区域の基礎調査等の結果を踏まえ、これら最新の災害リスクを住民の皆様に周知するとともに、避難体制の見直し等に向けた取組を進めてまいります。
 今後も、国、県、警察、消防、自主防災組織等と緊密に連携しながら、防災体制の充実・強化に取り組んでまいります。
 ポンプゲートの整備については、令和8年度以降の完了見込みを令和3年度に前倒しするよう、計画を見直して取り組んでおりますが、来年度に残る1基の昭和町第3ポンプゲートに着工し、整備を完了します。これによって、平成10年の台風第10号を想定した集中豪雨に対しても、強制的に内水排除が可能となり、浸水想定区域の安全性が向上します。
 重要な情報通信基盤である光ファイバ網については、公設区域となっている加茂・阿波地区の更新を、当初計画を2年早めて実施し、民間の整備と併せ、令和4年度中の市内全域の整備完成を図ります。
 日本原演習場対策については、訓練による影響が軽減され、良好な生活環境が確保されるよう、引き続き関係機関に対し、安全安心に配慮した訓練の実施など、特段の配慮を要請してまいります。
 今月実施される米軍単独訓練については、覚書の遵守及び新型コロナウイルス感染症対策の徹底を、私自身が中国四国防衛局に直接伺い、申し入れております。
 高等教育機関は、地域の将来を支える人材の育成や地域雇用人材の確保はもとより、若者によるまちの活力創出や人口流出の抑制など、地域の活性化にも大きな役割を担っており、都市の拠点性を維持するためにも不可欠なものとなっています。先般提出を受けた有識者会議の報告書を参考にし、高等教育機関のあり方について、高等教育機関連携室を設け、美作学園の協力も得ながら、具体的な検討を進めてまいります。
 
(2)安心して子どもを産み育てられる多世代共生の津山へ
 次に、「安心して子どもを産み育てられる多世代共生」であります。
 子育て支援については、「第2期津山市子ども・子育て支援事業計画」に沿って、妊娠から出産、育児まで切れ目のない支援のほか、仕事と生活の調和の実現に向けた取組など、様々な子育て支援施策を推進し、安心して子どもを産み育てられる社会の実現を目指します。
 不妊治療支援については、これまでに特定不妊治療の助成回数の増加や、市独自事業として、令和元年度から一般不妊治療に対する助成制度を創設するなど、拡充を行っております。
 特定不妊治療では妊娠に至る件数が、平成30年度の27件から令和元年度には41件に増加し、成果を上げているところです。不育治療においても、市独自事業として実施し、出産につながっています。これからも、不妊不育に悩む夫婦が安心して治療に臨めるよう、引き続き支援を行ってまいります。
 5歳児健康調査については、今年度から、市内の全ての保育園・幼稚園・認定こども園で実施しており、支援が必要な園児の把握を行い、園や保護者に対する助言や、療育機関などのサービス利用につなげ、社会性向上のための支援を行っております。就学後の学習や集団生活への円滑な適応が図られるよう、引き続き幼児期から学童期に向けた切れ目のないサポートを行ってまいります。
 放課後児童クラブについては、安定的な運営を図るため、法人運営への移行を進めており、今年度、1クラブが法人での運営に移行し、1クラスから2クラスに増加しました。来年度も、1クラブが法人への移行を予定しており、引き続き運営の安定化に向けた取組を進めてまいります。また、処遇改善に対する支援を引き続き実施することで、支援員の確保を図り、児童の安全安心な居場所づくりを推進します。
 子どもの貧困対策については、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、また、全ての子どもたちが夢や希望をもつことができるよう、子どもの成長段階に応じた支援をしていくため、関係団体等と連携し、支援体制の充実を図ってまいります。
 来年度から新たにモデル事業として、市内中心部の生活困窮家庭の中学生を対象に学習支援や居場所づくりを行うとともに、保護者に対する学習の重要性の理解を促す支援を行い、子どもの将来の自立を後押ししてまいります。
 来月1日から岡山県北初の「配偶者暴力相談支援センター」を開設し、被害者への相談体制を強化することで、DV被害の防止に努めます。
 センターの運営に関しては、定住自立圏の各町とも連携し、相談体制の整備や啓発などを共同して行うこととしております。
 高齢者施策については、策定を進めている「第8期津山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、高齢者を地域全体で支える取組をより一層推進してまいります。
 来年度から新たに農作業を通じた生きがいづくりや、健康増進・介護予防につながるモデル事業を実施し、農福連携も視野に、その事業効果を検証してまいります。
 障害のある方に対しては、地域生活支援拠点の機能充実や、障害のある子どもの通所支援体制の整備などに努めます。
 今年度から、定例記者会見の手話通訳や遠隔手話サービスの充実に取り組んでおりますが、手話言語条例に基づき、手話等による意思疎通の支援や普及を引き続き進めてまいります。
 医療資源不足が危惧される不採算地区における医療提供体制の確保については、地方財政措置の対象となる日本原病院への事業運営の支援を、奈義町と連携して行うための予算を今議会に提案しております。
 
(3)雇用が安定し定住できる津山へ
 次に、「雇用の安定と定住」であります。
 津山産業・流通センター及び久米産業団地では、就任後6社との立地協定締結に至り、立地率はともに約8割、立地企業数は合わせて64社となり、雇用の創出や地域の発展に大きく寄与しております。今後とも、私自身が先頭に立ち、県や関係機関と連携し、力強く企業誘致活動を推進してまいります。
 また、両団地の完売を見据えて、更なる投資や雇用を創出するために、新設される県の制度を活用するなど、新たな用地の確保についても検討してまいります。
 移住・定住については、感染症の拡大をきっかけに相談件数が増加している状況を踏まえ、「津山ぐらし移住サポートセンター」を拠点としたトータルサポート体制を更に充実させるとともに、オンラインによる相談会などの新たな手法を取り入れながら、効果的な事業推進を図ります。
 移住者にとって重要となる「住まい」の支援では、空き家の購入・改修、賃貸に係る家賃等に対する補助の予算を増額し、積極的に働きかけを行ってまいります。
 若者の地域企業への就職促進については、「インターンシップ」や「つやまエリアオープンジョブ」など、津山地域の企業と学生の接点を創出する事業を継続して実施し、地域内就職率を高めてまいります。
 
(4)地域産業が発展する津山へ
 次に、「地域産業の発展」であります。
 つやま産業支援センターでは、Society5.0、DX社会に対応するため、地元企業、NTT西日本及びNTTドコモ、津山高専と連携し、「ICTの利用促進」「地域産業の事業継続力強化」「新商流に向けた地域サプライチェーンの構築」の3点を中核において事業展開を図ります。
 ICTの取組については、企業版ふるさと納税による信金中央金庫からの寄付金を活用し、地域企業へのICT技術の導入促進、IT人材の育成を進めることとしております。
 「Made In Tsuyama」を木材加工業にも広げ、津山ファニチャーとして新たなブランド化を進めるとともに、フラン樹脂化技術を活用した新技術・新製品開発支援を行い、木材の高品質化に取り組みます。
 市内飲食店のテイクアウトや感染症対策商品の情報を掲載しているWebサイト「津山支縁プロジェクト」については、プッシュ型通知など、リアルタイムで情報発信を行うことができるスマートフォン用アプリケーションの開発を進め、販売促進の支援を行います。
 地域農業生産者の所得向上を目的とする農業ビジネスモデルの構築については、地域商社「曲辰」を核として、定住自立圏エリアの農産物の販売を拡大するため、戦略的な販路の開拓と確保、大学等と連携して取り組む商品開発や、ブランディングによる農産加工品の高付加価値化などを進めることで、津山地域の農業を持続可能で強い産業にしてまいります。
 農業者支援としては、中規模農家が農地の集積を進め、規模拡大が図られるよう、安定した経営基盤をもつ地域の担い手としての農業者を確保・育成してまいります。
 農地管理で負担となっている畦畔の草刈りなどを効率的に行うことができるラジコン草刈機やハンマーナイフモアなどの貸付けも実施します。
 つやま和牛については、昨年8月に累計出荷100頭を達成しました。20か月先の出荷を見越して、安定した出荷頭数の確保が求められています。流通量の増加を図り、ブランド化を加速させていくため、将来的には200頭、月平均10頭の出荷規模を目標としており、まずは来年度、40頭分を増額し、月平均5頭を7頭に引き上げます。
 森林環境譲与税の活用については、定住自立圏事業として近隣自治体と連携して、来年度から2か年で航空測量を基にした民有林の解析調査を行い、森林資源の現況を把握した上で、森林所有者への林業経営管理に関する意向調査を行います。
 既存事業に加え、こうした財源を森林作業道補修助成事業等の民有林整備に活用することにより、林業の活性化につなげてまいります。
 地域材の需要拡大については、昨年度の新築補助金の拡充に続き、今年度はリフォーム補助金を最高40万円まで引き上げました。その成果として、申請件数は過去最多の140件の見込みとなっています。引き続き地域材の利用促進を図ってまいります。
 鳥獣被害対策については、防護柵などを設置する農業者に対する支援を行うとともに、鳥獣被害対策実施隊による駆除活動の推進を図ります。駆除頭数については年々増加しており、被害の低減に寄与しているところですが、今後も、引き続き防除と駆除両面からの取組を進め、更なる被害防止に努めてまいります。
 
(5)将来を見据えた人材育成を進める津山へ
 次に、「将来を見据えた人材育成」についてであります。
 早稲田大学や県立4高校等と連携して実施するワークショップを引き続き実施します。持続可能な社会を構築するためにSDGsが掲げる目標の達成にも資するよう、地域課題にともに向き合い、解決策を考える過程を通じて、若者と地域との関係の構築、並びに地域の内外から本市を支える人材の確保・育成につなげます。
 津山まちなかカレッジでは、社会人のスキルアップ、女性やシニアの就業支援など、子どもから大人までが生涯にわたって学ぶことができるよう、コンテンツの充実と拡充を図り、いきいきとした質の高い生活を送ることができる社会の構築を目指します。
 公民館等を活用した義務教育の学び直し講座についても、引き続き実施してまいります。
 職員の育成では、国や県への派遣を行うとともに、民間企業への研修も取り入れ、資質や能力の向上を図っております。今後も、職員派遣を継続し、本市の将来を支える職員の育成に努めてまいります。
 
(6)多様な教育機会が得られる津山へ
 次に、「多様な教育機会の充実」であります。
 小中学校の学習環境の改善に向けては、教育ICT環境整備として今年度整備した児童生徒一人1台の端末を活用し、個別最適化された学びと次世代に求められるICTを活用した主体的・対話的で深い学びを推進してまいります。
 東京学芸大学との共同研究では、10年後の未来を見据えた学校づくりをテーマに、AIや5Gなどの先進技術を活用し、基礎学力定着に向けた読解力の育成や、主体的な学びにつながる授業展開、質の高い遠隔教育の仕組みなどについて、東小学校及び津山西中学校を中心に具体的な実践研究に取り組んでまいります。
 新学習指導要領については、来年度から中学校で全面実施となります。伝え合う活動などが一層重視される中で、小中学校の一貫した外国語教育を推進するために、小学校には市独自の英語教科支援員を継続配置するとともに、中学校には新たに英語指導専門講師を招へいし、教員の指導力向上を図るなど、グローバル化に対応した外国語教育の充実に努めてまいります。
 コミュニティ・スクールについては、4月に津山東中学校に市内初の学校運営協議会を設置し、地域とともにある学校づくりを目指してスタートさせます。加えて、他の小中学校への導入に向けた準備を進めてまいります。
 教育の質の向上については、教員が児童生徒の指導に更に専念できるよう、継続して市単独事業の教師業務アシスト員を配置するほか、部活動指導員を全校配置します。
 学校運営の強化・改善については、学校事務参事経験者をアドバイザーとして新たに配置し、学校業務の更なる改善や効率化等の働き方改革を進め、学校力の向上、校務の効率化を図ってまいります。
 スポーツ振興については、昨年10月に、岡山リベッツによる卓球教室を阿波こぶしアリーナで実施しました。また、トライフープ岡山のB3リーグのシーズン開幕戦が、1月16日に津山総合体育館で開催され、住民、関係者の皆様から好評をいただいております。
 今後も、プロスポーツの大会の開催、また、活動を支援することにより、スポーツによる地域の活性化に取り組んでまいります。
 津山市スポーツ大会・合宿誘致事業補助制度の周知を図るとともに、サッカー、野球、卓球等の大会やニュースポーツの教室などを行うことで、スポーツによる交流人口の増加や競技力の向上、地域の活性化を図ってまいります。
 本年は、昨年延期となった東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。本市でも、オリンピック聖火リレーやパラリンピック聖火の採火式、モナコ公国のホストタウン事業など、様々なイベントを行うこととしております。
 ホストタウン交流の一つとして、モナコ公国の選手や関係者へのおもてなし料理の提供を予定しており、こうした取組を通じて、スポーツ振興や国際交流を促進したいと考えております。
 また、東京2020大会記念品プロジェクトで、本市の「手織作州絣」と「津山箔合紙」が選ばれました。これを機に、本市が誇る伝統工芸の魅力を世界に発信してまいります。
 
(7)歴史と文化に誇りを持ち、観光都市として発信する津山へ
 次に、「歴史と文化に誇りをもった観光都市としての発信」であります。
 本市の認知度を全国的に高めるため、「春はつやま」として、観光誘客の促進に力を入れてまいります。梅まつりに始まり、雛めぐり、さくらまつり、牛うまっ王選手権、まなびの鉄道館5周年記念イベントや、ポートアート&デザイン、郷土博物館、洋学資料館での企画展などを行います。
 また、花めぐりスタンプラリーや城西おかげめぐりなどの観光企画、作州絣、横野和紙、豆腐作りなどの「春の体験プログラム」も実施してまいります。
 更に、津山文化センターでの音楽会やデジタルアートイベントの開催など、多くの方が春の津山へお越しいただき楽しめるよう、魅力度アップに向けて取り組んでまいります。
 観光客交通対策については、さくらまつり期間に津山駅とさくらまつり会場を結ぶ臨時バスや、岡山空港と本市を結ぶシャトルバスを4月、5月の週末に運行します。
 インバウンドについては、現在、感染症の影響により需要が落ち込んでいますが、アフターコロナを見据え、引き続き岡山県への来訪者数が最も多い台湾をメインターゲットに、本市の魅力をSNS、雑誌等により発信し、観光誘客を促進してまいります。
 今月から日本航空と提携し、「新JAPAN PROJECT」として、機内誌に特集記事の掲載をしております。加えて、ファーストクラス機内食へ地元食材を提供し、広く紹介を行います。また、機内ビデオを活用した魅力発信、JALの旅行ガイドサイト「OnTrip JAL」内での本市の観光情報の掲載やツアー造成などを行い、本市の認知度の向上を図ってまいります。
 まちなみ環境整備として、多言語に対応した案内看板である「観光デジタルサイネージ」をPPP方式により市内に設置するとともに、津山城跡にWi-Fiスポットを整備します。
 城東及び城西の2つの重伝建地区については、地域の皆様の協力を得て、修理・修景による町並みの復元を加速して行います。
 城西地区については、重伝建選定記念事業を「城西まるごと博物館フェア」に合わせて行い、城西地区の新たなまちづくりをスタートさせます。
 洋学をキーワードとした新たなシティプロモーションについてでありますが、本市と同様な歴史を有する市町村に呼び掛けを行い、自治体間での連携関係を構築したいと考えております。その後、これを活用した情報発信をはじめ、共同での事業展開を実施するなどして、「洋学のまち津山」の知名度向上を図ってまいります。
 津山郷土博物館では、「春はつやま」の一環で、4月に企画展「古い写真で見る津山の鉄道展」を開催します。また、秋には津山藩士の文人画家、飯塚竹斎の没後160年を記念し、その作品を集めた企画展を開催します。
 文化財保護については、昨年7月に認定された「津山市文化財保存活用地域計画」に基づき、岡山ヘリテージマネージャー機構と連携し、文化財の保存・活用を担う人材の育成に取り組みます。
 コンベンション誘致については、近代化遺産を活かすまちづくりを実行している全国の自治体や研究者が集まり、近代化遺産を観光資源として活かす方法を話し合う「全国近代化遺産活用連絡協議会津山大会」を8月に開催し、津山の歴史資産を全国に発信します。
 
(8)行財政改革を断行し、効率的な行政運営を行う津山へ
 最後に、「行財政改革の断行と効率的な行政運営」であります。
 行財政改革については、「津山市第10次行財政改革大綱」の次の5年間の基本方針である「津山市行財政改革運営指針」、併せて、健全な行財政運営、職員の意識改革、行政資源の最適化に向けて具体的な取組事項を盛り込んだ実行計画を策定します。これにより、不断の行財政改革を進めてまいります。
 ファシリティマネジメントについては、「公共施設マネジメント基本方針」にランニングコストの削減を新たな目標として加えることにより、これまで以上に財政効果の高いFM施策を進めてまいります。
 民間活力の導入については、提案制度によって、先般、旧高田幼稚園を活用した「複合施設たかたようちえん」がオープンしたほか、旧東幼稚園、旧田邑幼稚園で事業を進めてまいります。市道等の街路灯についても、一斉LED化を実施します。
 今後とも、サウンディング型市場調査やトライアルサウンディングなどを活用して、低未利用公共施設の活用や公共サービスの充実を図り、住民・民間事業者・行政が三方良しの関係となる活性型の行財政改革に積極的に取り組んでまいります。
 ネーミングライツについては、これまでの津山スポーツセンターサッカー・ラグビー場に加え、テニスコートに導入したところですが、来年度以降は、対象を他の公共施設にも広げてまいります。
 企業版ふるさと納税については、積極的に活用できるよう、地域再生計画を作成したところですが、今後、本市の地域創生の取組を広くアピールし、賛同していただける新しい企業の開拓に努めてまいります。
 グラスハウスについては、RO方式とコンセッションを合わせたPFI手法により、施設リノベーションを行った上で独立採算での運営を行う、公民連携による収益事業への転換を目指します。
 デジタル化への対応については、昨年10月に設置した「みらい戦略プロジェクトチーム」の研究成果として、今月、「津山市デジタル社会の推進に向けた取組方針」を取りまとめることとしております。デジタル化を進めることにより、住民生活の利便性を高め、行政運営の簡素化・効率化を図ってまいります。
 

4 おわりに

 以上、来年度の主要な施策について、その概要を申し述べました。
 人口減少・少子高齢化や財政硬直化など、直面する大きな課題に加え、感染症の拡大という、これまでに経験したことのない事態が発生し、本市を取り巻く環境は厳しさを増しています。
 行財政改革の推進については、減量型の取組に止まらず、公民連携を主眼においた「活性型の行財政改革日本一」を目指し、その歩みを進めてまいります。
 国際目標であるSDGsに取り組むことは、世界的な潮流となっており、本市においても持続可能な社会の構築を進めるためには有効な手段であります。SDGsが掲げる目標の達成にも資するよう、第2期総合戦略の見直しを行い、本市における取組の推進を図ってまいります。
 また、自分達のまちに愛情と誇りをもった選択と行動をすることにより、地域の経済に好循環を生もうとする「ローカルファースト」の視点に立ったまちづくり・地域づくりにも取り組んでまいります。
 感染症の拡大により顕在化した社会的な課題や様々な困難を克服するためには、今こそ住民が一丸となって立ち向かっていかなければならないときだと思います。
 私は、ふるさと津山が、将来の世代にわたって愛され、発展していくことを願う全ての住民の思いを一身に受けとめ、しっかりと一つにつなぎ合わせるために、全身全霊を捧げ、明るい津山の未来の創造に向け「剛毅果断」に取り組んでまいります。
 住民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

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