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施政方針 令和2年3月定例会

目次

1 はじめに                           
 
2 市政運営の基本的な考え方                   
 
 (1)財政再建の断行と経済活性化                
 
 (2)少子高齢化の抜本対策                   
 
 (3)将来を見据えた人材育成                  
 
3 令和2年度の主要な施策                    
 
 (1)拠点都市にふさわしい都市機能が整備された津山へ      
 
 (2)安心して子どもを産み育てられる多世代共生の津山へ     
 
 (3)雇用が安定し定住できる津山へ               
 
 (4)地域産業が発展する津山へ                 
 
 (5)将来を見据えた人材育成を進める津山へ           
 
 (6)多様な教育機会が得られる津山へ             
 
 (7)歴史と文化に誇りを持ち、観光都市として発信する津山へ  
 
 (8)行財政改革を断行し、効率的な行政運営を行う津山へ    
 
4 おわりに                          
 
 

1 はじめに

 令和2年3月定例市議会の開会にあたり、今後の市政運営に向けての基本的な考え方と主要施策の一端を申し述べたいと存じます。
 私は市長に就任以来、重点課題として、「財政再建の断行と経済活性化」、「少子高齢化の抜本対策」及び「将来を見据えた人材育成」を位置づけ、それらの課題へ対応すべく、取組を進めているところであります。
 任期折り返しを迎え、3年目となる令和2年度も、その歩みを止めることなく一歩一歩着実に施策を推し進めてまいります。
 さて、本年は、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。
 本市においては、オリンピック聖火リレーと到着セレモニー、モナコ公国のホストタウン事業、パラリンピック聖火の採火式など様々なイベントが企画されています。こうした取組を通じて、今後のスポーツ振興や国際交流を促進したいと考えております。
 今回実施する機構改革では、企画・総務・財政部門の再編等により組織を効率化するとともに、まちづくりへの歴史・文化の積極的な活用や、地域づくりと生涯学習分野との更なる連携強化を図ってまいります。教育委員会については、学校教育に特化した体制とし、子どもたちの「生きる力」のより一層の育成に注力いたします。
 また、ワンストップ型のおくやみ窓口の新設や、引越手続に関する案内の改善など、住民サービスの向上を図ってまいります。
 本市の財政状況は非常に厳しいことから、この度、「財政構造改革に向けた取組方針」をお示しいたしました。基金からの繰入に頼らない財政基盤の確立と持続可能な地域づくりに向けて取組を進めてまいります。
 人口減少問題をはじめとした本市を取り巻く厳しい環境や財政の硬直化など、様々な課題に正面から立ち向かい、拠点都市津山を再興し、よりよい津山の未来を実現すべく、「進取果敢」に市政運営に取り組んでまいります。

 

2 市政運営の基本的な考え方

 それでは、今後の市政運営に対する基本的な考え方について、三つの重点課題を中心に述べさせていただきます。
 
(1)財政再建の断行と経済活性化
 まず、財政再建の断行と経済活性化であります。
 本市の財政状況は、第三セクター等改革推進債の発行や、都市基盤整備への起債活用などにより、市債償還に関する指標である実質公債費比率等が、令和2年度から3年度にかけてピークになる見通しであり、財政の硬直度を示す経常収支比率も、依然として90%を超える高い水準で推移しています。
 昨年11月の財政計画長期見通しでは、令和12年度の基金残高が3.8億円まで減少することや、この財政計画を実現していくためには、46億円の行革効果が必要であることをお示ししました。
 しかしながら、平成30年7月豪雨クラスの災害復旧に対応するためには、最低でも10億円程度の基金残高を確保しておくことが必要であります。
 本市においては、平成26年度以降、基金に頼る財政運営が続いており、前例踏襲やコスト意識の欠如などから、市税や交付税などにより見込まれる一般財源をはるかに上回る予算編成を続けてきたと感じております。
 これは、財政再生団体への転落という土地開発公社清算時の危機感が希薄化し、財政規律が低下した表れであり、このことを真摯に受け止め、早期に対策を示して改善すべきと考えます。
 令和2年度当初予算案は、主要事業以外の経費だけで一般財源として見込まれる歳入額を上回り、結果として約18.8億円の財政調整基金を取り崩す編成となりました。財政計画や当初予算案が示している本市の厳しい状況は、このような基金に頼らざるを得ない財政運営が今後も続く見込みであることを明示しており、真に実施すべき事業とその規模を見極め、歳入額に見合った歳出構造に近づけるべく、予算編成手法を見直す必要があると考えております。
 財政構造改革は、従来型予算編成からの転換に始まるというのが私の思いであり、ここに「財政構造改革へ向けた取組方針」を策定し、全職員の意識改革を徹底するよう指示したところであります。
 この取組方針では、まずは令和2年度及び3年度での取組を示し、財政計画で掲げた「さらなる行財政改革」への対応と、令和12年度の基金残高10億円確保を目指してまいります。
 次に、経済活性化についてであります。
 今般策定した「第2期津山市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、人口減少を克服し、将来にわたり本市の活力を維持していくため、第1期総合戦略における方向性や取組を維持しつつ、国の動きを踏まえた新たな視点を加えることにより一層の充実・強化を図ることとしております。地方創生の推進に向けては、柔軟な発想を持って事業を展開してまいりたいと考えております。
 農林業分野では、地域産品のブランド化、地域商社の設立や域外の農産物直売所の設置、地域材の需要拡大など、農林業を持続可能で強固な産業にするための取組を進めます。
 観光分野については、さくらまつりをはじめ、全国的に津山の知名度を高める歴史・文化に重点を置いた取組を積極的に展開し、「春は津山」と称されるよう進めてまいります。観光体験プログラムや宿泊ツアーの企画、教育研修旅行の誘致、インバウンド向け商品の開発などにも取り組み、滞在時間の延伸や観光消費の拡大を図ります。
 
(2)少子高齢化の抜本対策
 次に、少子高齢化の抜本対策であります。
 人口流出が流入を上回る社会減については、平成21年の800人減から徐々に回復し、平成27年以降は年間300人前後の減少で概ね推移しております。
 一方、死亡者数が出生者数を上回る自然減については、その減少者数は拡大傾向にあり、平成27年以降は、年間400人以上の減少となっています。
 本市の合計特殊出生率の推移を見ると、全国平均、岡山県平均に比べ高い数値となっているものの、近年は1.6から1.7の間で横ばいの状況が続いており、人口減少・少子高齢化に歯止めをかけるためには、社会減とともに自然減を食い止める対策を併せて行っていく必要があります。
 出生数の増加に対しては、子育て支援の充実が重要であり、安心して健やかに子どもを産み育てることのできる環境整備を進めることにより、出生率2.0の達成を目指したいと考えております。
 支援にあたっては、共働き世帯の増加、多様化する市民ニーズに的確に対応し、子どもの健やかな成長のための適切な環境が等しく確保されるよう、成長段階に応じたきめ細やかな取組を進め、子育ての喜びや大切さを実感できる社会の構築に努めてまいります。
 また、未婚率の上昇は少子化の大きな要因となるため、出会いの場の創出や結婚支援、安心して働ける雇用の場の確保などへの取組も進めます。
 高齢者施策については、高齢者一人ひとりが、住み慣れた地域の中で健やかに自分らしい生活を継続できるように、地域の方々や保健、医療、福祉等の関係機関と連携し、高齢者福祉や介護保険事業を総合的に推進いたします。
 介護、予防、医療、生活支援、住まいを一体的に提供する地域包括ケアシステムを更に推進していくため、自立支援、重度化防止に向けた在宅医療や認知症への対応、地域共生社会の実現に向けた取組などに引き続き力を入れてまいります。
 意欲ある高齢者に社会の担い手として活躍していただけるように、企業とのマッチングを強化しており、シニア世代の雇用と活躍の場づくりにも取り組みます。
 
(3)将来を見据えた人材育成
 次に、将来を見据えた人材育成であります。
 人材は地域を支える大切な基盤であり、活力ある持続可能な社会を構築していくための原動力であります。
 一人ひとりが持つスキルやノウハウは地域全体の財産であり、知識・技術の習得や磨き上げを支援するとともに、その継承により地域の活性化に有効活用すべく、郷土愛の醸成やまちづくりへの意識の高揚を図ってまいります。
 将来を担う子どもたちについては、社会全体で成長を支えていくことが重要と考えており、学校、家庭、地域が一体となり、確かな学力、豊かな心、健やかな体の知・徳・体をバランスよく育てることにより、自ら将来の進路を切り拓く力や地域に貢献する力の育成につなげてまいります。
 社会が複雑化、多様化する中、人材育成を効果的に進めるためには、目指すまちづくりのビジョンや育てるべき人材像を地域全体で共有しながら、社会ニーズや課題とのミスマッチが生じることのないよう取り組んでいく必要があると考えております。
 市民の皆様との協力はもちろん、美作大学、津山高専をはじめとする高等教育機関や民間企業と締結している包括連携協定の枠組も活用し、地域づくりを担う人材育成を一層推進していく方針です。
 また、AIなどの技術革新が進展する中、新たな時代に対応しながら人材育成を進めるためにも、高等教育機関との協力は、今後ますます重要になってくると考えております。

 

3 令和2年度の主要な施策

 次に、令和2年度の主要な施策についてであります。
 
(1)拠点都市にふさわしい都市機能が整備された津山へ
 最初に、「拠点都市にふさわしい都市機能の整備」であります。
 拠点都市津山を再興していくためには、利便性の高い都市機能を拡充していくことが重要であります。
 空港津山道路は南北軸の要であり、沿線自治体と連携し、未着手区間の早期事業化など、国、県に対して引き続き積極的な働きかけを行ってまいります。
 事業中の津山南道路については、今年度、予算を倍増して整備を進めていただいているところであり、今後も国と協力して一層の事業促進を図ってまいります。
 総社川崎線は、中心市街地の中環状道路を構成する重要な道路であります。来年度は、沼地内の側道の暫定供用を行うこととしており、早期全線開通を目指し、引き続き未買収地の完全取得に向けて粘り強く交渉を進めます。
 河辺高野山西線については、津山中央病院以南の南工区が昨年3月に開通したところですが、交通の利便性の向上や救急搬送の更なる迅速化などの効果を地域全体に波及させるため、交通量調査等に基づく整備の必要性を示しながら、病院以北の早期事業化を目指し、引き続き県と協議を進めていく方針であります。
 津山駅の環境整備については、先般、北口広場西側出口の試験開放を行いました。検証結果を踏まえ、施設利用の利便性が向上するよう関係機関と連携しながら改善を図ってまいります。
 また、津山駅舎のバリアフリー化については、早期事業着手に向けて、国、JR西日本への働きかけを強化してまいります。
 城下地区については、国際ホテル跡地を含め、津山城跡の景観に配慮した計画的なまちづくりを進めていく必要があり、今年度、城下デザインミーティングを実施し、同地区の中長期的なまちづくり構想を取りまとめることとしています。来年度は、ホテル跡地にチャレンジショップや休憩スペースとしても活用可能なトレーラーハウスを常時設置するなど、にぎわい創出に資するプランを社会実験の形で実施し、検証結果を踏まえ、今後のあり方を固める方針であります。
 城東地区のまちの駅整備については、駐車場、トイレ、インフォメーションの機能を持った国道53号の休憩施設として、「道の駅」の可能性も探りながら研究してまいります。
 城西地区の重要伝統的建造物群保存地区への選定については、保存活用計画を策定し、保存地区の都市計画決定を行い、文化庁への申請手続を進めてまいります。重伝建地区を2地区持つ自治体としては県内初となり、博物館都市として一歩前進が図られるものと考えております。
 津山を訪れる観光客の利便性や回遊性の向上を図るため、観光案内標識の表記やデザインを統一する「まちなかサイン」のガイドラインを策定し、設置に向けて取組を進めてまいります。
 公共交通については、津山市地域公共交通網形成計画に基づき、利便性や快適性、円滑性を将来に向けて向上していきたいと考えております。今年度は、ごんごバス東循環線の車両更新による快適性の向上が図られ、利用者も増加に転じました。定住自立圏における広域的な連携を進めていくとともに、来年度は、西循環線の車両更新を行います。
 また、交通弱者対策や公共交通空白地域の解消のため、小型車両等を活用した社会実験に着手します。
 道路施設の老朽化対策については、橋、トンネル、道路標識等の点検を行うとともに予防保全を実施し、施設の長寿命化を図ります。
 園児らが歩行する道路の交通安全対策については、他県で発生した痛ましい交通事故を受けて緊急点検を実施しました。対策が必要な31箇所の整備を早急に進めてまいります。
 水道事業では、1月に小田中浄水場に開設した災害対応ステーションの充足を図るとともに、大規模災害等を想定し、県内約30の水道事業体と連携して応急給水活動の受入訓練を実施します。
 基幹施設である小田中第一水源の導水管や第一配水池の更新を引き続き実施するほか、院庄・神戸地区の水圧不足を解消するための整備も進めてまいります。
 また、昨年、破裂があった新兼田橋の配水管については、来年度から更新工事に着手します。
 近年、自然災害は激甚化の傾向にあり、市民、行政、防災関係機関が連携して、備えを進めることが非常に重要となっています。
 今年度は、地域と連携した総合防災訓練の実施や、警戒レベルを用いた避難情報の発令、土砂災害特別警戒区域内への防災ハザードマップの配布、定住自立圏における非常時備蓄物資の計画的な調達等を進めながら、防災配備体制や避難所の見直しなどに取り組んでおります。
 また、災害時に迅速かつ的確な対応ができるよう、今年度7件の企業・団体と新たに災害時の協定を締結しました。
 今後も、国、県、警察、消防、自主防災組織等と緊密に連携しながら、防災体制の充実・強化に取り組んでまいります。
 平成30年7月豪雨の災害復旧については、来年度末には概ね完了する予定となっています。全ての被災箇所の復旧が完了するよう全力を挙げて取り組んでまいります。
 ポンプゲートの整備については、吉井川流域の浸水被害軽減のため、令和3年度末までに残る3基の整備を行い事業完了を目指します。来年度は、昭和町第二と吹屋町の2基を整備いたします。
 吉井川等の河川管理については、樹木の伐採や堆積土砂の撤去が計画的に実施されるように、県に対し要望してまいります。
 災害廃棄物の処理については、災害時に円滑な処理が推進できるよう、予測される事態への対応策や、処理手順を定めた「災害廃棄物処理計画」を策定します。
 日本原演習場対策では、安全安心に配慮した訓練の実施を求めてきたところですが、訓練による影響が軽減されるよう、関係機関と連携し特段の配慮を要請してまいります。
 
(2)安心して子どもを産み育てられる多世代共生の津山へ
 次に、「安心して子どもを産み育てられる多世代共生」であります。
 子育て支援については、今年度策定の「第2期津山市子ども・子育て支援事業計画」に沿って、妊娠から出産、育児まで切れ目のない支援を行ってまいります。
 昨年10月から、国の幼児教育・保育無償化事業により、3歳から5歳の全ての子どもと0歳から2歳の非課税世帯の子どもの保育料が無償化されたところですが、市独自で行っている0歳から2歳児の第三子以降の保育料無償化についても、引き続き実施いたします。
 不妊治療支援については、今年度、特定不妊治療への助成回数拡充や一般不妊治療に対する助成制度の新設を行っております。不妊に悩む夫婦が安心して治療に臨めるよう、引き続き支援を行ってまいります。
 幼児等へのインフルエンザ予防接種費用の助成については、今年度末で終了の予定としておりましたが、子どもの健康保持と保護者の負担軽減の状況を踏まえた検討を行うため、来年度も継続実施する考えであります。
 5歳児健康調査については、来年度から、対象となる市内の全園で実施し、就学前に子どもの特性を踏まえたサポートを行うことにより、集団生活やその後の学校生活へスムーズに適応できるよう支援してまいります。
 放課後児童クラブについては、入所需要の増加に対応するため、引き続きクラスを増設するとともに、保護者の負担軽減を図る観点から送迎を行っているクラブへの支援を開始します。
 児童虐待防止については、子ども家庭総合支援拠点であるこども子育て相談室を中心に、福祉、保健、医療、教育等の関係機関と連携した取組を引き続き進めてまいります。
 DV被害者への支援については、体制を強化するため、県北初の配偶者暴力相談支援センターの設置を検討してまいります。
 高齢者が元気に活躍できる地域共生社会の実現に向けては、元気な高齢者8割以上を目標に、現在216地域において取り組んでいる「めざせ元気!!こけないからだ講座」や、高齢者が身近な場所で気軽に集まれる「ふらっとカフェ」活動など、地域ぐるみの介護予防活動の普及、拡大に努めます。
 また、高齢者を狙った特殊詐欺を防止するため、防犯機能付電話の購入費用を助成する関連予算を今議会に提案しています。
 障がいのある方に対しては、地域での活動を支えていくため、相談や緊急時の受入れ、一人暮らしの体験機会の提供などを行う地域生活支援拠点を、近隣3町と共同で開設いたします。
 手話が言語として明確に位置づけられたことを受け、「言語としての手話の理解の促進及び手話等の普及に関する条例」を今議会に提案しております。
 公民館については、地域づくりの拠点として、地域の実情に合わせて柔軟に運用されるように、利用制限の見直しを行うことといたしました。この見直しにより地域づくり活動が一層活性化することを期待しております。
 生涯学習環境の充実については、市内企業と市立図書館で共同開発した図書のサテライト貸出システム「カリコレ」を活用した団体貸出により、地域における情報収集の利便性向上を図ってまいります。
 
(3)雇用が安定し定住できる津山へ
 次に、「雇用の安定と定住」であります。
 津山産業・流通センター及び久米産業団地では、市長就任後4社との立地協定締結に至り、立地率はともに約8割となっています。津山産業・流通センターでは、今月、誘致した企業の新たな施設が竣工するなど、地域の産業拠点の一つとして、また、約1,500人の雇用の場として、着実に歩みを進めています。引き続きトップセールスをはじめとした営業活動を積極的に展開しながら、企業誘致を推進してまいります。
 移住・定住については、津山ぐらし移住サポートセンターを拠点として、移住希望者のニーズに応じたトータル的なサポートを引き続き行います。来年度は、ライフスタイルの多様化に対応した都市部でのワークショップの開催や津山ぐらしの魅力を体感できるフィールドワークなどにより、関係人口の創出を図ってまいります。
 また、県外で働く子や孫に移住定住を促すよう、親や祖父母向けに、地域企業の魅力などを紹介するセミナーを開催し、更なる移住者の増加につなげたいと考えております。
 新規学卒者の地域企業への就職促進については、雇用のミスマッチを防ぐため、高校生や大学生を対象に、就活前セミナーを開催いたします。
 地域雇用の活性化については、地域企業の魅力を伝え、若者の地域内就職や定住を促進するため、「つやまエリアオープンファクトリー」や「学生のためのつやまオープンジョブ」を実施しており、圏域自治体との連携を強化しながら、引き続き取組を進めます。
 また、4月から「セカンドライフの相談窓口」を「みんなのお仕事相談窓口」に改め、これまでの高年齢者だけでなく、子育て世代の女性や第二新卒の方、IJUターン求職者にも拡充して、地域企業とのマッチングを強化してまいります。
 
(4)地域産業が発展する津山へ
 次に、「地域産業の発展」であります。
 つやま産業支援センターでは、魅力ある雇用の創出を目指し、専門家による中小企業への伴走支援を強化してまいります。企業の高付加価値製品の開発や販路開拓、生産性向上等、成長に向けた活動をサポートするとともに、関係機関とも連携し、人材育成や創業支援などを行いながら地域産業の活性化を図ります。
 農業ビジネスモデルの構築については、その核となる地域商社の設立に関する検討会を立ち上げ、昨年11月に売上目標額等を提示したところであります。   
 地域商社を設立し、出口戦略を軸とした実効性のある仕組みを構築することにより、地域農業の振興を図りたいと考えており、設立準備組織を立ち上げる予算を今議会に提案しています。
 地域材の需要拡大については、今年度、地域材を利用した新築住宅に対する補助金を、県の支援と合わせて、1戸あたり最高100万円まで拡充しました。
 また、地域材の更なる需要を喚起するため、これまで最高15万円であった地域材利用住宅リフォーム補助金を、最高40万円まで拡充する関連予算を今議会に提案しています。
 森林環境譲与税については、森林における土砂災害が相次ぎ、早急に森林整備を進める必要があることから、来年度以降、増額されることとなりました。
 こうした状況を受け、本市においても、譲与税の活用により森林の現況調査を早急に完了させるとともに、森林所有者への林業経営に関する意向調査を進め、森林整備の加速化と適正な森林管理の推進を図ってまいります。
 また、一日林業体験や援林塾の開催により、林業の担い手育成にも努めてまいります。
 森林の管理・保全の取組とともに、地域材の活用を促すことにより、林業の活性化につなげたいと考えております。
 つやま和牛については、出荷頭数の増加と市場への安定供給が求められています。流通量の増加を図り、ブランド化を加速させていくため、肥育資金の無利子貸付を行うための基金を2カ年で80頭分とすべく、令和2年度は、40頭分を増額したいと考えており、関連予算を今議会に提案しています。
 
(5)将来を見据えた人材育成を進める津山へ
 次に、「将来を見据えた人材育成」についてであります。
 本年1月から、地域課題の解決策について、学生から提案を受ける地域連携ワークショップを、早稲田大学との間で実施しております。8人の学生が実際に津山でフィールドワークを行い、津山ならではの地域暮らし体験メニューを考えてもらうもので、3月には学生の視点からの提案を受けることとしております。
 今後も、このような取組を推進し、地域外の人材が地域づくりの担い手となる関係人口の創出・拡大につなげたいと考えております。
 国は、Society5.0時代を見据え、「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」を策定し、AI等を活用した目指すべき教育の方向性を示しています。
 ICTを活用した先進教育モデルの開発を進める東京学芸大学と連携し、本市のICT環境を活用して都市と地方を結んだ授業の実施など、共同研究を進めてまいります。
 作陽高校については、先般の地元説明会において、移転の検討が進んでいることが明らかになり、本市としては、関係機関と連携しながら、今後の対応を図っていく方針であります。
 このような動きは残念なことであり、本市の拠点性や、地域へ与える影響は大きいと受け止めております。
 県北の拠点都市として、本市の再興を図るためには、美作大学、津山高専も重要な都市機能であり、学都津山としての魅力を維持・向上していく必要があります。本市における中等教育及び高等教育の有り様については、有識者会議を設置し、まちづくり等の観点からも検討したいと考えており、関連予算を今議会に提案しております。
 津山まちなかカレッジでは、社会人のスキルアップ、女性やシニアの就業支援、学生の社会教育など、様々なプログラムを実施しています。今年度は12月末時点で延べ1,395人の受講者があり、就業者数は34名と前年度と比べ増加しております。来年度も、引き続き学びのプラットフォームとして実践的で多彩な講座を提供してまいります。
 職員の育成では、今年度から国土交通省や県大阪事務所への派遣を開始するとともに、民間企業への研修も取り入れてまいりました。来年度は、新たに農林水産省と文部科学省に職員を派遣するなど、引き続き国や県等への派遣によって、本市の将来を支える職員の資質や能力の向上を図ってまいります。
 
(6)多様な教育機会が得られる津山へ
 次に、「多様な教育機会の充実」であります。
 学校教育に特化した教育委員会では、教育長を補佐する部長級の教育次長を新たに配置することにより、体制強化を図ります。
 小・中学校の学習環境の改善に向けては、計画を前倒し、全ての普通教室に指導用タブレットやプロジェクター等を整備いたしました。国が示した児童・生徒1人1台の端末整備方針に基づき、これからの時代に即した主体的・対話的な深い学びを推進するため、児童・生徒用端末の配備を進めてまいります。
 これからの子どもたちには、グローバル化や情報化の進展による社会の変化に対応し、課題を発見し解決する力が必要です。来年度からは、小学校での外国語教育の導入やプログラミング教育が必修化されます。これらを踏まえ、小学校に英語教科支援員を配置し、外国語授業を支援するとともに、プログラミング用学習教材も活用しながら、教育の充実を図ってまいります。
 教育の質の向上に向けては、教員が児童生徒と向き合う時間をより増やすため、教師業務アシスト員及び部活動指導員を引き続き全校に配置します。
 また、管理職OBをアドバイザーとして2名配置し、教育相談体制の充実ときめ細やかな支援体制による学校の組織力向上を図ってまいります。
 小学校6年間を通して落ち着いた学習環境を整えるためには、まずは低学年の生活・学習規律の定着が重要であります。県事業である「小1グッドスタート事業」は10月までとなっており、小学校1年生に年間を通してきめ細やかな支援を行うため、11月以降も市単独事業として、教育支援員を継続配置いたします。
 複雑多様化する教育課題の解決に向けて、学校と地域が目標やビジョンを共有し、協働して取り組むために、コミュニティ・スクールの設置に向けた研究を進めてまいります。
 ニートやひきこもりへの支援については、津山市子ども・若者支援地域協議会を中心に関係部所が連携し、相談体制の充実を図り自立支援に取り組んでまいります。
 津山市教育相談センター鶴山塾は、旧鶴山幼稚園に移転し、4月より運営を開始します。機構改革により新設する次世代育成課では、青少年育成センターとの機能連携を強化し、児童生徒の社会的自立に向けて、切れ目のない支援を行います。
 スポーツ振興については、津山市スポーツ大会・合宿誘致事業補助金制度の周知を図るとともに、トレイルランレースやリズムジャンプ、サッカー、卓球等の大会や教室などを行うことで、スポーツによる交流人口の増加や競技力の向上、地域の活性化を図ってまいります。
 スポーツ施設の整備については、老朽化した津山スポーツセンターテニスコートの人工芝を全面的に張り替え、施設の機能と安全性の向上を図ります。
 男子プロバスケットボールチームの「トライフープ岡山」が、本市をホームタウンとしてBリーグに参入しており、現在、競技力向上、スポーツに取り組むきっかけづくりなど本市との交流活動について協議を進めております。
 本市での公式戦は、津山総合体育館で4月18日と19日に開催される予定となっており、私も、ぜひ応援に行きたいと思っております。
 
(7)歴史と文化に誇りを持ち、観光都市として発信する津山へ
 次に、「歴史と文化に誇りを持った観光都市としての発信」であります。
 観光振興については、通過型観光から滞在型観光への転換を図っていくことが重要であると考えています。
 観光誘客については、歴史文化・食・鉄道遺産などの本市の魅力を効果的に発信し、より一層の誘客促進とブランド力の向上を図るため、女性層やインバウンド、旅行代理店をターゲットとしたプロモーションを強化してまいります。
 春の観光シーズンは、「春は津山」をキャッチフレーズに事業展開を行ってまいります。
 3月の梅まつりから、鶴山公園、声ヶ乢、尾所などを舞台とするさくらまつり、加茂郷マラソン、津山の牛肉文化を発信する「牛うまっ王選手権」、まなびの鉄道館での催しの充実等、ゴールデンウィークまで様々なイベントが開催されます。
 こうしたイベントに加え、DMOや地域と連携した取組の一つとして、新たに花をテーマに市内一円を巡るスタンプラリーを実施します。
 更には、4月の津山郷土博物館リニューアルオープンに合わせて、企画展「天華百剣と名刀写し展」を開催いたします。津山藩松平家に伝来した名刀の再現と、人気コンテンツとのコラボレーションや、刀剣イベントを実施するとともに、SNSや動画配信によるPRを効果的に行い、春の観光誘客を図ってまいります。
 また、郷土博物館では、出雲市・諫早市との交流35周年を記念した「三市交流展」を、秋に開催します。
 津山文化センターが、4月1日にリニューアルオープンします。ヴァイオリニスト高嶋ちさ子さんのコンサートを皮切りに、集客につながる各種イベントを計画しており、新しくなった施設が多くの皆様に利用され、末長く愛される芸術文化拠点施設となることを期待しております。
 津山洋学資料館は、移転から10周年を迎えます。これを記念し、長崎シーボルト記念館などの所蔵資料を紹介する企画展を秋に開催します。
 城東地区の旧苅田家付属町家群については、20年の運営権を設定したコンセッション方式により事業者を選定いたしました。この規模でのコンセッション事業は、全国的にも初めての取組として注目されており、滞在型観光を促進するためにも、ぜひ、成功に導きたいと思っております。施設名は「城下小宿 糀や」に決定し、今年夏にオープンいたします。
 先日、開催された全国城跡等石垣整備調査研究会では、石垣の保存活用にかかる意見交換がなされ、津山城跡を全国にPRすることができました。
 津山城跡については、二の丸東側石垣の修理工事を4年計画で実施するとともに、平成30年7月豪雨で被災した厩堀法面の工事にも取りかかります。
 また、市指定重要文化財である中山神社惣神殿の修理設計に着手します。
 
(8)行財政改革を断行し、効率的な行政運営を行う津山へ
 最後に、「行財政改革の断行と効率的な行政運営」であります。
 今後の行財政運営は、先ほども申し述べたように、財政構造改革へ向けての取組を推進し、歳入規模に見合った歳出構造への転換が不可欠であると考えております。
 また、事業の見直しにあたっては、単に事業費を削減するだけでなく、変化を恐れず、より大きな効果が得られる取組に改め、創意工夫を継続していくことで、最小の経費で最大の効果が得られるよう努めてまいります。
 歳入増加につながる取組を強化していくとともに、旧苅田家付属町家群に続く他の施設へのコンセッション方式等の導入など、活性型の行財政改革に取り組むことにより、財政の健全化はもとより行政サービスの向上を図ってまいります。
 昨年、公共施設の利活用に対する民間提案制度、トライアルサウンディングなどの新たな制度を導入いたしました。民間提案制度については、今年度7件の提案を採択しておりますが、その一つである旧高田幼稚園については、事業者がパンの店として施設を再利用することとなっております。計画では、地域活性化や子育て支援にも資する事業を予定しており、今議会に関連議案を提案しております。
 今後とも、公民連携手法を積極的に導入してまいりたいと考えております。
 プール施設のあり方については、「津山自分ごと化会議」を4回開催し、2月6日に提言書をいただいたところです。グラスハウスについては、現行の指定管理での運営は来年度までとし、提言やFM委員会の意見も参考にしながら、今後、利活用策を検討してまいりたいと考えております。

 

4 おわりに

 以上、来年度の主要な施策について、その概要を申し述べました。
 人口減少問題や財政の硬直化など、本市を取り巻く環境は一段と深刻さを増しています。
 この状況を乗り越え、津山を動かしていくためには、直面する課題に的確に対応し、事務事業を迅速かつ確実に執行できる体制を整えるとともに、歳入歳出改革に向けた取組を推進し、財源を確保していくことが重要であります。
 こうした思いから、今回、機構改革の実施と財政構造改革の方針を打ち出したところです。
 取組は、困難を極めると考えておりますが、「かつてない困難からは、かつてない革新が生まれ、かつてない革新からは、かつてない飛躍が生まれる。」との、松下幸之助氏の言葉を肝に銘じながら、職員一丸となり様々な困難を克服し、未来へ向けての歩みを着実に進めていくことで、よりよい津山を創造してまいります。
 議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

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