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施政方針 平成31年3月定例会(2月25日)

1 はじめに

 平成31年3月定例市議会の開会にあたりまして、これからの市政運営に向けての基本的な考え方と主要施策の一端を申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 本年5月1日をもって「平成」から新たな時代を迎えることになります。また、本市におきましては、市制施行90周年という記念すべき年でもあります。
 去る2月11日には、皆様のご協力により、記念の式典を滞りなく挙行することができました。関係各位に改めて感謝を申し上げますとともに、本市の発展に尽力を賜りました多くの先人、諸先輩、そして市民の皆様に敬意と感謝を表したいと存じます。
 さて、少子高齢化をはじめとした本市を取り巻く厳しい状況や、財政の硬直化などの直面する課題に対しては、これまでの市政を単に見つめ直すだけでなく、新たな視点からの取組に着手することが必要との思いを強くしております。
 策定した第5次総合計画中期実施計画は、こうした問題意識を念頭に置きながら、今後の市政の羅針盤として取りまとめたものであり、計画に掲げた施策の実現こそが、より良い津山の未来を切り拓くことになると考えております。
 「前程万里」という言葉どおり、本市の未来は多くの可能性に満ち満ちております。拠点都市津山の再興を目指し、1300年の歴史、風土、そして人を大切に、すばらしい津山の特色を生かした魅力あるまちづくりを進めてまいります。

 

2 市政運営の基本的な考え方

 それでは、今後の市政運営に対する基本的な考え方について、昨年6月定例会の所信で掲げた三つの重点課題を中心に述べさせていただきます。
 
(1)財政再建の断行と経済活性化
 まず、財政再建の断行と経済活性化であります。
 平成31年度予算の編成にあたっては、その前提として、昨年、サマーレビューを実施し、見直しする事務事業の選択や、執行体制を検討したうえで、ファシリティマネジメントの加速化を図るとともに、今後3年間で取り組むべき主要事業については、内容を精査のうえ見直し、中期実施計画を策定して臨んだところです。
 平成31年度の津山市の財政状況は、市税・地方交付税等の大幅な増加は望むべくもない中で、社会保障関係経費など制度として義務的なもの、一部事務組合事業など本市の工夫では対応できない経費の増加もあり、一段と厳しくなっております。
 こうした状況は予測していたところではありますが、昨年の7月豪雨等の災害復旧は当然に実施すべきものであり、中期実施計画の主要事業、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づくものや圏域での連携事業は、拠点都市津山の再興のため、是非とも計上すべきと考え編成したところです。
 その結果、必要な一般財源を確保するには、地域づくり基金をほぼ全額充当したうえに、財政調整基金を13億円余り取り崩すことで、ようやく収支を均衡させざるを得ない予算となりました。
 このように、基金からの多額の繰り入れによる予算編成を続けていては、たとえ歳計剰余金などによる基金残高の回復があったとしても、持続可能な財政運営とは言えないと思います。
 私は、経常収支比率を県平均程度に持っていきたいと考えておりますが、構造的な財政硬直化は未だ改善どころか、さらに進行しており、危機的な状況に向かっているのではないかと憂慮しているところであります。
 従いまして、平成31年度予算を提案し、これから市議会で審議いただく段階であることは十分承知しておりますが、本日、ただ今から、さらなる行財政改革を断行すべきであると考えております。
 痛みを伴う改革となるかもしれませんが、この改革こそが持続可能な未来の津山を創造することになると確信しており、議員をはじめ、市民の皆様のご理解、そして、職員の協力も得ながら、取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、経済の活性化についてですが、全国的な経済情勢は、1月の月例経済報告が指摘しておりますように、景気拡大が6年2カ月余りとなり、戦後最長になった可能性が高いとのことであります。
 こうした実体経済の底堅さは、有効求人倍率が高水準で推移するなど、様々な指標から見て取れますが、地方においては、過去の好景気時と比較しても、その実感が薄いと受け止めており、景気拡大効果をいかに誘引し、地域経済の活性化を図るかが、ますます重要になると感じております。
 地域の活力を取り戻すためには、これまでのやり方を踏襲するのではなく、新たな視点での取組が必要であります。
 現在、旧苅田家付属町家群の運営にコンセッション方式を導入し、公募を行っているところですが、今後もこのような民間活力の積極的な導入を検討してまいります。
 本市の基幹産業の一つである農林業の活性化は、焦眉の急であり、昨年の農林部設置を契機とした新たな施策や取組の強化により、農林業を持続可能で強固な産業に転換していくことを目指します。
 農業ビジネスモデルの構築に向けては、生産から消費までをサイクルとした「持続可能な好循環」を生み出し、農業が「生業」として成立する仕組づくりに向けたマーケティング調査や関係者との意見交換等を踏まえたモデル構想の取りまとめを急いでおります。来年度の早い段階で、地域商社や域外での農産物直売所の設置、担い手不足への対策などについて、具体的な提案を行ってまいります。
 
(2)少子高齢化の抜本対策
 次に、少子高齢化の抜本対策であります。
 本市の人口は、本年1月時点で101,467人となっており、この10年間で8,277人減少しています。この要因としては、少子高齢化による自然減が年間300から400人となっていることに加え、進学や就職等による社会増減が年間500人前後の転出超過で推移していることがあげられます。
 15歳未満の年少人口の割合は13.1%と1.5ポイント減少する一方で、65歳以上の高齢者の割合は29.9%と5.7ポイント増加しており、少子高齢化が一層深刻な状況に至っております。
 こうした状況を踏まえ、まずは合計特殊出生率2.0達成を目指すべく、子育て支援を本市の最重要課題と位置づけ、妊娠、出産、子育てに至るまでのトータルな支援を行うことにより、安心して健やかに子どもを産み育てられる津山の構築を図ってまいります。
 支援にあたっては、生まれ育った環境によって子どもたちの将来が左右されず、貧困が世代を超えて連鎖することがないよう、子どもの成長段階に応じたきめ細やかな取組を進める考えであります。
 高齢者施策については、高齢者一人ひとりが自分らしく、生きがいを持って元気に活躍することができる地域共生社会の実現に取り組むとともに、住み慣れた地域で健やかに生活できるよう、介護、予防、医療、生活支援、住まいを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。
 
(3)将来を見据えた人材育成
 次に、将来を見据えた人材育成であります。
 持続的な発展を可能とする社会を構築するためには、地域を支える人材の確保と育成が必要であると考えております。
 その基本となる幼児教育・学校教育では、子どもたちの確かな学力、豊かな心、健やかな体の知・徳・体をバランスよく育て、「生きる力」をより一層育むための取組を進めてまいります。
 本市は、美作大学、津山高専をはじめとする県内の高等教育機関や民間企業と包括連携協定を締結しており、昨年7月には、本市を含めた美作圏域10市町村が、岡山大学、津山商工会議所と協定を締結したところです。
 こうした産学官の連携を強化することにより、相互の人的・知的資源やネットワークを生かし、本市が抱える課題の解決に、連携・協力して取り組んでいくことで、未来を担う子どもや若者の教育をはじめ、本市の発展を力強く牽引する人材の育成につなげてまいります。
 また、子どもから大人までが、芸術文化やスポーツ活動などを通じて、いきいきとした質の高い生活を送ることができる学びの場づくりを進めるとともに、働き方の多様化などを背景に、ニーズが高まっているリカレント教育の充実に努めてまいります。

 

3 平成31年度の主要な施策

 次に、平成31年度の主要な施策についてであります。
 来年度予算は、私が市長就任後、初めて編成した通年予算であり、本市を取り巻く環境変化を的確に把握し、拠点都市津山の再興を展望しながら、新しい中期実施計画の初年度予算として提案しております。
 先ほども申し上げたとおり、基金の取り崩しに頼らざるを得ない非常に厳しい財政状況の中での編成となっており、選択と集中の考え方のもと、より優先度の高い施策に必要な財源を配分し、効果的かつ効率的な施策展開を行うこととしております。
 それでは、所信表明でお示しした分野に沿って申し上げます。
 
(1)拠点都市にふさわしい都市機能が整備された津山へ
 最初に、「拠点都市にふさわしい都市機能の整備」であります。
 拠点都市津山を再興していくためには、利便性の高い都市機能を拡充していくことが重要であります。
 空港津山道路については、南北軸の要であり、沿線自治体と連携し、国、県に対し早期完成に向けた積極的な働きかけを行ってまいります。とりわけ津山南道路の本格着工に向けては、昨年7月から2名体制とした専任職員による用地交渉の協力体制強化により、一層の事業促進に努めてまいります。
 総社川崎線については、中心市街地の中環状道路を構成する重要な都市計画道路であり、最優先で実施すべき事業と考えております。未買収地の完全取得に向けて用地交渉を進め、早期全線開通を目指してまいります。
 河辺高野山西線については、津山中央病院以南の南工区が3月21日に供用を開始します。整備効果を地域全体に波及させるためには、病院以北の北工区の早期事業化が必要であり、引き続き関係機関と協議してまいります。
 高度経済成長期以降に整備された道路施設の老朽化が課題となっています。橋梁等の重要構造物については、定期的な点検を実施し予防保全を行うことにより、施設の長寿命化を図ってまいります。
 住民生活に欠かせない生活道路の役割を担う市道の維持補修については、迅速な対応が必要不可欠であり、機能を維持し安全で快適な通行を確保するため、通年の維持補修費を予算計上して今議会に提案しております。
 津山駅舎のバリアフリー化については、施設利用における利便性及び安全性の向上を図るため、事業主体であるJR西日本と調整を行い、来年度から事業着手すべく関連予算を提案しております。
 「ザ・シロヤマテラス津山別邸」が、明後日の27日にオープンします。同ホテルは、地元経済界が中心となって建設されたものであり、これまでの取組に敬意を表するとともに、人・物・情報が交流し新たなにぎわいの創出に寄与することを期待しております。
 城下地区並びに城東・城西地区については、一体的なまちづくりに向けた検討を進めるとともに、旧津山扇形機関車庫等の鉄道遺産なども加えた博物館都市と位置づけ、歴史的建造物や文化施設を活用し、教育研修旅行などの誘致にも取り組んでまいります。
 城東地区では、観光拠点施設「まちの駅」の整備を検討するとともに、歴史的町並みや景観を保全し、回遊性と魅力の向上を図るため、東新町地内250メートルの無電柱化に向けた調査を行います。
 城西地区では、城東地区に次ぐ重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指し、関係機関と協議してまいります。
 都市機能の集積、生活サービス機能の維持向上を図り、人口減少社会に対応していくため、立地適正化計画を策定し、持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。
 公共交通については、津山市地域公共交通網形成計画に基づき、将来に向けた維持・確保並びに利便性・快適性の向上に努めたいと考えており、来年度は、ごんごバスの車両更新を行うとともに、小型車両の活用等による交通弱者対策や公共交通空白地域の解消を検討してまいります。
 水道事業では、老朽化した配水管の破裂事故や、近年多発する大規模な自然災害時の緊急給水のため、給水車や応急給水タンクなどの充実を図ると同時に、小田中浄水場に水道資機材倉庫を設置します。
 公営企業会計に移行した下水道事業では、安定的な事業継続のため、中・長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を策定します。また、今後の事業運営のあり方については、上水道事業との関係なども含め、様々な角度から慎重に検討を行ってまいります。
 近年、気象の変化による局地的な集中豪雨や大型台風の襲来など、災害の激甚化が顕著になっており、昨年の7月豪雨では、本市においても大きな被害が発生しました。まずは早期復旧を最優先課題として取り組んでいるところですが、今回の経験と教訓を踏まえ、災害対応体制について総括的な検証を行い、避難所などの課題を確認いたしました。今後、どうあるべきか、様々な観点から検討してまいります。
 また、吉井川流域の浸水被害の軽減を図るため、中期実施計画期間となる平成33年度末までの完了を目指し、ポンプゲートの整備を加速します。
 非常時備蓄物資の確保については、定住自立圏の枠組の中で進めるとともに、自助・共助の意識に基づく自主防災組織の育成や、地域防災の中核である消防団の施設や装備の充実を図ってまいります。
 今後とも、国、県、警察、消防などの関係機関との緊密な連携による防災体制の整備や、災害関連情報の把握と情報発信に努めていく方針であります。
 また、秋には、直下型地震を想定した「岡山県総合防災訓練」が本市で開催される予定であり、県と連携しながら実施に向けた協議を進めてまいります。
 米海兵隊単独訓練を含め、自衛隊日本原演習場で行われる訓練や演習については、住民の安全安心に配慮した形で実施されるよう、中四国防衛局などの関係機関・団体と連携を図ってまいります。
 
(2)安心して子どもを産み育てられる多世代共生の津山へ
 次に、「安心して子どもを産み育てられる多世代共生」であります。
 本市が先行実施している幼児教育・保育の一部無償化については、現在の多子世帯への減免に加え、10月からは国制度への円滑な移行を図り、全ての3歳から5歳児、住民税非課税世帯の0歳から2歳児について実施する予定です。
 公立保育所では、通級指導教室職員による出張乳幼児教育相談や、医療的ケア児の受け入れを引き続き行ってまいります。
 4月から津山慈風会が実施する予定の事業所内保育所については、従業員以外も利用できる地域型保育事業として認可する方向で調整を進めています。
 つやま西幼稚園については、1学期中は鶴山幼稚園の園舎を使用し、2学期から二宮の新園舎で幼稚園運営を行うこととします。この間、東西の幼稚園で教育内容等に差が生じないよう、十分に配慮してまいります。
 また、新設する幼稚園では、年少クラスを設けるとともに、子育て支援センターの設置や、特別支援教育の充実を図ってまいります。
 子どもの特性を踏まえた保育や必要な支援につなげる「5歳児健康調査」を、引き続きモデル事業として実施します。
 まちなか子育て支援施設「一時預かりルーム にこにこ」については、日曜・祝日の午前8時から利用できるように整備し、子育て世帯のニーズに対応してまいります。
 放課後児童クラブについては、需要増加に対応するため、クラスの増設に加え、4月から美作大学附属幼稚園内に全学区対応クラブを新設します。
 出生率向上に効果が期待できる不妊治療支援については、助成回数の上限を引き上げるとともに、これまで対象外だった一般不妊治療への助成制度を新設し、不妊に悩む夫婦が安心して治療に臨める環境づくりを進めたいと考えております。
 また、出産後まもない産婦の心と体の健康を守るため、産婦健康診査を新たに開始し、産後うつの予防などに努めてまいります。
 結婚支援事業に関しては、県をはじめ、定住自立圏構成団体等とのスケールメリットを生かしたセミナーや婚活イベントを開催するほか、結婚を後押しする「縁結びサポーター」の育成や交流を行うなど、広域的な支援を推進します。
 昨年8月に開設された「おかやま出会い・結婚サポートセンター津山」と連携し、県と市双方の支援策を効果的に組み合わせた結婚支援体制の構築と強化を図ってまいります。
 「人生100年時代」を見据え、疾病の早期発見と早期治療による重症化の予防を目的に、国民健康保険被保険者を対象に人間ドック受診費用への助成制度を創設したいと考えております。
 平成30年11月末現在での高齢者要支援・要介護認定者数は6,167人で、認定率は20.4%となっています。また、現在の高齢化率は29.9%であり、今後も上昇傾向にあると予測しております。「元気な高齢者8割以上」を目指し、現在209箇所の地域において取り組まれている「めざせ元気!!こけないからだ講座」など、引き続き地域ぐるみの介護予防活動の普及、拡大に努めてまいります。
 障がいのある方に対しては、雇用促進や就労支援を進めながら、相談や緊急時の短期受入れ、一人暮らしの体験機会の提供、専門的人材の養成などを行う地域生活支援拠点の整備に向けて取り組みます。
 手話が言語として明確に位置づけられたことを受けて、言語としての手話への認識を普及するため、手話言語条例の制定を検討してまいります。
 また、日常生活用具の給付メニューに、人工内耳用電池への助成を新たに加えたいと考えております。
 近年、多発する大規模な自然災害に備え、今後も避難行動要支援者に関する情報の把握に努め、関係機関・団体と情報共有を行い、地域で助け合える体制づくりを進めます。
 増加する空き家については、「津山市空家等対策計画」に基づき、所有者に適切な管理を指導するとともに、利活用を促進します。
 衛生面、防災面等に問題のある特定空家等については、補助金制度を活用した除却を促すと同時に、周辺に悪影響を及ぼす危険度が高いものについては、緊急安全措置や行政代執行も視野に入れて対応を強化します。
 循環型社会の実現に向けては、津山圏域クリーンセンターの拠点機能を生かし、市民、事業者等との連携により、ごみの減量化・資源化に取り組むとともに、自然豊かなビオトープを活用した環境学習の充実を図ってまいります。
 廃止した小桁地内の旧津山市ごみ焼却場については、地下構造物等の解体撤去に向けた設計費を今議会に提案しております。
 持続可能な地域づくりについては、地域課題の解決や福祉・防災機能の充実が図られるよう支援を行っておりますが、自立を促す制度に見直しを行ったうえで、引き続き地域の取組を支えてまいります。
 地域おこし協力隊事業では、7名の隊員に活躍いただいており、今後も、地域の活力維持と魅力の再発見、隊員の定着を促進するため、活動の充実を図ってまいります。
 
(3)雇用が安定し定住できる津山へ
 続いて、「雇用の安定と定住」であります。
 企業誘致については、昨年2月以降、4社と立地協定を締結したところです。これにより、津山産業・流通センター及び久米産業団地は、立地率がそれぞれ77.6%、80.4%となっております。
 今後も、トップセールスをはじめとした誘致活動を強化するとともに、県や関係機関と連携し、雇用の創出と地域経済の活性化を図るべく、完売に向けて全力で取り組んでまいります。また、企業へのフォローアップを充実させることで、拡張への対応や企業留置に努めてまいります。
 企業の多種多様なニーズに対応するため、他都市で実施されているオーダーメイド方式による企業誘致なども参考にしながら、今後の展開を研究してまいります。
 移住・定住に関しては、津山圏域の5町とともに、11月4日に「ふるさと作州のつどい」の開催を予定しており、前日には、結婚を機に首都圏から地方に移住を検討している独身者を対象としたイベントを企画したいと考えております。
 「住み続けたいまち、住んでみたいまち津山」の実現に向け、県外で就労・就学している子どもや孫のおられるご家族を対象に、セミナーや意見交換会を実施します。
 小中高生に、地場企業の魅力を伝え、将来的な就業や定住促進につなげるため、「つやまエリア オープンファクトリー」を引き続き開催します。
 シニア世代の雇用と活躍の場づくりに向けては、国の生涯現役促進地域連携事業を活用し、55歳以上のシニア専用の「セカンドライフの相談窓口」を開設したところです。働きたいのに働く場を見つけられない方と企業とのマッチングを強化することで、高齢者の就労の場を拡大してまいります。
 
(4)地域産業が発展する津山へ
 次に、「地域産業の発展」であります。
 設立5年目を迎える「つやま産業支援センター」では、異業種連携プラットフォームの開催や専門家による個別支援事業等により、革新製品や高付加価値製品の開発を支援するとともに、それらの製品の販路開拓までを行う伴走型支援により、全国展開を始めた企業が6社となっております。
 これからも、支援メニューの改善を図りながら、「MADE IN TSUYAMA」としての新たな商品開発や全国展開などへの総合的なサポートによって、市内企業の発展と「産業人財」の成長を支えてまいります。
 つやま和牛については、ブランド化と増頭を推進するため、去勢牛を対象に加えるとともに、高値での取引が続く仔牛の導入への支援を行うことで、肥育実績のある農家にも参入を促し、流通販売量の増加とブランド力の強化を図ります。
 津山産小麦については、圃場の改良に係る機械導入への支援制度を試行し、生産性を向上させる取組を強化しておりますが、引き続き産地形成を図りながらブランド化を推進してまいります。
 林業の成長産業化の実現に向けては、木材の需要拡大を図ることが課題となっており、地域材を利用した新築住宅に対する補助制度を、県の支援と合わせて、1戸当たり最高100万円まで拡充したいと考えております。これからも、林業関係者等と連携し、地域材の良さを発信しながら、さらなる需要の増大を図ってまいります。
 また、森林環境譲与税の導入に先駆けて、県が中心となって森林資源の解析調査が開始されますが、本市でも森林の活用に資する取組を検討してまいります。
 農林業を持続可能で強固な産業とするために、担い手不足への対応や生産基盤の維持・確保といった生産側での仕組みを強化するとともに、生産と消費をつなぐための地域商社機能や、域外での農産物直売所などの出口戦略を組み合わせた真に実効性のあるモデルを組み立てることで、ビジネスとしての農林業の創造を図ってまいります。
 
(5)将来を見据えた人材育成を進める津山へ
 続いて、「将来を見据えた人材育成」についてであります。
 津山まちなかカレッジでは、幅広い年齢層を対象に、「産業人財」の育成、就業支援など、様々なプログラムを実施しています。昨年4月から1月までの10カ月間の実績は、講座の開催数200回以上、延べ2千人を超える受講者となっており、世代を超えた学びの場として認知されてきたものと感じております。今後は、保育、介護、福祉など、人材ニーズの高い分野に注力して、就業につながる人材育成を推進します。
 また、市の将来を支える職員の育成では、国や県等への派遣によって、資質や能力の向上を図ってまいります。来年度から新たに国土交通省への派遣を開始するとともに、関西圏からの企業誘致や京阪神在住の関係者とのネットワークづくりなどを視野に入れた県大阪事務所への派遣のほか、民間企業への研修も取り入れるなど、今後も可能な限り職員派遣を継続・拡大していく方針であります。
 
(6)多様な教育機会が得られる津山へ
 次に、「多様な教育機会の充実」であります。
 子どもたちの確かな学力を育むためには、落ち着いた学習環境づくりや就学前の幼児教育に重点を置いた取組が重要と考えております。
 まずは、現状をしっかりと把握することが必要と考え、全小・中学校への訪問に続き、現在、市内全ての幼稚園・保育園・認定こども園を訪問しているところであります。
 未来ある子どもたちの健やかな成長と学びに向かう力の育成については、幼稚園、保育園、認定こども園及び小学校が連携し、小1プロブレムの課題を踏まえて作成した独自の接続カリキュラムを活用することで、特に就学前から小学校低学年に対する取組を強化してまいります。
 教員が児童生徒と向き合う時間を確保し、教育の質を向上させるため、部活動指導員を引き続き全ての中学校に配置するとともに、全小・中学校に配置している教師業務アシスト員は、来年度から大規模校に3人加配したいと考えております。
 小学校での外国語学習をサポートするため、新たに英語教科支援員を配置し、指導体制の充実を図ってまいります。
 小・中学校の学習環境については、大規模改修を終えた4校へのプロジェクター等の整備を完了することで、全ての普通教室において、ICTを活用した授業がスタートします。今後は、教員1人1台の指導用タブレット型パソコンの配備など、新学習指導要領を見据えた環境整備を進めてまいります。
 学校施設については、子どもたちの安全安心を最優先に考え、良好な教育環境の確保と施設の長寿命化を図るため、8校の小・中学校で、老朽化した校舎などの改修工事を実施します。
 青少年の健全育成では、各種育成団体の支援とともに、11月に「津山市子ども・若者支援地域協議会」を設置したところであり、協議会構成機関等と連携しながら、40歳未満のニート、ひきこもり等を対象に、就学や就労による自立への支援を行ってまいります。
 スポーツ振興では、津山市スポーツ推進基本計画に基づき、生涯スポーツ人口の増加、指導者育成と競技力向上に取り組んでまいります。
 また、スポーツによる交流人口の拡大や地域の活性化に向けては、津山市スポーツ大会・合宿誘致事業補助金制度のさらなる周知を図りながら、本市で開催が予定されている全国規模のトレイルランレースへの支援や、リズムジャンプ、ニュースポーツなどの全国大会のほかプロスポーツの試合も誘致したいと考えております。
 
(7)歴史と文化に誇りを持ち、観光都市として発信する津山へ
 続いて、「歴史と文化に誇りを持った観光都市としての発信」であります。
 観光振興については、本市の長年の課題である通過型観光から滞在型観光への転換を図ることが重要であると考えています。
旧苅田家付属町家群の整備では、20年の運営権を設定したコンセッション方式を導入し、1月から運営事業者の募集を開始したところです。民間事業者のノウハウを施設の管理運営に生かすことで、城東地区の魅力向上と同地区へのさらなる観光誘客を図ってまいります。
 大きく変化する旅行者の価値観やニーズの多様化に的確に対応し、体験型プログラムの開発等による滞在時間の延長と消費額の増加を図るなど、観光まちづくりを戦略的に実行していくため、3月から「津山版DMO」の取組を開始します。
 春の観光シーズンは、3月の久米梅の里公園での「梅まつり」を皮切りに、鶴山公園をはじめ、勝北の声ヶ乢、阿波の尾所の桜など市内一円での「さくらまつり」、加茂郷マラソンや本市の食肉文化を発信するグルメイベント、まなびの鉄道館での催しなど、ゴールデンウィークまで様々なイベントが開催されます。
 こうした観光イベントに加え、我が国を代表する名刀であり津山藩松平家ゆかりの刀剣を再現するプロジェクトなどを新たに立ち上げ、「春は津山」と言われるよう魅力あるイベントを企画し、期間中、観光客30万人の達成を目指してまいります。
 インバウンド戦略としては、台湾にターゲットを絞り、観光ポスターの作製や旅行展示会などへの出展を通じて、自然や食文化などの津山の魅力を発信してまいります。
 本市とサンタフェ市との交流では、文化・芸術・生活体験など、様々な分野に交流の輪が広がっており、友好交流都市締結20周年を迎える来年度は、各種記念事業の開催をはじめ、7月20日から中高生訪問団15名を派遣する予定です。
 津山城跡の保存整備については、裏下門周辺整備とともに、二の丸東側石垣の修理工事に取りかかります。
 7月豪雨で崩れた厩堀法面の復旧工事は、関係機関と協議しながら早急に実施してまいります。
 来年2月には、文化庁主催となる「全国城跡等石垣整備調査研究会」が本市で開催される予定です。
 こうした全国規模のコンベンションの誘致を通じて、人・物・情報の交流を盛んにし、にぎわいの創出につなげてまいります。
 国の登録有形文化財である郷土博物館については、来年5月に再オープンする予定であり、耐震改修工事とあわせ、常設展示の一部更新や内装のリニューアルを実施します。
 
(8)行財政改革を断行し、効率的な行政運営を行う津山へ
 最後に、「行財政改革の断行と効率的な行政運営」であります。
 行財政改革については、「ターゲット効率性」の観点を取り入れ、外部有識者の意見を伺う新たな手法によって、ファシリティマネジメントや事務事業の改善を加速してまいりたいと考えております。
 
 先般、津山市ファシリティマネジメント委員会から、プールの運営方法の抜本的見直しについて答申をいただいております。プールのあり方については、有効かつ合理的な施設運営に向け、市民の皆様の意見も伺いながら、早急に対策を講じてまいります。
 外部監査制度の導入については、他都市の事例も参考にしながら、引き続き調査研究してまいります。
 これからの津山市政においては、直面する課題への対応はもとより、将来展望を念頭に置いて、対処していく必要があると考えます。
 課題解決に向けた政策資源を効果的に活用するため、みらい戦略ディレクター制度を新たに創設する予算を提案しております。特に、地域創生・経済戦略、行財政改革及び教育の分野において、深い知見を持つ専門家のノウハウや人脈を活用して本市の施策立案を進めてまいります。

 

4 おわりに

 以上、来年度の主要な施策について、その概要を申し上げました。
 今議会をもって、市長就任から1年が経つこととなりますが、昨年の7月豪雨等の災害復旧、国に先んじた第2子保育料の一部無償化、全小・中学校への教師業務アシスト員配置、サマーレビューの実施など、優先的に取り組むべきいくつかの課題について、一定の道筋を付けることができたと思っております。
 任期2年目は、さらなる高みを目指したまちづくりに取り組むことはもとより、人口減少社会に的確に対応しつつ、行財政改革を着実に推進し、硬直化した財政構造からの脱却を図ることを最重要課題としたいと考えております。
 私が考える行財政改革は、単なる経費削減を目的とする減量型のものだけではなく、既成概念にとらわれず、コンセッションなど民間活力を積極的に導入することや、時代の要請に速やかに応えられる新しい手法や組織体制の構築などを通じた活性型の改革であり、冒頭で申し上げたように、職員一丸となって直ちに取り組んでいきたいと考えております。
 私は、社会環境の変化を受け入れ、新しい時代に挑戦する強い信念こそ、本市の発展の原動力であると確信しています。今まで経験したことのない少子高齢化・人口減少社会という危機に対し、変化をいとわず果敢に挑戦してまいります。
 自然に恵まれ、長い歴史と文化を大切に育んできた誇り高き津山を次世代に引き継ぐことは、我々の責務であります。多くの可能性を有した津山の底力を引き出し、「今こそ津山を動かす」の精神で、希望あふれる津山の未来を創造してまいる所存であります。
 議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

この情報に関する問い合わせ先

津山市 秘書広報室(秘書)
  • 直通電話0868-32-2026
  • ファックス0868-32-2152
  • 〒708-8501岡山県津山市山北520
  • Eメールhisho@city.tsuyama.lg.jp