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所信表明 平成30年6月

 
 

 「県北の拠点都市の再興~津山の明日へ~」 

1 はじめに
 平成30年6月定例市議会の開会にあたり、今後の市政運営における私の所信につきまして、その一端を申し述べます。
 私は、去る2月11日の市長選挙におきまして、多くの市民の皆様の御信任を賜り、第28代津山市長に就任いたしました。
 市民の皆様の大きな期待や、求められる重責に、身が引き締まる思いでありますが、負託に応えるべく、市政を担ってまいる覚悟であります。
 さて、我が国は、少子高齢化・人口減少という国難とも言うべき危機に直面しており、経済はもとより、社会の様々な分野に影響が及んでおります。  
 この状況は本市においても同様であり、先行きの不透明感が漂う中で、将来への不安が次第に募っているのではないかと感じております。
 今回の選挙におきましては、こうした本市を取り巻く環境の中で、危機への対応を求める市民の皆様の期待は大きく、私の背中を強く押していただいたものと受け止めております。「今こそ、津山を動かす」との私の率直で強い想いは、まさに、市民の皆様と方向性を同じくすると確信しております。
 「かつてない困難からは、かつてない革新が生まれ、かつてない革新からは、かつてない飛躍が生まれる。」と、現パナソニックの創業者である松下幸之助氏はおっしゃられています。
 私は、人口減少に歯止めをかけ、明るい津山の未来を切り拓くべく、この危機を逆にチャンスと捉え、今こそ先頭に立って、県北の拠点都市津山の再興に向けた大改革へ、果敢に挑戦してまいる所存でありますので、市民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 
2 津山を取り巻く環境
 最初に、本市を取り巻く環境について、申し述べます。
 本市の人口は、平成17年の合併以降の10年間で6%減少し、人口構成では、年少人口と生産年齢人口の割合が減少する一方で老年人口が増加する、少子高齢化が顕著に現れています。
 雇用環境においては、津山管内の有効求人倍率が、長年にわたり県平均を下回る状態が続いており、直近である平成30年3月現在においても、県平均が1.92であるのに対し、津山管内では1.55となっています。
 地価公示価格においても、平成30年の県全体の全用途平均変動率が、マイナス0.3%であるのに対し、本市はマイナス1.5%と県平均を大幅に下回る状況となっており、市内の地価公示地点のほとんどで、25年連続の下落が続いています。
 これらの指標からも、県南部との二極化が進んでいることは明らかであり、早急に、抜本的な対策に着手することが不可欠であると考えております。
 一方、本市の財政状況は、将来負担すべき実質的な負債の割合を示す将来負担比率が、第三セクター等改革推進債113億5千万円の発行もあり、残念ながら県内でワーストとなっています。さらに、財政の硬直度を示す経常収支比率も、全国的な傾向とはいえ依然として高い状況であります。
 道路などのインフラ整備においても、他の地域に比べ立ち遅れ、すでに交通の要衝とは言えない状況となっており、かつて県北の雄都と言われた本市の優位性や拠点性が大きく低下しているのではないかと感じております。
 このような長年にわたる停滞の中で、本市の状況は、単に厳しいだけでなく、取り返しがつかない状態に陥りつつあると危機感を抱いております。
 私は、こうした現状認識の下、今こそダイナミックに津山を動かさなければならないとの強い決意を持ち、市政運営に粉骨砕身取り組んでまいる所存であります。
 
3 市政運営における基本的な考え方
 それでは、市政運営に対する基本的な考え方について、申し述べます。
 私は、多様化する市民ニーズや本市を取り巻く環境変化を的確に捉え、真に必要な施策と優先順位を見極めながら、市政運営を行っていく考えであります。
 先の選挙において、私は、津山市政が成すべきこととして、「財政再建の断行と経済活性化」、「少子高齢化の抜本対策」、そして、「将来を見据えた人材育成」という三つの重点課題を掲げ、訴えてまいりました。
 その上で、これらの課題に対応し、10年先、20年先の津山を展望していく施策として「津山八策」を打ち立てたところであり、この八つのビジョンは、選挙を通じて、市民の皆様の御賛同をいただいたものと受け止めております。
 この度の所信は、津山八策をベースとし、任期4年の中で、何から着手することが最適か、そして、効果の最大化を図る手法は何かを検討し、取りまとめたものであります。
 一方、本市においては、平成28年度からの10年間を計画期間とする「津山市第5次総合計画」が市議会の議決を得て策定されています。
 しかしながら、そのアクションプランとなる前期実施計画は、現状を踏まえた事業の優先順位や条件設定、目標数値などの精査が必要と思われ、さらに、策定から現在までの2年間で、定住自立圏や地方創生関連をはじめとする事業の追加がなされていることからも、計画の着実な遂行のためには、再構築を図るべきと考えております。
 事業の効果を最大限に高めていくため、平成32年度からの中期実施計画の始期を1年前倒しすることにより、私の考えを具現化するビジョンをお示ししたいと考えております。また、ビジョン策定に向けた体制強化を図るため、総合企画部の組織を再編し、「みらいビジョン戦略室」を設置する考えであります。
 
4 取り組むべき重点課題
(1)財政再建の断行と経済活性化
 それでは、具体の内容について、三つの重点課題への対応を中心に、申し述べます。
 一点目は、「財政再建の断行と経済活性化」であります。
 平成28年度における県下市町村の経常収支比率の平均は89.4%でありますが、本市は94.2%と27市町村の中でも下位に位置しています。また、肉付け予算となる今回の補正予算編成においても、あるべき必要な一般財源が確保できないことから、財政調整基金の取崩しに頼らざるを得ない状況となっています。
 このような財政構造の硬直化の進行により、今後の市政運営に支障が生じないよう、また、将来世代に大きな負担を残すことのないよう、効率的な行財政運営に向けて、大胆に改革を断行してまいります。
 改革にあたっては、すべての事務事業について点検を行い、抜本的に見直すとともに、国、県の助成制度への的確な対応などを通じて、財源確保を目指してまいります。
 財政の健全化は、効率的な行政運営がなければ成し得ないと考えております。本定例会に提案している農林部の新設をはじめとした機構改革を端緒に、事務効率の向上を目指し、行政組織の刷新による執行体制の再編を進めてまいります。
 私としては、単なる行財政改革ではなく、抜本的な構造改革を断行していく覚悟を示すため、まずは自らの給与を30%カットするとともに、副市長、教育長からも賛同を得て、それぞれの給与をカットしているところであります。
 経済活性化については、地域の発展だけでなく、将来の税源のかん養という側面も持ち合わせていることから、地域産業の振興を強力に推進していくべきと考えております。地域を支える事業者や新規創業者の取組を支援することにより、持続可能で強固な産業基盤の構築を図っていく方針であり、民需主導の力強い経済成長につなげてまいる所存であります。
 
(2)少子高齢化の抜本対策
 二点目は、「少子高齢化の抜本対策」であります。
 本市の持続ある発展を図るためには、少子化対策として、出生率向上に向けた取組を強力に進めていかなければならないと考えております。
 岡山県の衛生統計年報によりますと、平成27年の本市の合計特殊出生率は1.68であります。まずは、合計特殊出生率の2.0達成を目指すべく、子育て支援を少子高齢化時代における基幹施策と位置付け、妊娠、出産、子育てに至るまでのトータルな支援を行うことにより、安心して健やかに子どもを産み育てられる社会の構築を図ってまいります。
 支援にあたっては、生まれ育った環境によって子どもたちの将来が左右されないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することがないよう、子どもの成長段階に応じたきめ細やかな取組を進める考えであります。
 高齢者施策については、本年3月に策定した「第7期津山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に沿って、高齢者が住み慣れた地域の中で健やかな生活を継続できるよう、介護、予防、医療、生活支援、住まいが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築に向け、取組をさらに進めてまいります。
 また、地域の貴重な財産である高齢者の豊富な知識と経験を、社会や地域に有効に活かすことができるよう、生きがいを持って活躍していただくための仕組づくりにも取り組んでまいります。
 
(3)将来を見据えた人材育成
 三点目は、「将来を見据えた人材育成」であります。
 私は、人材なくして津山の未来はあり得ないと考えております。
 人材は地域全体の財産であり、人材によって地域の将来は大きく変わってくるものと確信しております。
 津山の明るい未来を創造するためにも、この地を誇りに思い、地域で活躍する人材の確保と育成に全力を尽くしてまいります。
 一人ひとりが生涯にわたって学び、成長し続け、最大限に能力を発揮して活躍できる社会を構築するため、幼児教育・保育、学校教育、そして社会人教育を包含した一貫性のある人材育成につながる環境整備を進めるとともに、雇用環境の充実を図り、人材確保への取組についても鋭意進めてまいります。
 
5 津山を動かす八策 ~八つのビジョン~
(1)拠点都市にふさわしい都市機能が整備された津山へ
 続いて、個別の施策について、私が掲げた津山八策に沿って、申し述べます。
 津山八策では、「県北の拠点都市の再興」を基本テーマに、それを実現するための施策をそれぞれお示ししており、その第一策目が、「拠点都市にふさわしい都市機能の整備」であります。
 現下の市民生活や経済活動は、市域の枠を越えてなされています。
 本市の拠点性の向上と、強い県北都市圏の形成を図る上では、生活圏を同じくし、あらゆる面で密接に関連する近隣自治体との連携強化が非常に重要であります。そのため、1市5町の定住自立圏の枠組を核に、県北各自治体との連携を強化し、観光、農林業、医療をはじめとする広範な分野での共同実施など、具体的な取組を進めてまいります。
 また、利便性の高い都市機能を拡充していくためには、社会資本の整備が重要であります。
 南北軸の要となり、県南都市圏との連携強化にもつながる「空港津山道路」については、移動時間の短縮による生産性の向上など、本路線が生み出すストック効果などを国、県に示すとともに、沿線自治体や経済団体との連携を密にしながら、早期完成に向けた積極的な働きかけを行ってまいります。特に、整備が遅れている津山南道路の用地取得には、国、県との連携を強化し、最大限の努力を行っていく考えであり、用地交渉に係る協力体制の強化を視野に入れ、事業の加速化を促してまいりたいと存じます。
 市内交通機能の骨格となる都市計画道路については、地域内における円滑で安全な交通の確保を図るため、積極的に整備を進めていく考えであり、「総社・川崎線」については、早期の全線開通を目指し、事業を推進してまいります。
 また、「河辺・高野山西線」については、津山中央病院以南の完成が間近でありますが、病院以北は、現在まで、事業化に向けた働きかけが十分でなかったと感じており、県や関係機関に対し、早期事業化を強力に要請してまいります。
 中心市街地の活性化については、来春の開業を目指し、建設が進む「新津山国際ホテル」が、宿泊機能の側面だけでなく、ビジネスイベントやシンポジウムの開催など、コンベンション機能を有する新たな地域交流の場になることを期待しております。
 新ホテルの整備を契機とした城下地区のまちづくりについては、津山市中心市街地活性化協議会の提案も参考にしながら、引き続き検討を重ねてまいります。
 歴史的文化遺産を活かしたまちづくりについては、城西地区が、城東地区に次ぐ重要伝統的建造物群保存地区として選定を受けるべく、取組に着手いたします。
 城東地区については、各部局にわたる施策を再整理し、「まちの駅」開設などの今後の取組の方向性も明確にした上で、整備のあり方を判断してまいりたいと考えております。
 城東と城西、そして、城下のまちづくりは、これまで、個々別々の取組になっていたと感じております。私としては、歴史的建造物や文化施設を活用するとともに、城下町ならではの風情などの特色を活かし、街中サインの統一なども考慮に入れながら、「博物館都市」として、その魅力の向上を図ってまいる考えであります。
 本市の拠点性を高めるためには、JR津山駅及び駅周辺の整備に継続して取り組む必要があります。JR西日本や関係機関との連携強化を図り、津山駅舎の改修やユニバーサル化を促すとともに、JR津山線・因美線・姫新線の利便性・快適性の向上や駅周辺地域の一体的なまちづくりについても検討してまいります。
 地域公共交通の充実については、この4月にスタートした津山圏域第二種免許取得支援補助金や関連予算を提案している「ごんごバス」の車両更新などを通じて、公共交通の維持・確保を図っていく方針であります。また、地域が運営・利用する小型乗合デマンド交通の導入について研究していく考えであります。
 
(2)安心して子どもを産み育てられる多世代共生の津山へ
 第二策目は、「安心して子どもを産み育てられる多世代共生」であります。
 少子化対策については、国、県の動向を注視しつつ、総合的かつ効果的に取組を進めてまいります。
 まずは、保育料の段階的な無償化を最優先とし、国の動きに先んじて、取組を加速化してまいります。現在、第三子以降の保育料については、完全無償化しているところでありますが、第二子についても、所得制限を設けた上で、3歳児から5歳児までの保育料を、本年9月分から無償とするための予算を提案しております。
 放課後児童クラブについては、施設・人材の確保策について早急に検討を進めるとともに、必要に応じてクラスの増設を行ってまいります。また、市内の全学区を対象とした新たなクラブの設置について、来年度の開設に向け、準備を進めてまいります。
 さらに、放課後児童支援員のキャリアアップと処遇改善を目的とした事業を創設するための予算も提案しております。
 結婚支援については、県に設置を働きかけた「おかやま出会い・結婚サポートセンター県北支所」が、アルネ・津山に開設されるのに合わせ、近隣自治体とも緊密に連携し、サポートを強化していく方針であります。
 高齢者施策については、「元気な高齢者8割以上」を目指し、現在202箇所の地域において取り組まれている「めざせ元気!!こけないからだ講座」など、地域ぐるみの介護予防活動の普及、拡大に努めてまいります。
 高齢者の活躍の場の創出については、昨年11月にスタートした生涯現役促進地域連携事業などの取組を軌道に乗せ、高齢者雇用の拡大を図ることで、労働力不足や雇用のミスマッチなどの解決にもつなげていく方針であります。
 障害者施策については、本年3月に、障害者に関する三つの計画を一体的に取りまとめた「津山市障害者計画」を策定し、障害の有無に関わらず、誰もが住み慣れた地域で、健やかに安心して暮らせる支え合いのまちづくりを進めております。地域での生活を支援するため、雇用促進や就労支援への取組を進めるとともに、緊急時の相談や短期の受入れ、一人暮らしの体験機会の提供、専門的人材の養成などを行う地域生活支援拠点の整備について、定住自立圏の枠組を基本に取り組んでまいります。
 地域医療の充実に関しては、高度医療を核とした医療体制の充実を支援するとともに、医師や看護師の高齢化などによる医療機関減少への対策、病床数の確保による長期療養体制の強化などについて、関係機関と連携し、良質で、きめ細かい医療サービス提供のため、力を尽くす所存であります。
 防災・防犯については、行政などの関係機関だけでなく、地域も一体となった取組が求められています。そのため、市民一人ひとりの意識の啓発と、地域活動の支援に努めてまいります。
 地域防災力の向上については、住民の迅速な避難行動を促すための災害情報の収集・伝達体制の強化、そして、定住自立圏の枠組で進める防災ハンドブックの作成や非常時備蓄物資の確保などを進めてまいります。
 防犯については、自主防犯組織の活動や町内会への防犯灯、防犯カメラの設置について、引き続き支援を行ってまいります。また、緊急時に対応できるよう、貸出用防犯カメラの増設を行うための予算を提案しております。
 多世代共生のまちづくりには、良好で活発な地域コミュニティの形成が重要であります。
 人口減少は、地域の担い手不足を招くことから、地域のコミュニティ機能の維持・向上を図る必要があります。地域によって抱える課題は異なっており、行政が市全域で一律に対応していくことは難しくなっていることから、地域の主体的な取組が求められております。
 私は、地域コミュニティの復活と再生がますます重要になると認識しており、従来の町内会単位の取組への支援を強化するとともに、住民自治協議会の設立や活動を一層推進し、地域で検討し課題解決していけるよう、地域力の強化を図ってまいります。
 
(3)雇用が安定し定住できる津山へ
 第三策目は、「雇用の安定と定住」であります。
 進学や就職による若者世代の転出は、人口減少の大きな要因の一つとなっています。若者の減少は、労働力確保に直接影響し、地域経済の衰退や税収の減少などに大きな影響を及ぼすものであります。
 私は、雇用なくして定住なしと考えており、地域産業の振興を図るとともに、人材と雇用のマッチングにも注力し、若者が住みたいと思えるまちの実現を目指してまいります。
 若者の地域企業への就職を促進するためには、学生に企業の魅力をよく知ってもらうことが大切だと考えており、経済界とも連携し、教育機関と企業との交流の活性化に努めるとともに、「津山市就職コーディネーター」を活用した情報発信やインターンシップの充実にも取り組んでまいります。
 雇用創出に向けた効果的な方策の一つである企業誘致については、私自身が先頭に立ち、これまで育んできた人脈をフルに活用するとともに、職員が持つネットワークも活用し、市役所一丸となった誘致活動を積極果敢に展開してまいりたいと考えております。
 また、ワーク・ライフ・バランスの推進も大切であり、就業環境の改善により、地域企業の魅力アップによる就職の促進や従業員の定着率向上を図るとともに、仕事と子育ての両立などによる就業意欲の向上を図ってまいります。
 移住・定住の支援については、平成29年度の津山圏域外からの移住者数が、過去最大の392名と年々増加しており、直近3年間での累計移住者数も883名と着実に成果を上げています。IJUターンやCターンによる移住・定住をさらに加速化させるため、本年4月に開設した「津山ぐらし移住サポートセンター」を中心に、トータルサポート体制の強化を図ってまいります。移住相談会やお試し住宅による津山ぐらし体験などの取組を進めるとともに、地域企業と連携し、各企業の魅力について積極的な情報発信を行い、移住者増加に向け、取組を進めてまいります。
 
(4)地域産業が発展する津山へ
 第四策目は、「地域産業の発展」であります。
 地域の活力を取り戻すためには、産業の振興を図り、地域経済を活性化しなければなりません。
 農林業に関しては、農林部の設置を契機に、強くて儲かる産業にするための取組を進めてまいります。
 農業を生業として成り立たせるためには、儲かるビジネスモデルの構築が不可欠であり、農地集積や大規模化を進めることで、経営拡大や収益力向上を図るとともに、意欲ある担い手の確保にも努めてまいります。また、地域支援型農業(CSA)の導入による経営リスクの軽減などについての研究も進めてまいります。
 農産物の地産地消による地域農業の活性化についても、積極的に進めていかなければなりません。「津山市地産地消推進計画」においては、市内3箇所の直売所における農産物の売上高や、学校給食における津山産食材の使用率向上について達成目標を掲げており、早期に目標を上回るべく、取組を進めてまいります。
 農産物の地産外商による域外マネーの獲得と域内利益の増加を図るため、ブランド化を推進していくとともに、近隣自治体と連携した地域商社の設立に向けた検討を進め、関西圏などへの農産物直売所の設置についても研究してまいります。
 林業については、地域材の需要拡大を図るため、地域材を利用した新築住宅に対する補助制度の拡充を、来年度から開始すべく準備を進めてまいります。1戸当たり最大50万円の補助となっている現行制度に上乗せすることにより、県が建築業者に対して補助する20万円と合わせ、1戸当たり最高100万円の補助となるような制度設計にしたいと考えております。特に、住宅の新築は、地域経済への波及効果も高く、本市としては、申請のあったすべての方に対して補助を行う方針であります。
 さらに、木質バイオマス発電などによる電気・熱を利用した野菜工場の誘致や小水力発電の活用など、再生可能エネルギーの利用可能性についても研究を進めてまいりたいと考えております。
 製造業の分野では、国内有数の金属産業の集積地である「津山ステンレス・メタルクラスター」を拡充し、さらなる受注の拡大と技術の高度化につなげてまいりたいと考えております。専門家派遣による企業の生産性向上やIT化支援などによる成果も上がっており、こうした成功事例を他の産業分野にも応用し、地域産業全体の成長につなげていけるよう、つやま産業支援センターを核として、きめ細やかな支援を行ってまいります。
 また、企業による効果的な投資を促し、地域経済の発展を図るため、国の方針に沿った二つの制度を創設いたします。
 一つ目は、生産性向上特別措置法に基づき、認定を受けた中小企業が、生産性の向上に資する設備を導入した場合に、当該対象設備に係る固定資産税の課税標準を3年間ゼロとする制度であります。
 二つ目は、地域未来投資促進法に基づき、企業による投資事業の先進性が認められるなど、一定の要件を満たす固定資産への投資に対し、固定資産税の課税を3年間免除するものであります。
 これらの制度については、本年度からスタートしたいと考えており、関連議案を提案しております。
 
(5)将来を見据えた人材育成を進める津山へ
 第五策目は、「将来を見据えた人材育成」についてであります。
 本市と包括連携協定を締結している美作大学や津山工業高等専門学校などの協力を得ながら、アルネ・津山に設置している「津山まちなかカレッジ」を中心に、リカレント教育を推進してまいります。
 具体的には、社会人のスキルアップ、女性やシニアの就業支援のほか、学生や子ども向けのプログラムなど、幅広い講座やセミナーを開催してまいります。生涯にわたって学ぶことができるよう、内容の充実と体制の拡充を図り、地域で活躍する優れた人材を輩出すべく、取組を進めてまいります。
 また、本年3月に岡山大学との包括連携協定を締結した津山商工会議所と連携し、産学官による人材育成の取組も開始する方針であります。セミナー、シンポジウムの開催をはじめ、すでに同大学の教育学部や医学部で始まっている、地域枠の拡大なども視野に入れ、取組を進めてまいりたいと考えております。
 
(6)多様な教育機会が得られる津山へ
 第六策目は、「多様な教育機会の充実」であります。
 本市において、教育再生は喫緊の課題であると認識しており、すべての子どもたちに対し、自らの進路を切り拓く力や地域に貢献する力を育むべく、学びの環境を整えてまいります。
 文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査によると、本市は、小中学校ともに全国平均、県平均に及ばない状況が続いており、生きる力の基盤となる基礎学力の定着と思考力・活用力の向上を図るための授業環境などの改善が、大きな課題と認識しております。
 こうしたことから、教育環境の早期整備が極めて重要であると判断し、平成29年度から年次計画により進めている学校ICT環境の整備を前倒し、本年度中に、大規模改修中の4校を除く市内の全小中学校に実施すべく、予算を提案しております。
 また、いじめや不登校なども深刻な問題と捉えております。特に、近年は、問題行動の低年齢化や複雑化が課題となっており、早期からの丁寧な対応が求められています。そのため、学校と、鶴山塾や青少年育成センターをはじめとする関係機関などが一体となり、PTAとも連携を密にすることにより、組織的な支援体制のさらなる充実を図ってまいります。
 一方、教職員の長時間勤務が全国的な問題となっています。本市も例外ではなく、教職員が担うべき業務の明確化と負担の軽減が急務と考えております。
 教育の質と確かな学力の向上のため、正規の教職員の拡充について、国、県に対して強く働きかけるとともに、現在、県が一部の小中学校に配置している教師業務アシスタントについて、本年度から全校配置となるよう、未配置校に市単独で措置するための予算を提案しております。
 また、昨年度、5中学校に配置していた部活動指導員についても、本年度から全中学校に配置する方針であります。
 家庭の経済状況や環境が、学力や問題行動に与える影響も看過できません。学習習慣の定着や子どもたちを取り巻く環境の改善を図るためにも、家庭学習の充実はもとより、公民館を活用した学習支援、体験活動、地域での見守りなど、地域全体で子どもたちの成長を支える仕組づくりに取り組んでまいります。
 スポーツの振興については、本年3月に「津山市スポーツ推進基本計画」を策定し、取組を進めているところであります。計画では、生涯スポーツの推進や競技力の向上だけでなく、スポーツを通じた地域の活性化も施策の柱に掲げております。本市で行われるスポーツ大会や合宿に対する補助については、本年度から、補助額や対象となるスポーツ施設を拡大し、スポーツによる交流人口の増加を図ってまいります。
 また、スポーツは、健康の維持・増進や青少年の健全育成、高齢者の生きがいづくりなどの側面も持っており、生涯にわたり親しむことができるものであります。人と人、地域と地域との交流を促し、地域の一体感や活力を生み出すためにも、スポーツ環境の充実に努めてまいります。その中で、施設整備については、武道館やグラウンドゴルフ場、公認プールなどの研究を行ってまいります。
 
(7)歴史と文化に誇りを持ち、観光都市として発信する津山へ
 第七策目は、「歴史と文化に誇りを持った観光都市としての発信」であります。
 本市には、津山城跡や城東・城西の歴史的まちなみ、「津山まつり」など、先人から継承してきた、かけがえのない有形無形の文化財が数多く残されています。脈々と受け継がれてきた歴史と文化を誇りとし、市民の大切な財産として適切に保存していくとともに、観光資源として有効活用することにより、観光都市津山の実現を目指してまいります。
 私は、「観光客300万人の実現」を目標に掲げており、外国人観光客を含めた誘客のための施策を積極的に展開することにより、交流人口増加による消費拡大を図り、地域経済への波及効果を高めてまいります。
 誘客にあたっては、国内外に向けたシティプロモーションを強力に進めてまいります。ホームページやSNSなどの情報発信ツールを最大限に活用し、マスメディアへの働きかけも精力的に行いながら、効果的かつ能動的に情報を発信してまいります。
 近年増加している外国人観光客に対しては、「岡山―台北便」が一日一往復に増便されたこともあり、まずは、台湾からの誘客を促進していくとともに、観光施設における多言語音声ガイドシステム「つやま声ナビ」の導入拡大などにより、受入れ環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
 観光基盤の整備や受入れ体制の充実はもちろん、観光イベントの拡充を図ることも重要であります。本市の代表的イベントである「津山さくらまつり」を基軸とし、他のイベントとの複合化も視野に入れながら、内容の充実や期間の延長を行うことにより、「春は津山」と言われるような一大観光イベントとして、集客30万人の達成を目指してまいりたいと考えております。
 さらに、観光客の増加を図る上では、近隣地域も含めた、広域的な観光施策を展開していくことが不可欠であります。本年は、津山線開業120周年に当たることから、関係団体と連携し、様々なイベントを展開しておりますが、10年の実績を持つ「みまさかスローライフ列車」に次ぐ新たな広域観光列車の運行に向け、研究を進めたいと考えております。
 また、観光による消費拡大のためには、観光客数の増加を図る一方で、滞在時間を延ばすことも重要と考えており、地域ならではの体験プログラムの開発にも取り組んでまいります。
 観光を産業化していくためには、観光動向やニーズなどのデータ分析、ターゲットの明確化、マーケティング調査などを効果的に行っていく必要があります。そのため、津山市観光協会を母体とした「津山版DMO」の登録に向けた取組に着手し、観光地経営の視点に立った観光産業の構築につなげてまいりたいと考えております。
 
(8)行財政改革を断行し、効率的な行政運営を行う津山へ
 第八策目は、「行財政改革の断行と効率的な行政運営」であります。
 今後の行財政改革においては、生産性や効率性をはじめとした企業経営の視点を取り入れることが必要であります。
 既設の行財政改革推進委員会や外部専門家の協力を仰ぎながら、真に必要としているところに必要なサービスが分配されているかを示す「ターゲット効率性」の観点を重視し、「CAPDサイクル」の手法も取り入れることにより、早期に事務事業についての点検評価を行ってまいります。
 本年度からサマーレビューを実施する方針であり、既に導入している「事務事業評価システム」を活用して事業内容や効果を分析することにより、有効性の検証や点検評価を行い、その結果を次年度の予算編成に反映させてまいります。
 公共施設については、高度成長期に建設されたものも多く、建替えや更新が大きな課題となっています。厳しい財政状況の中、多くの施設を現状のまま維持するのは困難であり、再編・整理が避けられない状況であります。設置の効果を検証した上で、必要なサービスが低下することのないよう、長寿命化への対応も含め、最適な方法を慎重に見極めてまいります。
 また、効率的に行政サービスを提供していくためには、民間の知恵やノウハウ、資金の活用が必要であると考えております。公共施設の建設、管理・運営に民間の経営的視点を取り入れることにより、サービスの質の向上やコスト削減を図るため、PPP(公民連携)に積極的に取り組み、PFI、コンセッションなどの手法やファンドの活用などについても研究を進めてまいります。
 行政運営の原動力となるのは、職員であります。職員の能力が最大限に発揮されるよう、能力開発や意識改革に取り組む考えであり、その一つの方策として、国、県への職員派遣の拡大や民間企業での研修について検討したいと考えております。
 一方、能率的な組織の形成も進めていかなければなりません。本定例会に提案している機構改革は、その第一段階となるものであり、今後も、新たな組織体制の編成を検討し、生産性の高い行政組織と、課題に的確に対応し、迅速かつ確実に執行する体制の構築に努めたいと考えております。
 
6 おわりに
 以上、今後の市政についての私の考えを申し述べました。
 地域の再生には、経済の活性化が不可欠であります。地域経済の的確な分析に基づく施策を推進し、人口減少克服に向け、積極果敢に挑戦していく所存であります。
 私は、自然に恵まれ、歴史と文化を大切に育んできた誇り高き「ふるさと津山」をこよなく愛し、常にその発展を想い描きながら30年にわたって政治を学んでまいりました。
 現在の我がまちは、活力が失われ、閉塞感が漂っている状況にあり、この難局を早急に打破しなければ、地域づくりの将来展望は開けません。
 私は、明るい未来を切り拓いていくため、厳しい現状に真摯に向き合い、市民の皆様と歩みを共にしながら、持てる力の全てを今後の市政運営に注いでいく覚悟であります。市民の皆様はもとより、将来を担う子どもたちが、この地に生まれ、育ち、暮らしていることに誇りと喜びを感じられるよう、私が先頭に立ち、津山を大きく動かしてまいります。
 国会議員秘書から始まり、津山市議会議員、そして岡山県議会議員に至る歩みの中で培ってきた国、県などとの信頼のネットワークを駆使し、力強いフットワークと確かな視点をもって、津山八策を大胆かつ着実に実行してまいります。
 県北の拠点都市津山の再興に向け、強い信念と情熱を持ち、全身全霊をかけて、まい進していく決意でございますので、市民並びに議員の皆様には、なお一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

  津山市長 谷口 圭三
 

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