津山市城東 重要伝統的建造物群保存地区
近世の江戸情緒漂う商家町 城東
城東重要伝統的建造物群保存地区の概要

(1)名称:津山市城東伝統的建造物群保存地区
(2)所在地:岡山県津山市橋本町、林田町、勝間田町、中之町、西新町及び東新町の各一部
(3)面積:約8.1ヘクタール
(4)選定年月日:平成25年8月7日
(5)選定基準:(一)伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの
(6)種別:商家町
(7)伝統的建造物 231件 ※令和3年8月31日現在
城東重要伝統的建造物群保存地区の沿革
津山城下町の城東地区
城東伝統的建造物群保存地区は、城下町の東部に位置し、橋本町、林田町、勝間田町、中之町、西新町、東新町の出雲往来沿いを範囲としています。商家町として発展した町並みで、江戸時代に形成された町割りをよく残しています。江戸時代の町家を主体として、「切妻造平入り(きりづまづくりひらいり)」とし、出格子、ムシコ窓、なまこ壁、袖壁など意匠的に優れた伝統的建造物が建ち並んでおり、城下町に形成された歴史的な風情を良く伝えています。
出雲往来に沿って町家が建ち並び、往来は東端・中程・西端の三カ所に鍵折れを設けています。町家の敷地は往来に面しており、間口は一定しませんが、奥行は十七間が原則であったと考えられています。
敷地の分割や統合が頻繁に行われていた様子が江戸時代の資料からうかがうことができ、城東地区は江戸時代において経済活動が盛んであったといえます。
東新町にある「城東むかし町家」は江戸時代の豪商の屋敷で、江戸末期の主屋や明治時代の離れ等、往時をしのばせる建築物が残されています。
城東地区の町並み
城東地区の町家景観で特筆されるのは、町家の表側の壁が出雲往来両側の側溝ぎりぎりに建てられるのが通例とされるため、おのずと一階庇(ひさし)の位置が隣同士でよく揃っています。「庇が長く連続する景観」は、他の地域には見られない城東地区の特徴といえます。伝統的建造物の特徴
城東地区には、江戸末期からの伝統的建造物が、231件あり、その建築様式には次のような特徴があります。屋根 | ||
切妻造平入りを基本とします。 大屋根は「桟瓦葺き(さんかわらぶき)」、庇は「本瓦葺き(ほんかわらぶき)」または桟瓦葺きです。 瓦は「いぶし瓦」とし、軒は「鎌瓦」、けらばは「千枚瓦」と「本瓦」が多く見られます。 |
![]() 切妻造平入り |
![]() 本瓦葺き(庇) |
高さ | ||
上階が物置のつし2階、居室または物置とする中2階、居室とする本2階があります。 | ![]() つし2階 |
![]() 中2階 |
1階意匠 | ||
出格子、平格子、板戸、格子戸、あらし窓、下見板張 などの意匠がよく見られます。 |
![]() 出格子 |
![]() 格子戸 |
2階意匠 | ||
出格子、ムシコ窓、おたふく窓、なまこ壁、袖壁 などの意匠がよくみられます。 |
![]() 袖壁となまこ壁と出格子 |
![]() ムシコ窓 |
歴史的町並み保存のためのまちづくり
重伝建地区の町並み保存のルール
伝建地区では、伝統的な建築物や町並みを一体的に保存し、整備していくために、規制、建築基準法の緩和、屋外広告物規制などのルールがあります。⇒詳しくはこちら
伝統的建造物群保存地区のまちづくり>歴史的町並みを守るためのルール(津山市HP)
伝統的建造物等整備への支援
伝建地区にある建造物等に対して、市では一定の基準を満たす場合、予算の範囲内で、建造物の修理・修景等の事業に対して補助を行っています。また固定資産税・都市計画税等が減免される場合があります。
⇒詳しくはこちら
伝統的建造物群保存地区のまちづくり>歴史的町並みを再生するための修理・修景補助(津山市HP)
<補助制度を利用した事例>
修理事例 | |
旧 | 新 |
![]() |
![]() |
・平成26年度(城東:修理4件、修景1件)[977KB PDFファイル]
・平成27年度(城東:修理6件、修景1件)[3,335KB PDFファイル]
・平成28年度(城東:修理6件、修景1件)[2,886KB PDFファイル]
・平成29年度(城東:修理6件、修景1件)[1,089KB PDFファイル]
・平成30年度(城東:修理4件)[941KB PDFファイル]
・令和元年度(城東:修理5件、修景1件)[1,066KB PDFファイル]
・令和2年度(城東:修理2件、修景2件)[419KB PDFファイル]
防災計画
城東伝建地区の防災計画を策定しました。(平成31年3月)・津山市城東伝統的建造物群保存地区防災計画[18,716KB PDFファイル]
伝統的建造物を活用した施設~城下小宿 糀や~
市では国指定重要文化財「旧苅田家住宅」(林田町)に隣接する伝統的建造物の町家改修を行い、一棟貸しの宿泊施設として活用しています。⇒詳しくは
伝統的建造物を活用した施設~城下小宿 糀や~(津山市HP)
城東地区の見どころ

旧苅田(かんだ)家住宅
保存地区西部に位置する大規模な町家で、酒造業を営んでいた。現存する建物のうち、主屋の建築年代は寛政2年(1790)頃と考えられている。内部見学不可。
箕作阮甫(みつくり・げんぽ)旧宅
津山の洋学者(蘭学者)箕作阮甫の生家で、小規模町家の典型例として貴重であり、国史跡として公開している。

城東むかし町(旧梶村邸)
広大な敷地を持つ近世から近代における城東地区有数の商家であり、時代とともに増改築された町家。
津山洋学資料館
江戸後期から明治初期にかけ、津山藩は優れた洋学者(蘭学者)を輩出した。この資料館では、宇田川榕菴(うだがわ・ようあん)や箕作阮甫などが研究した洋学に関する資料を展示している。

作州城東屋敷
城東地区の伝統的な町家を再現した建物。ハネアゲ大戸、なまこ壁、出格子などの外観に加え、内部においても土間(トオリニワ、マエニワ)や部屋(ミセノマ)で構成されている。観光客向けの無料休憩所となっている。
・作州城東屋敷
・作州城東屋敷リニューアル~鉄道模型の小さな旅へ出発!~(令和5年4月末オープン予定)
城東地区周辺マップ
オープンストリートマップ(OpenStreetMap)にuMAPで作成した伝建地区のレイヤを重ねたシステムです。
まち歩きにご活用ください。
その他
・伝統的建造物群保存地区の決定について(H25.2.18)・城東地区が重要伝統的建造物群保存地区に選定されました(H25.8.7)
・津山市城東町並み保存の手引き(手続きガイドブック)[7,330KB PDFファイル]
・津山市城西重要伝統的建造物群保存地区についてはこちら
重伝建トップページはこちら

この情報に関する問い合わせ先
- 津山市 歴史まちづくり推進室
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- 直通電話0868-32-7000
- ファックス0868-32-2154
- 〒708-8501岡山県津山市山北520 東庁舎2階
- Eメールmachizukuri@city.tsuyama.lg.jp