つやま和牛 ~生まれも育ちも津山地域のブランド牛~
津山市では古くから和牛の繁殖農家が多く、全国のブランド和牛の元となる子牛を出荷してきました。
そんな技量ある畜産農家の間で徐々に「自分たちの手でブランド牛を育てたい」という思いが芽生え、
2014年に「つやま和牛」の肥育が始まり、2016年4月に初出荷を迎えました。
つやま和牛の4つの特徴
- 生まれも育ちも津山地域
新鮮で澄んだ空気、盆地特有の寒暖差、清涼な水といった津山独自の気候・風土の中で育ちます
※「津山地域」とは、晴れの国岡山農業協同組合津山・勝英・真庭統括本部管内の地域を指します。
- バランスのよいコストと肉質
出荷されるのは月齢28カ月以上または肥育期間おおむ18カ月以上の牛。
肉がおいしくなる時期と肥育コストのベストバランスのタイミングで出荷されます
- 肉質等級3等級以上
新たな津山のグルメ食材としてふさわしい肉質の肉を厳選し、提供されます
- 地元産の安心・安全な飼料
飼料にこだわり、津山産の小麦ふすま(小麦を粉にする際に出る表皮部分)を仕上げ期に与えます。
食物繊維や鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの栄養をたっぷり含んだ餌を与えています。
つやま和牛は環境に優しい!?
つやま和牛には、時期を見極めたうえで、津山産小麦の「ふすま」を餌として与えています。ふすまは、小麦を粉にするときに出る表皮のことで、小麦粉としては不要になる部分を餌として活用しています。
また、餌に津山の農産物を利用し、地域内で肉を消費できるなど、さまざまなものの輸送距離が短くなることで、車などが排出する二酸化炭素の量を抑えることができます。
牛の原産地の秘密
津山は優れた子牛を育てる技術を持つ繁殖農家が多い地域です。子牛は8カ月程度で出荷され、全国の肥育農家に買い付けられた後、そこでおおむね20カ月育てられます。
牛の原産地は、最も長く肥育された場所を表示する決まりがあるため、どんなに優れた子牛を育てても、津山で成長させないと「津山」を名乗ることはできません。
地域の畜産農家の皆さんが「津山の名前が付いた牛を育てたい」と立ち上がり、平成26年に「つやま和牛」の肥育が始まりました。
28カ月かけてじっくり育てる
つやま和牛の肥育農家は、2023年8月現在10軒です。
子牛を育てる繁殖農家で、つやま和牛の肥育に取り組む、井原みかさん(下田邑)に話を聞きました。
現在、わたしの家では6頭目のつやま和牛を育てています。
子牛は約8カ月で出荷するのに対し、つやま和牛は成長に合わせて餌の内容や量を調整し、約28カ月かけてじっくり大きくしていきます。
順調に育っていても、突然餌を食べなくなり成長が止まることがあるなど、気を抜けません。
細心の注意を払いながら育てています。
ロゴマークは高校生がデザイン
桜と津山城の備中櫓をあしらった「つやま和牛」のロゴマークは、平成27年に津山工業高校デザイン科の生徒がデザインしたものです。
ロゴマークは、つやま和牛を取り扱う店の目印「のぼり」にも付いています。
買ったり食べたりできるお店
買ったり、食べたりできる店は、曲辰ホームページで紹介しています。提供できない場合もあるため、必ず事前に各店舗にお問い合わせください。
津山と牛の歴史は?つやま和牛ってどんな牛?つやま子ども観光ガイド育成塾
地域の歴史や文化を見て・聞いて・調べて、観光ガイドに挑戦する「つやま子ども観光ガイド育成塾」の令和5年度のテーマは「津山の牛肉食文化のひみつ」。
つやま和牛も登場します。
2023年8月20日「津山の牛肉のひみつを探ろう」in津山郷土博物館
津山郷土博物館の小郷利幸館長が、昔、牛は荷物を運んだり田んぼを耕したりする大切な労働力だったことを説明。
中山神社(東一宮)で牛の市が行われていたことが書かれた書物や、津山藩の洋学者 箕作阮甫が、江戸時代の終わりごろ、牛肉を食べたという記録が残っていることなどを紹介しました。
次に、子牛を育てて出荷する繁殖の優れた技術を持った畜産農家が多い津山で、津山の名前が付いた牛を育てようと誕生した「つやま和牛」について、市の農業振興課職員が説明。
つやま和牛の肥育に取り組んでいる井原みかさん・亨さん(下田邑)が、畜産農家の仕事や喜びと苦労、やりがいなどについて話をしました。
子どもたちは、つやま和牛の餌になる津山産小麦のふすま(表皮の部分)などの香りを実際に確かめました。
2023年10月1日「津山の牛肉の食文化を探ろう」in津山東公民館
子どもたちは、「そずり鍋」を調理し、つやま和牛の焼肉と一緒に食べました。
つやま和牛を食べた子どもたちは「やわらかくておいしい」などと感想を話していました。
つやま和牛を食べた子どもたちは「やわらかくておいしい」などと感想を話していました。
2023年11月12日「観光ガイドに挑戦しよう」in津山観光センター
子どもたちが、保護者や観光客に向け、つやま和牛の秘密などを紹介しました。
子どもたちが紹介したつやま和牛の秘密
子どもたちが紹介したつやま和牛の秘密
- 津山の昔のことを書いた作陽誌には「牛の市」があったと書いてあります。
- 農家の人が愛情をこめて育てているつやま和牛は、人懐っこいそうです。
- つやま和牛には、津山産小麦の「たたみ」を与えています。マルかバツか?(答えはバツ。津山産小麦の「ふすま」です)
- つやま和牛は、脂がのって、やわらかい食感が特徴です。
- つやま和牛を食べることができるお店が、今現在で約20店舗あります。
2024年1月 つやま和牛が海外へ初進出
市内の精肉店や飲食店を中心に流通しているつやま和牛。
輸出実証事業第1弾として、香港への輸出が決定し、2024年1月17日、出発式を焼肉藤良本店(高野本郷)で行いました。
牛を肥育した、農事組合法人 藤の木和牛肥育組合の森岡さんは「海外輸出は長年の夢だったので、感慨無量。つやま和牛の甘みと風味を、ぜひ海外の人に知ってもらい、津山に食べに来てほしい。つやま和牛の輸出が、畜産農家の今の厳しい状況を打破する起爆剤になればうれしい」と期待に胸を膨らませていました。
輸出実証事業では、つやま和牛のブランド力の向上、インバウンドの掘り起こしを目指します。
この情報に関する問い合わせ先
- 津山市 農業振興課
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- 直通電話0868-32-2079(農業振興係) 0868-32-2159(農地係)
- ファックス0868-32-2093
- 〒708-8501岡山県津山市山北520
- Eメールnougyou@city.tsuyama.lg.jp