史跡津山城跡保存整備計画(第Ⅰ期)の概要
目的
津山城跡は昭和38年に国史跡に指定され保存が図られてきた。しかしながら市街地の中心部に位置するために、城周辺部の市街地化によりその城郭としての縄張構成が不明確になってきているのが現状である。
都市基盤の整備は市民生活にとって不可欠ではあるが、その中において、津山城を歴史的文化遺産として位置付ける必要がある。その上で文献調査・発掘調査などの研究の成果を踏まえて城跡の整備を行い、市民生活と津山城との新たな共生関係を構築していくことが現在不可欠となっている。
このことを達成するために、以下の方針により津山城跡を整備していくものである。
期間
平成10年度から平成29年度までの20年計画とする。
整備方針
津山城跡は石垣については良好にその構造をとどめているが、一方において廃城以降の改変、特に樹木・各種占有物によって往時の景観を失い、特徴的な城郭の構造を理解することが困難な状況になっている。そのため、以下の点について具体的に整備を行い、往時の景観に戻していく。
A.虎口通路整備
冠木門から本丸に到る通路及び本丸から裏下門に到る通路について、往時の通路の景観を復元するために、樹木の整理、石段の修復、土砂の除去、既設物の撤去等をおこなう。
B.石垣修理
石垣については現在の時点で崩落の危険がある箇所が本丸五番門など計7箇所認められる。これらの箇所については、基本的に解体・積み直しを行うこととする。
C.既存樹木整備
津山城内の既存樹木は桜の名所あるいは都市公園の緑地として長年親しまれていることから、可能な限り保全していくこととし、南は桜・北は紅葉を主体とした現状を残していくが、1.城の景観を損ねているもの、2.石垣を破損したり破損する危険のあるもの、3.整備に支障を来すものの3点について樹木の整理を行う。
D.既設占有物の撤去
廃城後に設置された既存占有物については基本的に撤去する。
E.建造物の復元
建造物の復元については、本丸においては備中櫓を対象とする。
F.展示説明計画
津山城を一般の人々にわかりやすく理解してもらうために、展示施設の充実をはかる。そのため案内施設・表示の充実、ガイダンス施設の設置、本丸御殿の遺構表示などをおこなう。
この情報に関する問い合わせ先
- 津山市 文化課(弥生の里文化財センター)
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