第30回津山川柳大会

恒例の津山川柳大会が、2008年6月1日(日)、津山総合福祉会館で開催されました。森中惠美子氏をはじめ、8人の先生方に選にあたっていただきました。

 

会場には、関西から九州まで、各地から川柳愛好家約150名が来場。今回も、川柳の現在を垣間みることのできる、秀句の数々が寄せられました。
厳正な審査の結果、各題特選3句に選ばれたのは、以下の作品です。

兼題
選者
特選句/軸吟
作者
午後
小澤誌津子
特選
床擦れの老母がむずがる昼下り
木下 草風
刃物屋の刃物午後から光りだす
石部   明
午後の空気をゆっくりにする佛の日
森中惠美子
軸吟
脳内はおぼろおぼろのまま午後に
田中 博造
特選
尾のまるい島の猫らのまつりごと 江口ちかる
フィクションの島でくびれてゆく時間 西出 楓楽
島の男は正直に嘘をつく 森中惠美子
軸吟
島の花島でうつくしければいい
西出 楓楽
特選
ポケットの中に茨も飴玉も 西村みなみ
いばらみちお寺の屋根に行き止まる 森中惠美子
ほっといてやろう茨になっている 西山春日子
軸吟
隠し通して茨はいつかめりはりに
石部 明
特選
密葬にするらしコンニャクの破片 國方 艶子
背景がほどける百万匹の蛸 江口ちかる
街中はペンギンたちで満ちている 小池 正博
軸吟
遠景を入れてぐつぐつ煮える鍋
歩く
赤井 花城
特選
歩いて歩いてふるさとに溶けてゆく 山本  乱
街道を歩きつくした菜の花忌 森中惠美子
マチュピチュに登って徘徊が終わる 石橋 芳山
軸吟
覚えてますかヨチヨチと歩いた日
覚悟
前田芙巳代
特選
瀬戸物の卵覚悟はできている
田中 蛙鳴
やわらかな覚悟日傘と渡る橋
田中 博造
目の覚めぬ朝も想定内である
山本   乱
軸吟
覚悟には覚悟でかえす雨の花
墨 作二郎
特選
とどのつまりは沢山石を蹴っている 上原美佐子
日が落ちて指生える石枇杷抱く石 石田 柊馬
道草があって私の石仲間 樋口 祐子
軸吟
父を刻みし石は瓦礫のその一つ
動く
森中惠美子
特選
医者へ向かうバスがときどき動く村 野島     全
動けるうちにお寺さんと仲良くしておこう 木下 草風
地球が動いて洗濯物かわく 新家 完司
軸吟
ポイントを集める指がよく動く