お口に関心を持ってください①    
                                      
       津山歯科医師会
                                                      

 今回より数回にわたって、皆さんが自分の口に関心を持っていただけるようなお話をさせていただこうと思います。面白い話とともに、お口を通して健康増進に役立つ内容もお伝えしますので、よろしくお願いいたします。

 歯科医院の封筒や診察券などに動物のキャラクターが印刷されているのをよく見かけます。歯をイメージする動物としてリス、ビーバーなどが使われることが多いように思います。私が何を選ぶかと聞かれたら、すかさず「カバ」と答えます。大きな口、突出した数本の歯など、口に関係したイメージはありますが、今はやりのメタボリックシンドロームを連想させる体型はあまり健康的とは言えませんね。

 でもカバにはそんな悪いイメージを吹き飛ばすほど面白い特徴があり、歯科のイメージにぴったりなのです。なんと、カバの口には歯ブラシがついているのです。奥歯のほっぺた側に歯ブラシのようなビラビラが並んでおり、食事、つまり草を食べるごとに歯みがきをしているのです。「食後に歯みがきをしましょう」どころではありません。食べながら歯みがき!・・・・・なんと合理的なことでしょう。

                                                 

 歯科では虫歯に関するもの、歯周病に関するものなど様々な治療をします。しかし治療の予後は、口の清掃がどれだけできるかにかかっています。言い換えれば、歯科治療の基本となるのは口腔清掃であり、歯みがきの出来ていない口では決して良い結果は得られません。

 「歯ミガキ」という言葉はあまり良い言葉ではありません。「磨く」というと何となく水晶などのつやを出すイメージがありますが、歯に対してやっていただきたいのは歯についた汚れ、歯垢を除去する清掃です。

 皆さんの口には何本の歯が残っていますか?歯の抜けた部分があれば、その両側の歯はとても清掃しづらいものです。歯茎がどれだけ後退しているでしょうか。歯の間に隙間がどれくらい出来ているでしょうか。歯間ブラシを使うことにより、歯間部の清掃はとてもやりやすくなります。色々な歯みがき方法が提唱され、歯間ブラシや糸ヨウジなど清掃補助器具もたくさんあります。

 それらの目的はすべての歯面に器具は当たり、歯垢と汚れを清掃することです。歯みがき回数ではありません。みがき残しがあるのでは何回やってもその部分はみがいていないのと同じことです。電動歯ブラシも“自動”歯ブラシではありません。ブラシが当たっていない部分まで磨いてくれるものはありません。

 残念ながら我々はカバのように口の中に歯ブラシがついておらず、自動的に磨けるしくみはありません。まずは口の中を鏡で見て現在の口の状態を把握していただき、その状態にあった歯の清掃方法を習得してください。

 口の健康は歯みがき、歯面清掃にかかっています。いちど歯科医院を受診されることをお勧めします。